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黒き荒野の果て ハーパーBOOKS
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黒き荒野の果て ハーパーBOOKS

S.A.コスビー(著者), 加賀山卓朗(訳者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 ハーパーコリンズ・ジャパン
発売年月日 2022/02/16
JAN 9784596319234

黒き荒野の果て

¥1,210

商品レビュー

4

27件のお客様レビュー

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2024/09/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ボーレガードは車の修理工場の経営者であり、凄腕の運転技術を持つドライバーでもある。 生活は厳しい。 同業者に客は奪われ、子どもたちはお金がかかる年頃だ。 このままでは取引先への支払いもできず、破産に追い込まれそうな状況で、一攫千金の仕事が舞い込む。 ストーリーはシンプル。 だが、読ませる。理由は登場人物たちが、欲望に満ちた、正直な人間の姿として描かれているからだろう。 ボーレガードは父親の残像に縛られ、社会的にも真っ当な能力があるにも関わらず、犯罪に手を染める。 なぜなら「金」が必要だからだ。 このままでは修理工場は倒産し、子どもたちに良い教育を受けさせてやれない。 では、どうして犯罪なのか? これがボーレガードの性(さが)として描かれる。 ボーレガードだけでなく、ロニーや他の登場人物たちも「金」に人生を狂わされていく。 本当は貧乏から脱したかっただけなのに。 幸せを誰よりも欲するが、その手の入れ方を誤った男たちの寂しい物語でもある。

Posted by ブクログ

2024/09/11

これは面白かった。 S・A・コスビーはどの作品も面白く、作品を重ねる毎に描かれている物語的にも描いている社会背景的にも作品的にも深度が深まってる印象がある。 だが、個人的には一番好みのタイプなのが本作。 かつて裏稼業で生活していた男が、愛する者と出会い足を洗う。だが、表の世界での...

これは面白かった。 S・A・コスビーはどの作品も面白く、作品を重ねる毎に描かれている物語的にも描いている社会背景的にも作品的にも深度が深まってる印象がある。 だが、個人的には一番好みのタイプなのが本作。 かつて裏稼業で生活していた男が、愛する者と出会い足を洗う。だが、表の世界での生活が苦しくなり、再び裏稼業に手を出す。簡単だと思っていた仕事が、実はギャングの金で……というどこかで観たことあるようなシンプルな物語ではある。 だが、これがS・A・コスビーが描くと見事なクライムノベルに仕上がっている。 これは映画化したら絶対最高だろう、というシーンがいくつもある。 クライマックス、ダスターという愛車の登場シーンからカーチェイスシーンまで絶対映画だったら見せ場になるシーンで、文章でありながらもそのイメージでかなり痺れた。 当然ながら映画化の話もきているらしい。 映画が今から待ち遠しい。

Posted by ブクログ

2024/08/29

久々に骨太なハードボイルを堪能。 メインストーリーはありがちな設定だが、主人公のキャラが深く描きこまれていて、生い立ちからくる父親へのトラウマ(ここが少し冗長)、その反面としての現家族への強い想いをベースに、男同士の友情、裏切りがフィルムノワールのように濃厚に描かれている。 バ...

久々に骨太なハードボイルを堪能。 メインストーリーはありがちな設定だが、主人公のキャラが深く描きこまれていて、生い立ちからくる父親へのトラウマ(ここが少し冗長)、その反面としての現家族への強い想いをベースに、男同士の友情、裏切りがフィルムノワールのように濃厚に描かれている。 バイオレンスシーンもあって、どこかエルモア・レナードやデニス・ルヘインを思わせるような切なさも漂う。 歯切れのよい文章が実にうまく、暗いトーンの比喩や暗喩も見事でラストまでじっくりと楽しめる。

Posted by ブクログ

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