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運命の八分休符 創元推理文庫
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運命の八分休符 創元推理文庫

連城三紀彦(著者)

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運命の八分休符 創元推理文庫

858

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東京創元社
発売年月日 2020/05/29
JAN 9784488498139

運命の八分休符

¥858

商品レビュー

3.5

14件のお客様レビュー

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2025/06/19

〈どこまでが現実の一人称でどこまでが整形かはあえて書かずにおきます。ただ軍平が作家なら「こんな夢の譫言に読者をつき合わせるのは悪いな」と思うでしょうし、その恥ずかしさは何分の一か、単行本化にあたっての今の僕の、本心でもあります。〉  あとがきまで繊細で美しい本書が発表されたのは...

〈どこまでが現実の一人称でどこまでが整形かはあえて書かずにおきます。ただ軍平が作家なら「こんな夢の譫言に読者をつき合わせるのは悪いな」と思うでしょうし、その恥ずかしさは何分の一か、単行本化にあたっての今の僕の、本心でもあります。〉  あとがきまで繊細で美しい本書が発表されたのは四十年近く前、連城三紀彦の初期作品のひとつになります(まだ『恋文』で直木賞を取る前のこと)。大学を出て以降、定食も付かずにふらふらしているちょっと頼りない感じの青年だが、心根は優しく、実は空手の心得もあり、抜群の推理力も持っている。そんな彼が様々な女性に惚れたり、惚れられたりしながら、様々な謎と向かい合っていく。時代をこえて、広範のひとに好かれそうな探偵ではないかな、と思います。  ミステリとしても、大変素晴らしく。読者の思い込みは綺麗にひっくり返され、美しい着地を決めていく、逸品揃いです。個人的に好きだったのが、少女誘拐事件の顛末を描く「邪悪な羊」とセンセーショナルな女優が舞台の上で自伝を描き出す「観客はただ一人」の二篇で、特に後者の、ミステリだからこそ描きうるはっと息を呑むような美しさが印象的でした。

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2024/01/04

「連城三紀彦」の連作ミステリ短篇集『運命の八分休符(英題:The Eighth Rest of Fate)』を読みました。『夜よ鼠たちのために』に続き、「連城三紀彦」の作品です。 -----story------------- ささやかな?を胸の裡に秘めて、彼女たちは現れる。 ...

「連城三紀彦」の連作ミステリ短篇集『運命の八分休符(英題:The Eighth Rest of Fate)』を読みました。『夜よ鼠たちのために』に続き、「連城三紀彦」の作品です。 -----story------------- ささやかな?を胸の裡に秘めて、彼女たちは現れる。 心優しき青年が出会う五人の女性、五つの事件。 水際立つ論理と、澄み渡った感傷 謎解きの名手の隠れた傑作が甦る。 困ったひとを見掛けると放ってはおけない心優しき落ちこぼれ青年「軍平」は、お人好しな性格が災いしてか度々事件にまきこまれては、素人探偵として奔走する羽目に。 殺人の容疑をかぶせられたモデルを救うため鉄壁のアリバイ崩しに挑む表題作をはじめ、数ある著者の短編のなかでもひときわ印象深い名品「観客はただ一人」など五人の女性をめぐる五つの事件を収める。 軽やかな筆致が心情の機微を巧みにうかびあがらせ、隠れた傑作と名高い連作推理短編集。 解説=「岡崎琢磨」 ----------------------- 『夜よ鼠たちのために』と同時代の1980年(昭和55年)から1983年(昭和58年)に発表された作品、、、 大学を卒業しても定職に就かずぶらぶらしており、髪が薄く、眼鏡にどんぐり目、中肉中背で空手をやっていたので腕っぷしだけは強いけど、見た目はてんでさえない25歳の青年「田沢軍平」が探偵役となり事件を解決する連作短篇です。  ■運命の八分休符<装子>  ■邪悪な羊<祥子>  ■観客はただ一人<宵子>  ■紙の鳥は青ざめて<晶子>  ■濡れた衣装<梢子>  ■あとがき  ■解説 岡崎琢磨 各話に女性の名前が副題として付けられており、その女性と「軍平」の淡い恋が綴られることもあり、やや軽めのミステリに仕上がっていますが、犯罪のトリックは複雑で意外性もあり、本格ミステリとしても十分に愉しめるクオリティでしたね… 5作品ともホントに面白くて、さすが「連城三紀彦」作品って感じでした、、、 特に人物関係、構図がものの見事に逆転する意義が異性と鮮やかさが素晴らしいですよねー ホントに愉しめました。 その中でも、2分間のアリバイ崩しに挑み、犯行場所の入れ替えと電話の短縮ダイヤルサービスを利用したトリックを鮮やかに解き明かす『運命の八分休符』がイチバン印象的でしたね、、、 その他では、 子どもが間違えられて誘拐!? 誘拐事件の被害者を誘拐犯とミスリードさせられる『邪悪な羊』、 失踪者を探している人物が実は失踪者だったとミスリードさせられ、トラベルミステリっぽさも愉しめる『紙の鳥は青ざめて』、 が印象に残りました。 次は「連城三紀彦」の長篇作品を読んでみようと思います。

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2020/11/09

とても良かった。5人の女性をめぐる連作短編。容姿は冴えないが心優しい青年・軍平が、女性に関わり、事件に巻き込まれ、素人探偵としてふっと閃いて事件の真相に気づいてしまう。ひとつひとつの話が反転に目を見張る綺麗なミステリで、なおかつ細やかに心情を描いた恋愛ものでもある。なにより印象的...

とても良かった。5人の女性をめぐる連作短編。容姿は冴えないが心優しい青年・軍平が、女性に関わり、事件に巻き込まれ、素人探偵としてふっと閃いて事件の真相に気づいてしまう。ひとつひとつの話が反転に目を見張る綺麗なミステリで、なおかつ細やかに心情を描いた恋愛ものでもある。なにより印象的なのはどの話もラストの一文だ。込められた優しさとほろ苦さにため息が出る。それに加えて各話の題名も見事なこと。所々にユーモアも交えているから参ってしまう。初刊から40年近い月日を経ているとのことだが、今読んでも素晴らしかった。

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