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ある世捨て人の物語 誰にも知られず森で27年間暮らした男
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ある世捨て人の物語 誰にも知られず森で27年間暮らした男

マイケル・フィンケル(著者), 宇丹貴代実(訳者)

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ある世捨て人の物語 誰にも知られず森で27年間暮らした男

2,035

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社
発売年月日 2018/07/01
JAN 9784309207452

ある世捨て人の物語

¥2,035

商品レビュー

4.1

19件のお客様レビュー

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2025/03/26

本書の主役でもあるクリストファー・トーマス・ナイトは、20歳のときから27年間、ほぼだれとも会わず、アメリカのメイン州の森にひとりきりで暮らしていた。しかし、仙人生活のようなサバイバル本ではなく、彼は近隣のキャンプ施設や別荘に不法侵入して、生活必需品を繰り返し盗んで生活していたの...

本書の主役でもあるクリストファー・トーマス・ナイトは、20歳のときから27年間、ほぼだれとも会わず、アメリカのメイン州の森にひとりきりで暮らしていた。しかし、仙人生活のようなサバイバル本ではなく、彼は近隣のキャンプ施設や別荘に不法侵入して、生活必需品を繰り返し盗んで生活していたのだという。その盗品は高価なものではなく、ささやかなものではあったというが、当然ながら評価は分かれる。単なる泥棒ホームレスではあるが。 題材が既に面白い。孤独を愛する人間の精神性、どうしてそんな暮らしを始めたのかという経緯も興味深いし、どのように生活していたのかという点にも好奇心が沸く。『ウォールデン 森の生活』というソローによる著作を読んだ事があるが、この本は、自然の環境の中での著者の素朴な生活を綴ったもので、森の中にあるウォールデン池の近くに建てた小屋での2年2か月の体験記だった。このソローに対し、本書の主役であるナイトは、「ソローは素人評論家だ」と断じる。孤独についてもその期間についてもレベルが圧倒的に違う。 ― ソロー最大の罪は、「ウォールデン」を出版したことかもしれない。ナイトいわく、本を著し、自分の考えを商品としてパッケージ化するなど、本物の隠者のやることではない。食事会も、町の人々との親しい交流も同じこと。これらの行為は外へ、社会へ向けたものなのだ。いずれもある意味、「ぼくはここだ!」と叫んでいる。 そんなものは邪道だ、というのだ。分かる気がするが、目的が異なる話だし、「隠者の本物」を競っても仕方ないような気もする。 本書が多少残念なのは、取材をした著者がナイトにあまり好かれていないような気がする点だ。そのためか、そもそもナイトの前述のような思想ゆえか、生活そのものが語られる部分が少ないのだ。あくまで著者の目から見た客観的、表面的なナイトしか伝わってこない。非常に面白い内容なのだが、深堀りできるともっと良かった。

Posted by ブクログ

2023/05/28
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※このレビューにはネタバレを含みます

20歳で突如、仕事も行かずに車でどこかへ行き、そのまま森の中へ入り27年間も誰とも会わずに暮らした、トーマス・ナイトのノンフィクション作品です。 サバイバル術のような内容ではなく、トーマス・ナイトがどうしてこのような行動を行ったのか、そして発見された後の彼がどのように生きていくのか、という点にフォーカスされています。 終盤、ずっと心を閉ざしていたナイトが、著者に心を開き、森の貴婦人(死)に会いに行く計画を考えていると伝えます。その後、「何かを手放さなくてはならない。そうしないと、何かが壊れてしまう」と言い涙を流すナイトとともに、僕も涙腺が崩壊しました。 社会の中で表面上取り繕って生きることができるが、そこに充足感はなく、幸福も感じられない。だから、唯一充足感を感じることができた森の中に一人でいるしかなかった。27年間森で一人で生きたナイトをおかしな人としてでなく、一人の人間として向き合い描かれていて、深い共感を抱きました。 ナイトはただ人間社会から逃げ出しただけでなく、自分らしく生きられる場所を求めていたのではないでしょうか。

Posted by ブクログ

2022/07/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

クリストファー・ナイトは20歳で森に入り、27年間ほぼ他人と関わらず一人で暮らした「隠者」だが、その生活は盗みによって成り立っていた。 ・他人との交流を徹底して拒絶し自然と一体となって生活していたナイトへのあこがれ ・度重なる侵入によって心の平穏を乱された近隣住民への共感 ・著者に対する「いいからほっといてやれよ」という気持ち が交錯します。 私が思うハイライトは「ほしいものがあるならこれに書いておいてくれたら用意するから侵入やめてよ」という意図で置かれたメモ帳をナイトがフルシカトする場面です。他人との関わりたくなさの「深さ」が感じられた気がして。かといって、倫理観のない人物ではないので罪悪感は常にあるという…大変だ。 30年近く謎の侵入者による窃盗に脅かされ続けた近隣住民はナイトの隠者生活に批判的だが、中には「ハエみたいなもん」というご意見のおおらか(?)な方もいて興味深い。 窓辺に置かれた一杯のミルクで生活できたら良かったのにね。

Posted by ブクログ