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ある世捨て人の物語 誰にも知られず森で27年間暮らした男
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2018/07/01 |
JAN | 9784309207452 |
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ある世捨て人の物語
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商品レビュー
4.1
18件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
20歳で突如、仕事も行かずに車でどこかへ行き、そのまま森の中へ入り27年間も誰とも会わずに暮らした、トーマス・ナイトのノンフィクション作品です。 サバイバル術のような内容ではなく、トーマス・ナイトがどうしてこのような行動を行ったのか、そして発見された後の彼がどのように生きていくのか、という点にフォーカスされています。 終盤、ずっと心を閉ざしていたナイトが、著者に心を開き、森の貴婦人(死)に会いに行く計画を考えていると伝えます。その後、「何かを手放さなくてはならない。そうしないと、何かが壊れてしまう」と言い涙を流すナイトとともに、僕も涙腺が崩壊しました。 社会の中で表面上取り繕って生きることができるが、そこに充足感はなく、幸福も感じられない。だから、唯一充足感を感じることができた森の中に一人でいるしかなかった。27年間森で一人で生きたナイトをおかしな人としてでなく、一人の人間として向き合い描かれていて、深い共感を抱きました。 ナイトはただ人間社会から逃げ出しただけでなく、自分らしく生きられる場所を求めていたのではないでしょうか。
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※このレビューにはネタバレを含みます
クリストファー・ナイトは20歳で森に入り、27年間ほぼ他人と関わらず一人で暮らした「隠者」だが、その生活は盗みによって成り立っていた。 ・他人との交流を徹底して拒絶し自然と一体となって生活していたナイトへのあこがれ ・度重なる侵入によって心の平穏を乱された近隣住民への共感 ・著者に対する「いいからほっといてやれよ」という気持ち が交錯します。 私が思うハイライトは「ほしいものがあるならこれに書いておいてくれたら用意するから侵入やめてよ」という意図で置かれたメモ帳をナイトがフルシカトする場面です。他人との関わりたくなさの「深さ」が感じられた気がして。かといって、倫理観のない人物ではないので罪悪感は常にあるという…大変だ。 30年近く謎の侵入者による窃盗に脅かされ続けた近隣住民はナイトの隠者生活に批判的だが、中には「ハエみたいなもん」というご意見のおおらか(?)な方もいて興味深い。 窓辺に置かれた一杯のミルクで生活できたら良かったのにね。
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死ぬまでにしたいことリストのひとつが「静寂な環境に身を置いてみる」なので、ナイトの気持ちが少し分かる。自分たちが暮らす社会は物理的にも心理的にも雑音が多すぎる。ときどき自らの心臓の鼓動しか聴こえないくらいの静謐な空間が欲しくなるのです。
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