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倒立する塔の殺人 PHP文芸文庫
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倒立する塔の殺人 PHP文芸文庫

皆川博子【著】

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倒立する塔の殺人 PHP文芸文庫

968

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 PHP研究所
発売年月日 2011/11/18
JAN 9784569677538

倒立する塔の殺人

¥968

商品レビュー

3.8

53件のお客様レビュー

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2022/10/10

戦争文学✕少女小説✕ミステリー 空襲の脅威に怯えつつ、軍用機などの部品をつくる(特攻隊に死を与えている)という構造、少女たちの利発さの裏に隠された悪意が発露するとき、そして事件の真相…。とにかく美しさの中に潜む毒気にぞくっとさせられる名品。

Posted by ブクログ

2021/08/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

戦時下のミッションスクールで流行した「小説の回し書き」から女生徒を巻き込んでいく美しいミステリー。 戦中、戦後の世の中の変わりようが、今なら分かるような気がする。中身のない矛盾した物言いが蔓延っていて、それを受け入れなければならないのはさぞ辛いだろうと思う。 文学・音楽・絵画。お腹は膨れないけれど、少女たちの心をどうしようもなく潤すそれらが随所に散りばめられ、知識欲を駆り立てる。いつ命が失われるか分からない過酷な状況でも、心が求めるものを無視することはできない。 読み終えて喪失感すらある。

Posted by ブクログ

2019/08/21

皆川博子さん初読み。一癖も二癖もあるという噂を聞き、ついでにそんな癖の強い作品たちの中でもこの『倒立する塔の殺人』は比較的読みやすいということを聞いて手に取ってみた。確かに、読みづらくはなかったしストーリーの展開も面白かった。 終戦間際から終戦後にかけて、あるミッションスクールに...

皆川博子さん初読み。一癖も二癖もあるという噂を聞き、ついでにそんな癖の強い作品たちの中でもこの『倒立する塔の殺人』は比較的読みやすいということを聞いて手に取ってみた。確かに、読みづらくはなかったしストーリーの展開も面白かった。 終戦間際から終戦後にかけて、あるミッションスクールにおいて行われていた小説の回し書きが主題となる物語。物語は女学生の日常と、ノートに残された手記、そして『倒立する塔の殺人』の創作によって構成されていて、そのバランスが整っていて迷わずに読み進められた。そして戦時中やミッションスクールという設定が余計にこの話をミステリアスに仕立てている気がした。戦時中とはいえ、他所と隔離された少女たちの花園。小説内に登場する「S」や「お熱」などの用語がその特殊な環境の秘匿性を高めていて、その秘密を垣間見させてもらっているような心地で読み進めた。 特によかったと思うのは、物語の中に登場する他作品(ドストエフスキーとか)や絵画、音楽が豊富だったこと。巻末には物語に登場する絵画が絵付きで紹介されていて、随時参照しながら想像を膨らませることができた。そして解説で三浦しをん(大好きです)が書いている通り、ほかの作品への興味までかきたてられる。

Posted by ブクログ

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