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倒立する塔の殺人 PHP文芸文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | PHP研究所 |
| 発売年月日 | 2011/11/18 |
| JAN | 9784569677538 |
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倒立する塔の殺人
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倒立する塔の殺人
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商品レビュー
3.7
60件のお客様レビュー
戦時中の女学院が舞台。 謎の死を遂げた女学生の謎に迫るとともに、いろんな人に書き綴られる作中作で真実が迫ってくる。 幻想的な展開で??となり、百合的な雰囲気がさらに自分には合わなかった…好みの問題なので世界観が好きな人にはかなり刺さるなとも思う。
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…貴女がわたしの名前を呼んでくれたら、そうして、心からの謝罪を口にしてくれたら――一言でいい、真情のこもった言葉を――わたしは、貴女をこうまで憎みはしなかっただろう。(p287) 女王健在。――読了後、真っ先に頭に浮かんだ言葉だ。この作品が刊行された2007年に皆川博子さんは7...
…貴女がわたしの名前を呼んでくれたら、そうして、心からの謝罪を口にしてくれたら――一言でいい、真情のこもった言葉を――わたしは、貴女をこうまで憎みはしなかっただろう。(p287) 女王健在。――読了後、真っ先に頭に浮かんだ言葉だ。この作品が刊行された2007年に皆川博子さんは77歳前後だったはずだが、失礼ながら本当に本人が書いたのか、これほどの物語を後期高齢者になっても創れるものなのかと疑ってしまった。それほどまでに熱量の大きな作品なのである。むろんゴーストライターのはずもないことは自明で、戦時下の女子学生の生活をここまでのリアリティをもって書くことは、当時をリアルタイムで知るうえに余程の文才がないと不可能であり、そんな人は数えるほどしか地上に存在しないからだ。 物語の舞台は終戦前後の東京である。空襲で焼失したミッションスクールのチャペルから女生徒の遺体が発見された。爆撃による死亡であると思われたが、都立校に通う阿部欣子は、死者を含む数名の女生徒が小説の回し書きをしていたというノートを偶然入手する。『倒立する塔の殺人』と題された小説を読み進めるうち、欣子はそこに重大なメッセージが隠されていることに気づく… 「倒立する塔」という謎の言葉、ミッションスクール、エスと呼ばれる女生徒同士の疑似恋愛関係。カラマーゾフの兄弟、ポロネーズの第4番、ジャスミンの香り…。謎解きもさることながら、文学の香気が芬々と漂う甘やかで濃密な雰囲気に圧倒された。事実、犯人の独白はミステリーというより心理小説と呼ぶにふさわしい狂おしさに満ちているように思われる。 …だれかに知ってほしいという気持ちもある。わたしがどれほど貴女を恋していたかを。どれほど憎んでいたかを。報復とはすなわち、もっとも切実な恋の告白であることを。(略) 暴いてほしい。面と向かって罵ってほしい。わたしが自殺できるように。(p290) 少女小説のような危うさを漂わせながらも、物語の構成はあくまで緻密だ。物語は二重の入れ子構造になっており、三層のレイヤーで成り立っている。 ① 我々が読む『倒立する塔の殺人』(語り手:欣子 他) ② ①の作中作『倒立する塔の殺人』(語り手:小枝 他) ③ ②の作中作『倒立する塔の殺人』(語り手:サマン) ①~③はすべて少女らの通うミッションスクールが舞台となっており、虚実入り乱れて私たち読者を幻惑する。合わせ鏡を覗きこむような酩酊感を覚えるが、文学性の名のもとに謎解きが放棄されることはなく、最後はちゃんとロジカルに解決がなされる。謎解きがなくてもジュブナイル小説として面白いが、本格推理小説としても十二分にチャレンジングな作品と思われる。 最後に、この物語が書かれた動機について。御年77歳でこのような長編を書くことができるのかと最初に述べたが、それに対する回答とも思える文章が作中にあった。作中作『倒立する塔の殺人』の作者である少女のモノローグだ。ストーリーには関係ない科白だが、ここだけふと作者の素顔が現れていて、しかもそれは読者にとっても他人事ではないようにも思えた。よって、最後にその文章を紹介して筆を置くこととする。 …わたしたちは、切り花なのだ。空想――あるいは物語――という水を養いにしなくては枯れ果ててしまう。しかも、その水には、毒が溶けていなくてはならない。毒が、わたしたちの養分なのだ。(p188)
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◼️ 皆川博子「倒立する塔の殺人」 本土爆撃の中、ミッションスクールで消えた女学生。少女たちが書き継ぐミステリー。 2007年の作品。御大・皆川博子さんであるからには耽美・倒錯も期待してしまう。タイトルだけで何が来るのかと楽しみになる。文芸・芸術と戦争と、女学生たち、おまけに...
◼️ 皆川博子「倒立する塔の殺人」 本土爆撃の中、ミッションスクールで消えた女学生。少女たちが書き継ぐミステリー。 2007年の作品。御大・皆川博子さんであるからには耽美・倒錯も期待してしまう。タイトルだけで何が来るのかと楽しみになる。文芸・芸術と戦争と、女学生たち、おまけに入れ子構造。盛り込み並べ混ぜて呈示する手際はさすがだ。 昭和19年、都立の高等女学校に通う阿部欣子(きんこ)、通称異分子のイブ、または大柄であることからヌーボー、そして仲の良い三輪小枝(さえだ)からはべー様と呼ばれている、は、アメリカ機による攻撃で母と妹を亡くし、小枝の家に下宿することになる。そこで欣子は小枝にきれいな装幀の本を渡される。中には「倒立の塔の殺人」というタイトルの小説が手書きで綴られていた。 小枝は工場で一緒だった女学院の専門部に通う2人と親しくなった。上月葎子と七尾杏子。七尾は行方不明、上月は空襲の時、なぜか防空壕ではなくチャペルにいて爆死していた。 母校が空襲で破壊され、ミッションスクールである女学院の一角を間借りすることになった欣子たち。 手書きの小説は、上月を一方的に慕っていた女子・設楽久仁子が書き始めたと思われ、上月は久仁子を嫌っていたものの、趣向はおもしろく思い、続きを書いていたー。 2人の上級生の謎、そして過去にあったという外国人教師の突然死、タイトルにはどういう意味があるのか。犯人は、トリックは、動機は。 いわゆるS、女子同士の疑似恋愛というのが重要な要素ではあるが、ベタベタしたものではなく、芸術性を取り入れてきれいに関係性を設定している。美しき青きドナウ、ソシアルダンス、ショパンのピアノ曲ポロネーズ の4番、文芸ではドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」「白痴」そして寡聞にして知らなかったアンリ・バルビュス「地獄」などなど名作が豊富に出てくる。 さらに絵画、エゴン・シーレやムンクの少女の絵、ルドン、レンブラント等が効果的に配されている。これらは著者が幼少の頃心惹かれた作品たちらしい。 戦時の工場作業、肉親や友人のあっけない死、戦争の終わりを挟み、教師の豹変、どちらにも反抗する女学生の気持ち。 多くの要素を取り込み、作中作を複数の者にに綴らせるという構造。ミステリー的解決と現代的トリック、さらに、得意の倒錯とファンタジー風味まで少し噛ませて織り上げた物語は、中心がしっかりして複雑な周囲の状況も整然と解決がつくもの。まるでペルシャのメダリオン模様の絨毯のようだ。 かけてあるフェイクをん?と読み手に考えさせたり、名探偵コナンに出てきそうなトリックを明示したり、倒錯的な材料も入れるなど、読み物として楽しめた。皆川センセ、やっぱりイケてますd(^_^o)
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