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精霊たちの家 池澤夏樹=個人編集 世界文学全集Ⅱ-07
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精霊たちの家 池澤夏樹=個人編集 世界文学全集Ⅱ-07

イザベルアジェンデ【著】, 木村榮一【訳】

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精霊たちの家 池澤夏樹=個人編集 世界文学全集Ⅱ-07

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社
発売年月日 2009/03/30
JAN 9784309709598

精霊たちの家

¥3,740

商品レビュー

4.5

15件のお客様レビュー

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2023/07/05

230705*読了 ついに!池澤夏樹さん編纂の世界文学全集30巻を読破! やりたいことリストにずっと書いていたことを一つ達成できた。今、達成感に満ちあふれている。 「百年の孤独」に似ている、女版ガルシアマルケスなんて言われているようだけれど、そうは感じなかった。確かに精霊が飛ん...

230705*読了 ついに!池澤夏樹さん編纂の世界文学全集30巻を読破! やりたいことリストにずっと書いていたことを一つ達成できた。今、達成感に満ちあふれている。 「百年の孤独」に似ている、女版ガルシアマルケスなんて言われているようだけれど、そうは感じなかった。確かに精霊が飛んでいるなんて表現は、「百年の孤独」にも感じられる幻想、突飛さと類するところはあるが…。 三世代にわたる女性の物語とわたしは感じている。 そこにずっといて、一人語りまで織り込まれているのは、夫であり、父であり、祖父であった男性というのもおもしろい。 ラテンアメリカって日本人からすると本当に未知の国で、しかも革命だのクーデターだのの様子だったり、アルバも巻き込まれてしまった残虐な拷問なんてもう想像もつかない。 もし自分がその時代、その場にいたらと思うと恐ろしくて仕方がない。 そんな中でジャーナリストとして活動したり、小説を書こうとするその情熱。女性であることって絶対に不利な面もあるのに、それでも熱い気持ちを絶やさずに言葉を紡ぎ続ける強さ。 それがとてもかっこいい。 女性の人生を描く物語が好きなので、そういう意味でもこの小説も作家さんも好き。 邦訳は出ていないっぽいのだけれど、エッセイも読んでみたいなぁ。 ラストを飾ったのがこの小説だったことにも、意味を感じてしまって。希望をもらえた気がしている。

Posted by ブクログ

2018/07/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

物語世界に非現実的事象と現実が共存している「マジック・リアリズム」の手法も共通しているが、『精霊たちの家』において印象的なのは、馬ほどある大きな犬や緑の髪の美女など、どんな非現実的存在の描写にしても必ず生々しく、肉感的であるところだろう。 炭鉱夫から富農に、そして政治家にまでのし上がったエステーバン・トゥルエバ。物語は彼の人生を縦糸に、その妻クラーラと娘ブランカ、孫娘アルバの人生を横糸に織りなされる。それは一族の歴史のタペストリであり、アジェンデの叔父が大統領を務めた母国チリの現実の投影でもある。 登場人物中、最も魅力を感じさせるのがクラーラだ。いつも夢見心地で、幼い頃から手を触れずに物を動かしたり、予言をするなどの超能力を発揮。精霊と話すこともできる浮世離れした女性だ。夫の農場が地震で大打撃を被ると、しっかり者のお母さんに変身する柔軟性もある。だが危険が過ぎるとまたうっとり、ぼんやりの日々。 やがて台頭してきた社会主義の波はエステーバンの農場にも押し寄せる。その先鋒となる農場の青年とブランカの恋は破綻。二人の愛の結晶・アルバが成長した頃には、一族の守り神のような存在だったクラーラは既にない。クーデターにより政権を握った軍部が暴政を敷く中、ゲリラの若者を愛したアルバの選んだ道は……。 クラーラからブランカ、アルバへと世代が移るに従って、一族を取り巻く神秘と不思議の色は薄まり、酷薄な現実の血の色に取って変わられる。それでも生命は彼女たちの胎に宿り、一族の誰かの何がしかを連綿とその身に受け継いでゆく。その繋がりにこそ作者は最大の神秘を見出しているのかもしれない。だとすればタイトルの『精霊たちの家』とは、女性そのものであるとも言えるのではないだろうか。 編者の池澤夏樹は、世界文学全集の一冊としてこの作品を選んだ理由に「(前略)一族の大きな物語は、読み始めたら最後のページまで進むしかない」と記す。その言葉通り、読み出したら止まらない吸引力をもった小説だ。

Posted by ブクログ

2018/05/13

パールバックの「大地」の様な歴史大作。チリを舞台に19世紀末からチリクーデターの起こった1973年までを描いた物語。その中にクラーラの精霊と会話する不思議な能力の話も散りばめられて、物語を彩っている。 日常をノートに書き留めたり、振り子を文字の上で振って意思疎通を図ったり、夢占...

パールバックの「大地」の様な歴史大作。チリを舞台に19世紀末からチリクーデターの起こった1973年までを描いた物語。その中にクラーラの精霊と会話する不思議な能力の話も散りばめられて、物語を彩っている。 日常をノートに書き留めたり、振り子を文字の上で振って意思疎通を図ったり、夢占いをしたり、何時間も三脚椅子でYES、NOを聞いたりする。 ノートに綴る理由として… 人間の記憶というのは儚いもので、人生は短くあっという間に過ぎ去ってしまう、だから私達は様々な事件を結び付けている関係を読み取ることが出来ず、行為の結果を推し量ることも出来ない。現在過去未来といった時間の虚構を信じているが、この世界においてあらゆる事が同時に起こる事もあり得るのだ。人間の記憶がいかにあやふやなものであるか知った上で、事態を真実の相の元でしっかり見つめようとしたからに他ならない。 3.5センチの厚み分の大河ドラマ。 人称が時々入れ替わる理由も、最後になるにつれて謎解きされる。

Posted by ブクログ

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