商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 岩波書店/岩波書店 |
| 発売年月日 | 2006/11/10 |
| JAN | 9784001155792 |
- 書籍
- 児童書
百まいのドレス
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百まいのドレス
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商品レビュー
3.9
44件のお客様レビュー
小学生頃によくありそうないじめの話。 途中までずーっと暗いいじめの話で読むのがつらかった。 最後の方で、何もしていなくてもいじめの傍観者はいじめた人と同じなんだ、と気付く1人の女の子がいます。 でも気付いてからじゃ遅い事もある。 その子は引っ越してしまったけど、今は死んでしまう子...
小学生頃によくありそうないじめの話。 途中までずーっと暗いいじめの話で読むのがつらかった。 最後の方で、何もしていなくてもいじめの傍観者はいじめた人と同じなんだ、と気付く1人の女の子がいます。 でも気付いてからじゃ遅い事もある。 その子は引っ越してしまったけど、今は死んでしまう子だっている。 小さい頃からこういう「いじめられたらどんな思いをするか」を考えさせられる本を読むのはすごく大事な事。道徳の時間や国語の教科書にも出てきそうな物語でした。 最後はいじめられていた子の素晴らしい才能で少し救われた気持ちになりましたが、やっぱりいじめはダメ。絶対!
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小学中・高学年向け アメリカの田舎町の小学校。ワンダ・ペトロンスキーは、教室で一番きたなくて乱暴な男の子たちのいるような席に座っています。 ワンダはいつも同じ青いワンピースしか着ていないし、貧しい人たちの住む家から遠い道を通ってくるので靴も泥だらけだし、教科書を読むことは苦手だ...
小学中・高学年向け アメリカの田舎町の小学校。ワンダ・ペトロンスキーは、教室で一番きたなくて乱暴な男の子たちのいるような席に座っています。 ワンダはいつも同じ青いワンピースしか着ていないし、貧しい人たちの住む家から遠い道を通ってくるので靴も泥だらけだし、教科書を読むことは苦手だし、何と言っても変な名前。ペトロンスキー? 他の女の子たちは、新しい服を買ってもらったり、お母さんに縫ってもらったり、バレエを習ったりしています。 ある時、みんなでクラスメイトの新しい素敵な洋服を褒めているとワンダが言うんです。 「わたし、うちに、ドレス百まい、持ってるの。」 何を言ってるの!?女の子たちはワンダを笑います。その日からずっと女の子たちがワンダに「あなた何枚ドレスを持ってるの?靴は何足持ってるの?そんなに持ってるのに着てこないの?」とからかうのが日常になりました。 いちばんからかうのが、クラスでもお金があり頭の良いペギーです。でもペギーと仲の良いマデラインは「私も貧乏だから、私のこともそう思ってるのかな…、でもワンダがいじめられなくなったら、今度は私がいじめられるのかな…」って考えてしまいます。マデラインはペギーが大好きで仲良しですが、ワンダをからかうのは「嫌だな、やめてくれないかな」と思います。でも言い出せません…。 物語の中盤で、ワンダの持っているという「百まいのドレス」が何のことなのかが分かります。 しかしワンダと家族は都会に引っ越していきます。このときの父親からが学校に手紙を出します。 「都会なら、ポーランド人の名前をからかわれることもないでしょう」 この手紙に、ペギーや、他のクラスメイトも、「自分たちってワンダに意地悪していたの?だってワンダが嘘をついていたと思っていたんだし、ワンダは泣いていないから意地悪じゃないよね?」なんて考えます。 そしてマデラインとペギーは、なんとかワンダに気持ちを伝えたいと思います。 その気持はちゃんと通じ合います! マデラインは、ワンダとはもう会えないけれど、この先誰かが自分の前でからかわれていたら、もう黙って見ていたりしないって誓うのでした。 大人からすれば貧困移民家庭だって分かるし、残念ながら引っ越した都会でもうまくやってるかんじもあまりせず…ただワンダの素敵なセンスがこの後彼女を助けてくれると良いと思う。 この話の物語は100年程前ではありますが、現代でも十分通じると思うんです。諸学校クラスに外国語児童がいて当たり前になりつつあるといっても、やっぱり言葉が通じないことの齟齬ってありますすよね…。 そして石井桃子さんのあとがきもとても素敵!! 外国では戦争中であっても子供向けのこのような素敵なお話が書かれていた。そして日本でも、戦時中に公開はできなくてもこのように美しいものを集めていた人達もいる。 戦争が終わり日本でも少年少女たちに素敵なお話を届けようと岩波文庫が子供向けレーベルを刊行した。 <未来をになう若い人たちに、心の糧となるような豊かな文化を、ぜひとも伝えたいと願っていました。P88> そうそう、物語は心が豊かになる。子供にはやっぱりお話を勧めていきたいなあ。そして自分もどんどん本を読まなくちゃ。 そして本を届けてくださる皆様への感謝を改めてお伝えしたいです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
絵本と児童文学の中間にあるたった100ページ足らずの本なのに、この本に書かれた内容は深い。 ポーランド移民のワンダは、いつも色あせてしわだらけの青いワンピースを着ている。 おまけに変な名前だ。 ペギーはいつも「戸棚に何枚ドレスをお持ちなんでしたっけ?」とワンダに聞く。 ワンダは「100枚」と答える。 ペギーは「なんでこの子はこんなわかりやすい嘘をつくのだろう?」と思いながら、毎日ワンダに聞き続ける。 もし「意地悪やめなよ」なんて言われたら、ペギーは不思議に思うだろう。 「いじわるなんてしていない。嘘をつくこの子が変なの。名前も変だし。私、誰のことも泣かせたことなんてないわ」 確かにペギーは小さい子に優しいし、困っている人には手を差し伸べることができる。 けれど、自分と違う人のことを想像することができない。 ペギーの親友のマデラインは、自身も貧乏なので、本当はペギーに「ドレス何枚お持ち?」なんてことをワンダに言ってほしくない。 自分が言われたら、すごく嫌だから。 でも、だからと言ってペギーを止めることもできない。 一番苦しんでいたのは、実はマデラインだ。 ある日ワンダは転校してしまう。 彼女の父親が書いた手紙には、「ポーランド人だからとバカにされない大都会に引っ越す」と書かれていた。 そんなつもりではなかったけれど、自分たちの仕打ちがワンダに嫌な思いをさせていたことに気付いた二人は、ワンダに手紙を書く。 そしてワンダからは…。 自分の行動にあまりに無自覚なペギーではあったけれど、多少の罪悪感はあったのだろう。 言語化できないだけで。 ワンダからもらった絵を裏向きにベッドの上に置いていた、というのが、つまりはそういうことで。 本当は友達になりたかったのに、とうとうクラスの中に溶け込むことができなかったワンダだが、100枚のドレスの件で、生きる力とか負けない気持など、自分を支える何かを手に入れたのだと思う。 本当の仲直りはできなかったけれども、マデラインの成長が希望である。 「ワンダとのあいだにおこったことは、もうとりかえしがつかないとしても、これからは、もう二どと、ほかの人をふしあわせにするようなことは、するまい。」
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