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彼方なる歌に耳を澄ませよ 新潮クレスト・ブックス
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彼方なる歌に耳を澄ませよ 新潮クレスト・ブックス

アリステアマクラウド(著者), 中野恵津子(訳者)

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彼方なる歌に耳を澄ませよ 新潮クレスト・ブックス

2,420

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2005/02/25
JAN 9784105900458

彼方なる歌に耳を澄ませよ

¥2,420

商品レビュー

4.3

22件のお客様レビュー

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2022/12/12

「クロウン・キャラム・ルーア」――赤毛のキャラムの子供たち 物語は、18世紀末最初にケープ・ブレトン島に立ったキャラム・ルーアと、その20世紀の子孫である「私」アレクサンダー・マクドナルドの家族の出来事を明らかにしていく。 かつて、フランスとイギリスはアメリカ大陸の覇権をめぐ...

「クロウン・キャラム・ルーア」――赤毛のキャラムの子供たち 物語は、18世紀末最初にケープ・ブレトン島に立ったキャラム・ルーアと、その20世紀の子孫である「私」アレクサンダー・マクドナルドの家族の出来事を明らかにしていく。 かつて、フランスとイギリスはアメリカ大陸の覇権をめぐって争っていた。18世紀末、猛勇果敢なハイランダー(スコットランドのハイランド地区の人たち)は、戦争のために多くがカナダに移ることになった。 生きるために、キャラム・ルーアは12人の子供と妻、親戚を連れて大西洋を渡り、ケープ・ブレトン島にたどり着く。 子供たちはたくましく生き抜き、その子孫はカナダ東部に広がったり再びスコットランドに戻ったりして各地で生きるも、血のつながりが何よりも大切とされ、同族とわかるとゲール語で歌い合い酒を飲みかわす。 「赤毛で双子が多く、古いスコットランドの言葉である「ゲール語」の歌をこよなく愛する人たち」。 出だしは、アルコール依存症の貧しい兄を、高額な歯科医療を仕事として持つ「私」が訪ねる場面から始まる。 …なぜ、「私」はこの兄のもとに通うのか? ここからこの壮大な叙事詩が幕を開ける…。 浸りきってしまった。 ページを閉じた後も、しばらく、暗い海と灯台が見えていた……。

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2022/11/15

アリステア・マクラウド・・100年前の作家、佳作、とてつもない短編の名手と謳われる。再読をしない私に取り、数少ない、「読み返したくなる作家の一人。 唯一の長編である当作、13年余の日月を掛けて丹念に綴った感のある誇り高きハイランダの紐帯と情緒、決して安泰ではない血と汗と涙が滲む...

アリステア・マクラウド・・100年前の作家、佳作、とてつもない短編の名手と謳われる。再読をしない私に取り、数少ない、「読み返したくなる作家の一人。 唯一の長編である当作、13年余の日月を掛けて丹念に綴った感のある誇り高きハイランダの紐帯と情緒、決して安泰ではない血と汗と涙が滲むときの流れである。 両親と末の弟を思いがけぬ事故で失った歯科医の次男。 文は回想と現時点を交互にあやなすように綴られて行く。 挿入されるカナダ ノヴァスコンシア州ヶプ・ブレトン島や周辺の何れも身内が思い出として絡んだ土地の情景。 登場するのはクロウン・キャラム・ルーア(初めに移住を決意した赤毛のキャラムの子孫の意)の人々。 ケルト語を話し、ケルト民族の歌をこよなく愛し、民族と深くまつわった食べ物や料理を愛すことで一族の紐帯はとてつもなく強く、今の時間へと連なってきている・・とは言え「最後に締める誰でも愛されると いい人間になるというのは大きく否と感じる~それはノスタルジックに溢れた安っぽい感傷だと・ マクドナルド一族はクラウンにのみ認められた由緒ある家柄・・それだけ紐帯の強さは感じるとともに排他的な気持ちを持つの現代だからだろうか。移民独特の空気感である。 岬、波しぶき、犬や馬と一体の日々の暮らし、亡くなった両親が移った集団写真を引き伸ばそうかと考えて・・ぼやけてしまうことから諦めるシーン・・回顧のメリットとデメリットが織りなす複雑な6世代の感慨を受けた読後だった。

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2017/12/08

この物語に関して私が書けることはそれほど多くない。 ただ、かけがえない、いとおしい物語が私の中に一つ増えたということだろうか。 最終盤の章を読みながら、私自身の祖父や祖母のことを思い出していた。感情の波が体中に押し寄せ、物語を読み終えた後しばらく放心状態だった。 読み終えてみると...

この物語に関して私が書けることはそれほど多くない。 ただ、かけがえない、いとおしい物語が私の中に一つ増えたということだろうか。 最終盤の章を読みながら、私自身の祖父や祖母のことを思い出していた。感情の波が体中に押し寄せ、物語を読み終えた後しばらく放心状態だった。 読み終えてみると全ての章が、エピソードが、人物たちが心に焼き付いているかのようだ。 著者のマクラウドも、訳者の中野恵津子さんも鬼籍に入ってしまったが、物語は私たち一人ひとりの心の中で生き続ける。それが物語だ。 「誰でも、愛されるとよりよい人間になる」

Posted by ブクログ

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