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プロトコル・オブ・ヒューマニティ ハヤカワ文庫JA1599
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 早川書房 |
| 発売年月日 | 2025/07/16 |
| JAN | 9784150315993 |
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プロトコル・オブ・ヒューマニティ
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商品レビュー
4.2
10件のお客様レビュー
人の、ままならない身体性についての物語。 大事故で傷ついた体、フォースフィードバックを絶えずよこしてくるAI義肢、ダンスの共演者となるアーム、アンドロイド、そして認知症を抱えた父。 脳は内臓である、からはじまる本書だけれど、内臓を包む身体が自己を安定して支えてくれるわけではなく、...
人の、ままならない身体性についての物語。 大事故で傷ついた体、フォースフィードバックを絶えずよこしてくるAI義肢、ダンスの共演者となるアーム、アンドロイド、そして認知症を抱えた父。 脳は内臓である、からはじまる本書だけれど、内臓を包む身体が自己を安定して支えてくれるわけではなく、身体はどうしようもなく他者であり、なんともままならない。 だからこそダンスという芸術が成立するのだろう。 このストーリーなら当然クライマックスのシーンはロボットと人間の共演するダンスシーンになるはずで、果たしてそれがきっちり描けるのだろうかと恐る恐る読み進めたが、それは失礼な杞憂であって、素晴らしい舞台の描写だった。それに先立って、父とのダンスのシーンがあるのだが、こちらも素晴らしいものだ。こちらこそクライマックスではないかと解説にあったが、私も同感だ。 盆踊りのような民族的で観客も踊るダンスと、バレエやコンテンポラリーのように観客は踊らないからこそわかるものに集中するダンスとがある、という二分法が出てくる。主人公が、ボディコンタクトそのものののような介護を通じて、そしてダンスを通じて、すなわち共に踊ることによって関わっていく父親と、離れていても心を通い合わせることのできた恋人と、対比的な両者の二分法と、同形の議論かもしれない。恋人との関わりは共に踊るものに変わっていくのだけれど。 稽古の途中で、ほんの少しだけ、「義肢をつけたアンドロイド」が出てくる。これは私には強烈に新鮮なイメージだった。ロボットは身体の枠を越えて通信し合えることが前提で、その意味では「個体」などないと思っていたからだ。オートポイエティックなロボット間の協調というのはおもしろい主題だと思った。 AIとロボットという、最も変化の著しい技術分野を正面から扱っているので、単行本と文庫との間で、その変化に対応してかなりの加筆がなされたという。もちろん、技術表現としては、いずれどこかで陳腐化するのかもしれないが、にもかかわらず、ある普遍的な問題に触れているからこそ、読み継がれうる物語だと思う。すぐれたSF作品とはそういうものだ。
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まるで一つの芝居を見ているようだった。 いや、ダンスだから芝居じゃなくて公演か…? 人と人が接することで人間性とは確立されているんだというメッセージ性を感じた。 介護の描写のシーンがリアリティがあると思ったら作者の体験も交えて書いてあるらしい。通りで…
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面白かったです。事故で右足を失ったプロダンサーがAIを組み込んだ義肢を装着して、新たなダンス表現を生み出すというストーリーです。SF小説というカテゴリーになっていますが、SFというよりはヒューマンドラマ、あるいは哲学色が濃い本かもしれません。そして何より私は著者の文章力に感銘を受...
面白かったです。事故で右足を失ったプロダンサーがAIを組み込んだ義肢を装着して、新たなダンス表現を生み出すというストーリーです。SF小説というカテゴリーになっていますが、SFというよりはヒューマンドラマ、あるいは哲学色が濃い本かもしれません。そして何より私は著者の文章力に感銘を受けました。ダンスという文字で表現しづらいであろう領域をよくここまで文章で表現したなと。 この本で考えさせられた問いは次の2つです。1つ目は「ダンスとは何か」、2つ目は「AIとはどんな存在なのか」ということです(その意味で本書は哲学的)。言い換えると、人間とは何かを考えるにあたって、AIという異質なものと比較をしつつ、一方ではダンスを情報処理的(機械的に)考えることで人間とAIの共通点を見つけようとします。ちなみに「AIとはどんな存在なのか」という問いに対しては、AIを道具としてみる見方が世の中では一般的な気がしますが、本書はそれとは違う視点を提供してくれているのではないでしょうか。それはAIを「器官」としてみる見方です。かつて漫画「寄生獣」というのがありましたが、あれに近いかもしれません。寄生獣は完全にファンタジーなのに対して、AI義肢はすでに世の中に登場しています(とある展示会で見ました)。つまり本書はSFとも言えない、きわめて現実に近い話を書いているともいえるでしょう。人間とは何か、AIとは何かなど考えさせられる本でした。
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