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ジェイムズ
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
| 発売年月日 | 2025/06/27 |
| JAN | 9784309209289 |

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商品レビュー
4.4
88件のお客様レビュー
日本大学図書館生物資源科学部分館OPAC https://brslib.nihon-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1000348332
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トム・ソーヤーの冒険。ハックルベリー・フィンの冒険。しっかり予習をしてたどり着いた本作「ジェイムズ」。一昨年ピュリツァー賞と全米図書賞をダブル受賞し、NYタイムスにも絶賛された本書。150年前のマーク・トウェインの著作「ハックルベリー・フィンの冒険」を、ハックの相棒の黒人逃亡奴隷...
トム・ソーヤーの冒険。ハックルベリー・フィンの冒険。しっかり予習をしてたどり着いた本作「ジェイムズ」。一昨年ピュリツァー賞と全米図書賞をダブル受賞し、NYタイムスにも絶賛された本書。150年前のマーク・トウェインの著作「ハックルベリー・フィンの冒険」を、ハックの相棒の黒人逃亡奴隷ジムの視点でリライトしたのが本作。ジェイムズとは、ジムのことである(ジムはジェイムズの愛称)。 かの有名な作品を現代のアフリカ系アメリカ人作家が現代の目線で書き直すという仕掛けだけでかなりそそられ、なるべく前情報を入れないように気をつけながら1ページ目をめくる。そして、残りの400ページを、ハックルベリー・フィンを読み終わったその日のうちに、あっという間に読了してしまった。 冒頭で既に衝撃。奴隷たちは白人に警戒されないよう、奴隷なまりの話し方をあえて使っているという描写からはじまる。 オリジナルのハックルベリー・フィンの冒険では「〜ですだ。」のような典型的な無教養な下働きの人間の口調で描かれていた黒人奴隷ジム。しかしそれは仮初の偽りの姿だった。黒人たちが自分の身を守るため、白人を逆なでしないようにする工夫の一環というような舞台裏を本書では描いてみせる。 ハックの一人称で書かれたオリジナルはバンカラで多弁なトーンだったが、ジェイムズの一人称で書かれた本書の文体は終始静謐で簡潔、まるで森博嗣作品のよう。淡々と物語は進んでいく。オリジナルのハックルベリー・フィンとはかなり対照的だ。 物語の前半は、ハックルベリー・フィンの冒険と同じ出来事が描かれる。後半は完全オリジナルだ。そこでは、白人のように見えるが黒人の血が入っているため黒人だという人物ノーマンが出てくる。彼は、白人が靴墨で顔を塗って黒人のように変装するパフォーマンスの楽隊の一座に紛れていた(実にややこしい)。ジムも黒人になりすました白人になりすまして一座入りする。なぜこんなオリジナルストーリーが?と思うが、これがこののち終盤に明らかになるハックの驚くべき秘密のくだりにかなり効いてくる。 つまりあれだ。白人と黒人の差なんて大したことないんだ、ほんとは。黒人差別ってホントどうしょうもないよな、という。見た目が違うってだけなのになと。そういうことが猛烈に伝わってくる。 そして、心の中は誰でも自由である。無教養だと白人から思われているジムは、妄想のなかでは西洋の思想家と会話もかわす。実は字が読めて書けて教養もある。命がけで鉛筆を盗んでジムに託した黒人奴隷仲間のエピソードが印象的だ。自分は字を書けないのに、ジムのために鉛筆を盗んでくる。そして彼自身は鞭打ちで命を落とす。ジムはその鉛筆を何があってもポケットのなかに潜ませ続ける。いつかうちなる声や思想をすべて紙のうえに落とし外に出すために、だと思う。 つまり本書だ。 おまえの名前は(手配中の逃亡奴隷である)ジムか?という問いに「私の名前はジェイムス」と答えるというラスト1文に、私はほうっと息を漏らして本を閉じた。
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アメリカにおける人種問題、白人に迫害される奴隷としての黒人の気持ちや考えが記されています。ハックルベリー・フィンの冒険の中のジムを主人公に語られていて、目を覆いたくなる場面もありますが、彼等の気持ちがしっかりと伝わります。
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