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踊れ、愛より痛いほうへ
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
| 発売年月日 | 2025/06/24 |
| JAN | 9784309039701 |

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踊れ、愛より痛いほうへ
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商品レビュー
3.4
40件のお客様レビュー
母親の堕胎について子どもの頃に聞かされると多少なりともショックを受けるのはわかるが(むしろそれが他人からならなおさら)それが、自分の存在を揺るがす様な悪夢につながる、という視点がまじで共感できなかった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
アンノと葉山の掛け合いは特に印象的だった。アンノの好奇心は世界を広く知りたいだけではなく、「自分が生きていける場所」や「生きていてもいいと思える世界」を探る動きに見えた。その時期、葉山の隣にいることがそれを保証していたのかもしれない。だから二人の会話は軽口でも戯れでもなく、生き延びるための確かめ合いのように響いた。 向坂くじらさんの文体は、物語全体に重さと陰影を与えている。その重さは不幸を演出するためではなく、痛みや執着の描写に倫理と敬意を保つためのものだと思う。どの登場人物にも血の巡りを感じたのは、向坂さんが彼らの歪みに最後まで寄り添っていたからだと思う。 アンノは踊りから離れていたのではなく、ただ踊らないまま生きていただけだと思う。身体は忘れない。筋肉も呼吸も、視界の端の光の取り込み方さえ、踊っていた頃の「瞬間」を記憶している。だからアンノは踊っていないように見えても、ずっと踊りと隣り合わせにいた。本人が気づかないまま踊っている場面すらあったのではないかと感じた。 タイトルについては、「自分に向けられている言葉」として受け取った。劇中でアンノは「踊って」と求められていたけれど、「生きて」ということかも、と解釈する。「愛より痛いほうへ」とは死を選べという意味ではないはずだ。むしろ、生きること自体が痛い。痛みを引き受けたまま生き続けることを肯定している。物語には決別も死別もあったが、その中でアンノは生きる側に残り続けている。
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淡々とした穏やかな文章で痛みの輪郭をくっきり浮き立たせられるみたいな本だった。私は彼女の踊りを見たことがないけど、彼女の踊りを知っているような気がした。 【読んだ目的・理由】芥川賞の候補作が読みたかったから 【入手経路】買った 【詳細評価】☆4.2 【一番好きな表現】流線形の犬...
淡々とした穏やかな文章で痛みの輪郭をくっきり浮き立たせられるみたいな本だった。私は彼女の踊りを見たことがないけど、彼女の踊りを知っているような気がした。 【読んだ目的・理由】芥川賞の候補作が読みたかったから 【入手経路】買った 【詳細評価】☆4.2 【一番好きな表現】流線形の犬のように走る体を、かぎりない遅さへと引き延ばすことが、そのときアンノの踊ることだった。(本文から引用)
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