まず良識をみじん切りにします

浅倉秋成(著者)

• 販売会社／発売会社: 光文社
• 発売年月日: 2024/10/23
• JAN: 9784334104313

商品レビュー

2024/11/28

とても面白かった
その昔　筒井康隆氏の初期短編集を読んで味わった　次はどんな変な話だろう　というワクワクしと気持ちを思い出させてくれた　

好きなのはクロワッサンの話
状況がどんどんエスカレートして行く感じが心地よい
花嫁がもどらない　の日常に潜む不快　悪意の発露も楽しい

雑誌発表時から一部改稿しました　の文言が無いのも良い
雑誌発表にテキトーに書いて後から改稿って好きじゃないのよ

2024/11/27

「とにかく変な話を…」という前情報を知らないと、本当に変すぎて意味わからなくて読んでて困惑するしかない。
設定がが非現実的すぎるし何も共感できなくて意味不明すぎて読むの疲れた…もう朝倉秋成はいいかなあ…
逆にぶっ飛んだ話が好きな人は良いと思う。

2024/11/26

2編目の「行列のできるクロワッサン」が面白かった。読者視点から見れば滑稽で、なぜそんなことでそこまで悩むのか、ということに悩んでいる。人と同じであること、同調圧力を揶揄しているのか。でも、当の本人にとっては切実な問題なのだ。小説の中で、滑稽であるように見せることによって、現実世界のあなたの抱えている悩みも、他人から見れば些細なことですよ、と励ましてくれているのかもしれない。馬鹿にしている可能性もあるけど。

4編目の「ファーストが裏切った」はわかりやすかった。なんかわかるな、と思った。私も日々「膜」を感じているのかもしれない。中学生の時、あまりにも優等生として過ごすことに疲れて「不良になろっかな」が口癖だったことがある。それと似たような感じだと思った。3編目の「花嫁が戻らない」も、4編目を読んだ後だと、近いことを描いているのかなと思った。

5編目の「完全なる命名」も2編目と重なるところがあるのだが、側から見れば滑稽なほど、真剣に悩んでいる。2編目を読んだ時は、馬鹿にしている可能性も考えたが、笑ってくれと言われているような気がした。こんな物語を考えられる作者は、5編目の主人公と似ていて、妄想（空想）好きなのかもしれない。だから、そんな作者自身を笑ってくれ、ということなのかなと思った。