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まず良識をみじん切りにします の商品レビュー

3.5

68件のお客様レビュー

  1. 5つ

    9

  2. 4つ

    21

  3. 3つ

    24

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

    2

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2025/02/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

世にも奇妙な物語のような短編小説たちだった。 浅倉さんらしいどんでん返しや叙述トリックがないなーと思ったけど、思えば『フラッガーの方程式』みたいな勢いある意味のわからなさも浅倉さんらしさだったなと思い出した。 『そうだ、デスゲームを作ろう』は、個人でデスゲームを開催しようとすると下準備めちゃめちゃ大変だな…そしてその苦労を一瞬でふいにする参加者の予想外の行動が切なくもおもしろかった。 『行列のできるクロワッサン』はめちゃくちゃ世にも〜ぽくて、行列6キロから「え?」てなり出してフルマラソンの距離、そしてとうとう行列が県を跨いで三重まで行ってしまってもうわけわからなさすぎておもしろかった。なんだクロワッサン保険て。 最後の『完全なる命名』は子を持つ親としてなるほどなーと思わせられる部分あった。 世間にはこんな真剣に命名する親もいるんだなー、いやいないか。 浅倉さんの短編は始めて読んだけど、楽しく読めました。

Posted byブクログ

2025/02/06

 考えてみれば、人間のすることには滑稽なことが多い。その取り組みが真面目であればあるほど、滑稽さの度合いは増すばかり。  そんな、思い詰めたあげく滑稽な行動に走ってしまう人たちをコミカルに描くユーモア短編集。           ◇  その日、花籠は不動産屋の営業に連れられて、...

 考えてみれば、人間のすることには滑稽なことが多い。その取り組みが真面目であればあるほど、滑稽さの度合いは増すばかり。  そんな、思い詰めたあげく滑稽な行動に走ってしまう人たちをコミカルに描くユーモア短編集。           ◇  その日、花籠は不動産屋の営業に連れられて、長野県武石小沢根の山深い土地に別荘の内見に来ていた。  別荘は、軽自動車がギリギリ通れる狭隘な道を入った場所に1軒だけポツンと建っていて、人はもちろん車もまず通らない。おまけに古くはあるが堅牢なコテージ造りであるところも、花籠の目的に合致する。  花籠の目的。それは、密室状態にした建造物をデスゲーム施設に造り替え、恨み骨髄のあの男への復讐を果たすことだった。 ( 第1話「そうだ、デスゲームを作ろう」) ※全5話。      * * * * *  どの話もバカバカしいほどにあり得ないような設定なのに、妙に惹き込まれてしまって大笑いしながら読んでいました。  そんな抱腹絶倒ストーリー5つの中でも不思議にリアリティを感じるのが、第2話「行列のできるクロワッサン」と最終話「完全なる命名」でした。少し紹介しておきます。 第2話「行列のできるクロワッサン」  主人公の絵美は、吉祥寺の閑静な住宅街で暮らす専業主婦です。  ママ友たちとゆったりお茶会を楽しむのが好きな絵美は、商店街に新しくできたクロワッサン専門店「イゴル・エディ」に客が行列を作っているのを見ても眉を顰めているだけでした。  だから「イゴル・エディ」人気が留まるところを知らず、行列が日を追うごとに長くなっていっても、さほど気にはならなかったのです。  ママ友のほか夫と娘もそんなものには興味がない様子なのを見て安心していた絵美ですが、ある日、行列に冷めた目を向けていたはずのママ友たちまでこっそり列に並びだしたことを知ってショックを受けます。  さらに、夫と娘の本当の気持ちにも気づいてしまった絵美は……。 第5話「完全なる命名」  もうすぐ息子が生まれる、心配性でかつ妄想癖のある男。里帰り出産をすることになった妻から命名を頼まれます。  名前が人生を左右することもある。それならば、息子にとってよりよい未来をもたらす名を、是が非でもつけなければなるまい。  男は真剣に、まだ見ぬ息子の名を考えるのでした。  子どもが生まれ、男は熟慮の末に考えついた名を、妻とその両親の前で披露します。義両親は微妙な反応だったものの妻は喜んでくれ、うれしそうに赤ん坊に名前で呼びかけています。  男もひと安心するのですが……。   ☆日常社会を成立させているのが「良識」であることは間違いありません。皆が欲望の赴くままに行動すれば、あちこちで争いが起きることは火を見るより明らかです。  だから自分を慎む。それが「良識」と呼ばれる「大人の分別」なのですが、何かの拍子にその「良識」という枷をかなぐり捨てたくなるときがあるもので……。  各話の主人公たちは皆、良識を逸脱した行動をとらないよう気をつけている、真面目な人たちばかりでした。  けれど、あることがきっかけとなって普段の自分では考えられない行動に出てしまいます。内容的にはあり得ないほど極端なのですが、そこに至るまでの心理的な過程にはリアリティがあって、大笑いしながらもゾッとする気持ちも味わえます。  イチオシは第2話で、ホラー仕立てのラストがよく利いていました。

Posted byブクログ

2025/02/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

好き嫌いが分かれそうな作品。星新一や今村夏子の作品のようなファンタジー(?)短編が好きな方ならおそらく好きであろうテイスト。『六人の嘘つきな大学生』と同じ作者だと言うことに大変驚いた。私はどちらも好きな作品だが、『六人の〜』を読んで作風を気に入ってこれを読んだら驚いてしまうかもしれない。

Posted byブクログ

2025/02/02

中二が書きそう 読んでも読まなくても 人生に1mmも影響与えないでしょう テレビのバラエティ番組みたいなものか まあ、しょーもない これが楽しめるのは 18歳まで 18歳以上は読んではいけません 逆R-18指定です

Posted byブクログ

2025/01/30

浅倉さんの作品は初めて読みましたが、タイトル通りに予想をみじん切りされました。そのくらい虚をつかれるストーリー。実写化したらおもしろいかも。特に「ファーストが裏切った」は

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2025/01/29

▼配架・貸出状況 https://opac.nittai.ac.jp/carinopaclink.htm?OAL=SB00557134

Posted byブクログ

2025/01/29

短編集だけどどれも面白かった!特に好きなのはクロワッサンのお話し。花嫁は世にも奇妙な物語でドラマ化したら面白そうだなと思いました。

Posted byブクログ

2025/01/25

評判が良さそうだったので、読んでみました。 今更ですが、良識って言葉の意味をきちんと理解していなかったので、調べてみました。 『 社会で一般的に承認されている健全な物の考え方。すぐれた判断力。』 私、良識という枠の中でしか生きてこなかったかもしれん。良識の範囲内で生きていれ...

評判が良さそうだったので、読んでみました。 今更ですが、良識って言葉の意味をきちんと理解していなかったので、調べてみました。 『 社会で一般的に承認されている健全な物の考え方。すぐれた判断力。』 私、良識という枠の中でしか生きてこなかったかもしれん。良識の範囲内で生きていれば、間違いない、とさえ思っていたかもしれない。 そんなわけで、良識を越えた考え方や発想というものが私にはできないことが、この小説を読んでわかりました。 本当につまらない人間だな、とつくづく感じた。 そういう性格なので、良識や一般常識からかけ離れた物語(ファンタジーやSF)はあまり好んで読んでこなかったのですが、こちらの小説はかなり面白い! (語彙力の低さゆえ、そのような表現しかできない) 若干SF要素が入っているストーリーもあるのですが、 現実と仮想の塩梅が非常によろしかったです。 (行列のできるクロワッサン) SF要素が入ることで、「そんなストーリー展開もあるのか?!」と、驚きと斬新さを感じることができました。 「ファーストが裏切った」に登場するフレーズで、興味深いものがありました。 ”絶望と現実を隔てているのは、こんなにも薄い「膜」なのだ。” 「膜」を破ったり、「膜」から出た時は、 このストーリーの如く、見たことのない世界が広がっていると思う。 果たして、その世界は自分を受け入れてくれるのか。 それを考えると、怖くて良識から出ることができないですよねぇ。一線を越えられない人の多くは、この危機感を持った人たちなのだと思います。(自分含め)

Posted byブクログ

2025/01/24

私は何を読まされているのだろう…と首をひねりながら読み終えた。 かなりユニークな話だけど、別段読まなくても良かったかなと。 最後の命名はその流れにしたいなら「信」はない方が良いのでは?

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2025/01/23

シュールでちょっとブラックな短編集。良識なんてどこにいった、という心境で読みましょう。 お気に入りは「行列のできるクロワッサン」。ある日近所にできたクロワッサンの店。日に日に行列は延びてゆき、やがてはとんでもないことに。それでもそんなもの興味ないし、と意識しなかったはずなのに、否...

シュールでちょっとブラックな短編集。良識なんてどこにいった、という心境で読みましょう。 お気に入りは「行列のできるクロワッサン」。ある日近所にできたクロワッサンの店。日に日に行列は延びてゆき、やがてはとんでもないことに。それでもそんなもの興味ないし、と意識しなかったはずなのに、否応なしに巻き込まれていってしまうのが怖いし悲しい。けれどあまりのぶっ飛びっぷりに笑ってしまいます。どこまでいくんだ行列。 「そうだ、デスゲームを作ろう」も、どんどん高まっていく主人公のモチベーションが恐ろしいような、おかしいような。それだけの資金と情熱をそんなことに向けるなよ、ととにかく突っ込みたいのだけれど。楽しいのなら……いいのか? しかし結末はちょっと予想外でした。まさかそんなことに。

Posted byブクログ