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タラント 中公文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
| 発売年月日 | 2024/08/20 |
| JAN | 9784122075450 |

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商品レビュー
4
57件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
国際貢献のボランティアに打ち込むも、心が傷つき無気力となったみのりに、祖父の生き様が交差し、再び「使命」を見つけて行くお話。みのりの心理描写が丁寧で、とても文量が多いが、丁寧である分、読後の充実感が大きかった。 悩んで立ち止まるみのりと悩みながら突き進む玲、悩まず突き進むムーミンの関係が印象的。みのりと玲に亡くなったムーミンの声が降ってきて背中を押してくれるのは、二人の中にムーミンの純粋な「初心」が生き続けていたからかな。 また、各章に挟まれる清美の戦前戦後を生き抜く壮絶だけど素朴な描写が、陸が描いたものと分かる仕掛けには、陸の「清美の記憶を引き継ぐ」という素直な「タラント」が伝わってきて感動。 また時間を置いて読みたい一冊でした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
自分が「何者にもなれなかった」と受け入れられたのは、多分30代後半くらいだったと思う。ちょうど、主人公みのりと同じくらいだろうか。 何者にもなれなくても、自分なりに頑張っているし、それなりに楽しく生きているから、それで十分というのは、ある種自分の負けを認めるようで、きっとなにかを受け入れるプロセスだったと思う。 身近なところに「何者かになった」人たちが(少なくともそう見える人たちが)いたら、それはもっと苦しいだろう。 地方から東京に出てくる人たちが、東京に行けば何かになれると思っているのを、東京出身者としてはずっとうっすらと苦々しく思っているのだけれど、その根っこには「ずっと東京で暮らしている私が何者にもなれていないんだよ」というコンプレックスがぐずぐずとくすぶっているのを知っている。 みのりはまさに、なにかを抱いて東京に出てきたタイプで、そこから、どう何者にもなれない自分と向き合って受け入れていくかというプロセスを踏んでいるようにも見えた。 かつて知り合いの知り合いくらいの人に「自分は地方から出てきて、東京に追いつくのに必死になっているのに、なぜ東京出身のあなたたちは、そんなに飄々と受け流しているのか」というようなことを言われたことがあるんだけど、最先端を追い続ける気力がないなかで、「飄々と受け流す」は一種の生存戦略なんだよと考えたのを思い出す。 だれもが最前線を切り拓いていくような生き方を求められるわけじゃない。自分に対して自分が持っているイメージと、自分が本当にできる範囲と、自分の気持ちのギャップをどう埋めていくかが、大人になることなのかもしれない。 目的に向けて努力できることも才能のひとつ。 やらない善より、やる偽善なんて言葉があるけれども、もやもやしながらも、ボランティアの方向に行動しているのはすごいし、最後うまくいかなくても一歩踏み出そうとしているのは、純粋にすごいなと思う。
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表紙からスポーツ系の小説だと思いこみ避けていたけど、知人のおすすめにより読むことに。 誰かがある道を選択するとき、理由、きっかけはひとつじゃなくて。 その選択に関わること全てを書こうとするとこの分厚さになるんだろうな。
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