タラント の商品レビュー
まず。 やっと読めた、読み終わったという印象。 そして、どっと疲れた。 主人公山辺みのりの視点を通してずっと読み続けてきた。私自身みのりと同年代ということもあり、就職氷河期だったり、アメリカ同時多発テロだったり、東日本大地震だったり、コロナ禍だったり、大きな流れの中で何かできる...
まず。 やっと読めた、読み終わったという印象。 そして、どっと疲れた。 主人公山辺みのりの視点を通してずっと読み続けてきた。私自身みのりと同年代ということもあり、就職氷河期だったり、アメリカ同時多発テロだったり、東日本大地震だったり、コロナ禍だったり、大きな流れの中で何かできることをその時々で成し得たいと、もっというと、役割を果たしたいというみのりの気持ちや、挫折、戸惑いや迷い、諦めなどその全てが突き刺さる感じで、正直読み進めるのが難しかった。 物語の終盤、みのりはいろいろな人との出会いの中で、それでも自分を突き動かす何かによって、また何かをやり始めようと思う。そう、やらなければ、何もわからないし、何も始まらない。誰の人生でもなくて、己の人生の延長線上にしか、己はいないのだと、ようやく等身大の自分を分かるようになる。 角田さんの作品を読むと、私自身どうしようもなく平凡で何者でもない自分であることを真正面から叩きつけられるけれど、それでも前向きな気持ちにさせてくれるのは、それぞれの人物にはそれぞれの人生があるっていうことをちゃんと伝えてくれているからだろう。それをタラント、という言葉で言うのなら。
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先週の沖縄の旅のお供。 胸にチクっと刺さる本。 最初に時代を行ったり来たり、途中戦中日記が挟まれ、最後伏線回収で納得。 タラント=使命とは何か? ワーママで考えることを放棄して、とりあえず生活することに必死だったが、還暦近くなり、主人公の気持ちがわかる気がする。 人にはそれぞれ、...
先週の沖縄の旅のお供。 胸にチクっと刺さる本。 最初に時代を行ったり来たり、途中戦中日記が挟まれ、最後伏線回収で納得。 タラント=使命とは何か? ワーママで考えることを放棄して、とりあえず生活することに必死だったが、還暦近くなり、主人公の気持ちがわかる気がする。 人にはそれぞれ、役割と能力がギフトとして与えられてる。それが、使命なのだろう。
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ニコチャンマーク(無表情) 第一章~第八章 ニコチャンマーク(笑顔) あれ? 投稿したと思った感想がどっかへ行っちゃった なんで?? (/ω\)イヤン 面白かったからもう一度読む? 集中して読んだ後の気持が…… 忘れたころに 読めたらいいな
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タラント=〘 名詞 〙 ( [ギリシア語] talanton から ) 旧約聖書では、三千シケルに相当する重量の最大単位をいう。新約聖書では、重量と、六千デナリに相当する通貨の単位をいう。のちにこのことばは、各自に与えられた神の賜物の意に使われるようになった。「才能」の意のタレン...
タラント=〘 名詞 〙 ( [ギリシア語] talanton から ) 旧約聖書では、三千シケルに相当する重量の最大単位をいう。新約聖書では、重量と、六千デナリに相当する通貨の単位をいう。のちにこのことばは、各自に与えられた神の賜物の意に使われるようになった。「才能」の意のタレント(talent)も、これに由来する。ー引用「精選版 日本国語大辞典」web みのりたちの自意識が身につまされる。そうだ、大学生のころは同じようなことを思っていた。そしてどんどん都合よく言い訳して忘れていく。この歳になり自分にタラントはなかったとよく考えている。「今からでも遅くない」とかいう慰めや励ましが欲しいのではない。行動しなかっただけと言われるのも受け止める。ただ、突き動かされ持続する情熱が今日までの自分に持てなかったことが、とても残念だと思ったのだった。
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香川から東京の大学に進学し、ボランティアサークルに入ったみのり。 卒業後も日本の絵本に外国語の翻訳をつけて、本を送る小さな出版社に就職し、休みには海外の難民キャンプを回るようたスタディツアーに参加していた。 ヨルダンの難民キャンプでみのりが抱いた親切心から起こった事件がトラウマ...
香川から東京の大学に進学し、ボランティアサークルに入ったみのり。 卒業後も日本の絵本に外国語の翻訳をつけて、本を送る小さな出版社に就職し、休みには海外の難民キャンプを回るようたスタディツアーに参加していた。 ヨルダンの難民キャンプでみのりが抱いた親切心から起こった事件がトラウマとなり… みのりは… 戦争で片足を失ったみのりの祖父・清美は、みのりの進学とともに、たびたび東京に。 清美は何をしているのか… パラアスリート・涼花との繋がりは… なかなか長かった… そこまで引きずらなくても、というくらい。 みのりはごくごく普通なのかもしれない、何か飛び抜けたものがあるような。 失敗するのが怖くて、なかなか踏み出せない。 考えすぎじゃないかというくらい、考えてしまう。 祖父・清美とパラアスリート・涼花との関係から、清美の過去を知り、義足について考え始める。 不要になった義足を必要とする人たちに届けることを思いつく。 みのりがやっと動き始める。 長かった… ここまで10年以上かかったのか。 陸が書いてたんだね、清美の過去の話は。
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何者かになり得るのは選ばれし者なのか? 今自分の周りにいる若者たちに読んでほしいと思った。でもこんなにもしみじみズキズキしたのは、使命・才能の類の言葉から希望・野心みたいな気持ちもさして湧かず他人事のように感じてしまう大人になったからこそなのかも。 世に名を馳せる何者かにはなれな...
何者かになり得るのは選ばれし者なのか? 今自分の周りにいる若者たちに読んでほしいと思った。でもこんなにもしみじみズキズキしたのは、使命・才能の類の言葉から希望・野心みたいな気持ちもさして湧かず他人事のように感じてしまう大人になったからこそなのかも。 世に名を馳せる何者かにはなれなくても、世界中の困っている人を救えるような才はなくても、今の自分の世界を今の自分で"やったるか〜!"と思った。とても丁寧に背中を押してもらった感じ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
中頃から、様々展開が動き始め、どのような結末になるか?と楽しく読んでいた中で、終わり方としては少し期待外れではあった。 大学時代にボランティアを経験し、その経験が 主人公の未来の挫折を含め大きく繋がっているが、 飛び込んだ環境で、興味を持った方向に突き進む。 これはやはりそうだと感じたので、まずは置かれた環境に飛び込んでみることで、色々な視点を得られることは感じた。
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地方出身の女の子が大学進学を機に上京して、多くの人と出会い、別れ、タラントを見つける(見つけた?)話。 戦争も貧困も体験したことはないけど、震災の日のことやコロナなど自分の体験したことと地続きの世界で起きていることだと、強く感じさせられた。
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答えはなくていいんだと。 深く考えさせられる話だし、主人公も悩み迷う。 どう生きるか自分自身。 ただ、その時の社会情勢に大きな影響を受けざるを得ない境遇は悲しい。 今は少なくてもそうではない。 外に愚痴や不満を持たず前を向いていかなあかんなと元気をもらいました。
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とても考えさせられながら読んだ。 みのりの正義感や葛藤、よかれと思ってやったことがもたらしたことなどなどをぐるぐる考えた。でも、自分の思ってもいないことを招いてしまうかもしれないと何も動けなくなってしまうのは悲しいことだなとも思う。突っ走ることもよくないけれど、何もできなくなっ...
とても考えさせられながら読んだ。 みのりの正義感や葛藤、よかれと思ってやったことがもたらしたことなどなどをぐるぐる考えた。でも、自分の思ってもいないことを招いてしまうかもしれないと何も動けなくなってしまうのは悲しいことだなとも思う。突っ走ることもよくないけれど、何もできなくなってしまうことも、周りまわって何かに加担してしまうことになるかもしれない。迷いながら、でも、その時の自分が真剣に考えてやってみること。自分が信頼する人を見つけて、相談しながら一歩一歩踏み出していくしかないのかもしれない。間違えない人なんて、存在しないはずだから。
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