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神の悪手 新潮文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社 |
| 発売年月日 | 2024/05/29 |
| JAN | 9784101014333 |

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神の悪手
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商品レビュー
3.6
38件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
タイトルになっている神の悪手がいちばんつまらなかった。棋譜で死亡推定日時が1日覆るわけ無いだろと冷めてしまった。彼が何を伝えたかったのか風呂敷を広げたままで放り出されるのは釈然としない。 ミイラがいちばん面白かった。
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2025.12.3 読了 将棋を題材にしたミステリ短編集 芦沢央作品にしては後味が悪くない(笑) どのお話もそこまで将棋に詳しくなくても楽しめると思う。 私は前半3作はミステリとして面白く読めたけど後半2作はいまいち乗り切れなかった。 将棋を知ってたら楽しめたか?というとそうで...
2025.12.3 読了 将棋を題材にしたミステリ短編集 芦沢央作品にしては後味が悪くない(笑) どのお話もそこまで将棋に詳しくなくても楽しめると思う。 私は前半3作はミステリとして面白く読めたけど後半2作はいまいち乗り切れなかった。 将棋を知ってたら楽しめたか?というとそうでもなくて好みの問題だと思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
5つの物語からなる短編集 どれも将棋がテーマでありながら一つ一つ違うストーリー どれも奥が深く、短編集にするのがもったいないくらい 1話め 弱い者 大震災後の避難所が舞台 被災者を元気づけるための復興支援で将棋を指していた北山八段は、おぼつかない手つきながら時折鋭い手を指してくる少年に惹きつけられる。ところが強いはずの少年が詰めを誤り悪手を打つ。それも二度も。 試合後の表彰式で少年へ「奨励会に入らないか」と提案する北山。さらに「内弟子にならないか」とも。 そこではじめて少年だと思っていたその子が、実は女の子であったことを知る… 避難所で起きていた犯罪。見知らぬ人が夜中に布団に入ってきていた事実。あまりの恐怖に、自ら髪を切り「男の子」になり切って自分の身を守るしかなかった彼女。 悪手を放っていたのは、試合を終わらせないため(彼女につきまとうボランティアが帰るのを待つため)だったことが判明する。 大震災の後の復興には莫大なお金と時間がかかる。地震直後には命が助かった喜びしかないが、長期化するにつれて様々な問題が出てくる。 無いに等しいプライバシー、避難所に持ち込む荷物の差、女性なら月のものも来るし、いびきで寝られないこともある。赤ん坊なら泣かずにいられないし、ミルクやオムツも足らなくなる。持病の薬が足らなくなる人、コンタクトレンズがなくなって目が見えない人… 何日もお風呂に入れず、トイレは汚物で溢れかえり衛生状態は日に日に悪くなる。そんな中で起こる犯罪… これは本当に起こり得る話で、実際起きていた話も聞いたことがある。女性だから男性だから、では済まない話。物語は帰りの空港に向かっていた北山が、迎えの車を断るつもりで口を開くシーンで終わる。その後どうなったのか、は読者に委ねられる。避難所に戻って少女と話をし、内弟子にしたのだろうか。この続きを読みたかった。 2話め 神の悪手 奨励会の三段リーグ。満26歳の誕生日を含むリーグ終了までにプロになれなければ退会を余儀なくされる。その最終日の前日に、啓一の部屋を訪ねてきた村尾は、まさに最後のリーグであり、現在第二位タイ。村尾は、明日の最終戦で啓一が戦う、現在トップの宮内への攻略戦を教え、宮内に勝ってくれと頼む。明日の最終日に啓一が戦うのは、トップの宮内と村尾の2人。 啓一が宮内に勝ち、村尾に負ければ、村尾はリーグ優勝となりプロになれるのだ。 あまりの理不尽な話に、部屋を後にしようとする啓一だったが、村尾に引き止められた腕を振り解いたとき、村尾は大事なトロフィーが宙に舞うのを受け止めようとバランスを崩して転倒し動かなくなってしまう。怖くなってそのまま部屋を立ち去ってしまった啓一。翌日、リーグ開始時間になっても現れない村尾。そして村尾が教えた手の通りに進める啓一。棋譜の通り寸分違わず進んでいく対局。この対局をアリバイに変えるアイデアが浮かび、すがるように棋譜通りに打つ啓一。神が味方している、と思うほどに… 人間の「自分だけが助かれば」という浅はかな願いに、読んでいて胸が締め付けられるような気がした。そして最後。村尾の作った棋譜ではなく、自分の読んだ手を打つ啓一。果たして勝負はどうなったのか… 村尾はどうなったのかも含めて、結末を想像して悶絶する自分がいた。 5話目の恩返しは、将棋の駒を作る駒師の話。タイトル棋将戦で戦うのは、国芳棋将と弟子の生田。使う駒を選ぶ前検分で、兼春の作った駒と師匠の駒が出され、ここでも師弟戦に。一度は兼春の駒が選ばれながら、「もう一度選びたい」と言われ最終的に選ばれたのは師匠の駒であった。一度選ばれ歓喜しながら、最終的に落とされた兼春は、駒を作ることができなくなってしまう。駒師の話は、前に読んだ「盤上の向日葵」でも出てきたが、将棋の駒を作る駒師の凄さがよくわかる話であった。 他の2編も複雑でよくできた話で、全部が良かった。本当に全て長編で読んでみたい作品だった。
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