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カフネ
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2024/05/22 |
JAN | 9784065350263 |
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カフネ
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商品レビュー
4.4
202件のお客様レビュー
家事代行、食を通して日々の大切さ、生きることの難しさを教えてくれる。 「チケット」を使って『助けて』と言えない人々に手を差し伸べていく。 ただ、悲しくて苦しいばかりの物語じゃなくてクスッと笑える会話もあり一気に読み終えちゃう一冊。 毎日疲れたな、しんどいな。そんな風に思って...
家事代行、食を通して日々の大切さ、生きることの難しさを教えてくれる。 「チケット」を使って『助けて』と言えない人々に手を差し伸べていく。 ただ、悲しくて苦しいばかりの物語じゃなくてクスッと笑える会話もあり一気に読み終えちゃう一冊。 毎日疲れたな、しんどいな。そんな風に思ってしまう瞬間もあるけれど、そんな時にこそこの本を読んでほしい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
41歳の女性、薫子が主人公。 家族について考える本。 全然幸せなお話ではなくて、思うようにいかない、生きることの難しさに焦点が当てられているのだけれど、だからといって後ろ向きになるものでも、何かをあきらめさせるのでもない。 薫子さんが、とてもまじめで、躓いたり倒れたりしながらも、踏ん張って行動していく姿が、励まされる。 … 弟が突然死んだ。その対応をする中で、弟の元カノに合う必要が出てきて、待ち合わせる場面で始まる。というのも、弟は遺言書を残していて、その遺産のいくらかをその元カノー、小野寺せつなーに相続する、と伝えられていたから。 せつなとは一度会ったことがあった薫子だけれども、この弟の死をきっかけに、関りを深めることになる。 家政婦業者の「カフネ」で、料理担当として働いているせつな。 普段は法務局に公務員として勤めている薫子が、カフネの土曜ボランティア活動に掃除担当として参加し始める。 せつなとペアで向かう先の家庭は、家族について自分の個人的な経験も含めて考える機会になっていて。 そしてその日の終わりには、せつなが過去に元カレだった弟につくっていた料理を、薫子の家で作って一緒に食べて。 薫子はせつなから弟の死と弟自身について、せつなから知ろうとする動機があったのだけれど、 その過程で薫子自身も、そしてせつな自身も、自分と自分の目の前の現実についての理解を少しずつ深めていくようで。 一人の人間が抱えることはいろいろあって、 私たちは他者については一部の側面としかかかわっていなかったり、たくさんの部分であってもすべての側面を知りえていないけれど、 一人の人間が別々に生きているわけではなくて、 その人が死んだときはすべてが一緒に無くなるから、そのすべての側面が一つになるとも、すべての側面が地理尻になる、ともいえるのかもしれないけれど、 それでもいろいろな側面をもって生きている中でも、それぞれの部分は一人の人間を起点としてつながっていて、 なんかそれが当たり前だけど不思議で。 家族のことは、とくに親子の関係はなかなか難しい経験が描かれていてー たとえば薫子のリアルな語り。 __悪意も自覚もなく、ただ無邪気に、娘を愛しているかのような気持で、この人たちはこう言っているのだ。 でも経験に縛られることなく、それでいて目をそらすのではなく、自分の居場所や残りの人生をどういきるかの自分自身を見出す足場にして、少し希望を持てるような内容でもあったと思う。 __自分で過去の自分を救いながら、何とか生きていくしかないのだ。斗季子が日々の営みに窒息しそうになっている人たちを助けようとしているように、公隆が傷ついた子供たちをすくいあげることを自分の使命としたように。 共有できる時間があること、思い出としてではなく、今として、一緒に感じることは今ここに生きている人としかできない。 あらためて、なんのために生きているのだろうと考えると、結婚するとかしないとかの協議の意味ではなくて、人と一緒に生きること、人との結びつき、と前の本で入っていたけれど、その関りあいをおろそかにしていちゃいけないなーと思った。 私としては、人と関わることは面倒だし、一人でいたほうが楽で自由だというのが本音。でも結びつきを保っている人はいるし、そんな結びつきがあるからこそ、普段の関わり合いは面倒だと思ってしまったりするのかも。でも結びつきって、丁寧に育てていかないといけないのだろうし、紡いでいかないといけないのだろうし、お互いも、誰もが変化し続けている中で、確かめ合い続けることが欠かせないのだろうと思った。 薫子の元夫は、ストーリーのなかでは、同じ関係には戻ってこなかったけれど、それでも離婚後に初めてちゃんと話して、その結びつきはまた、すこし違う形であったとしても育ち始めたのかもしれないし。 __簡単には伝わらないのは当たり前だ。人間は自分以外の人間のことは何ひとつわからない。わかったような気がしても、それは思い込みに過ぎない。… 笑顔の下に隠されていた弟の気持ちを、ひとつも気づいてやれなかった。その過ちを繰り返さないために、彼女に言葉をかけ続け、彼女の言葉を聞き続けよう。何度でも、何度でも。
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皆さんの評価が高くて気になっていた作品。なるほど、心を打たれるシーンがいっぱいあって満たされた気分になった。 主人公の薫子さん、自分的にはとても共感できた。実直で、生き方が少し不器用で、真面目過ぎて面倒くさくて。でも、そんなところがいいなって思う。ウィットに富んだ会話の返しとか...
皆さんの評価が高くて気になっていた作品。なるほど、心を打たれるシーンがいっぱいあって満たされた気分になった。 主人公の薫子さん、自分的にはとても共感できた。実直で、生き方が少し不器用で、真面目過ぎて面倒くさくて。でも、そんなところがいいなって思う。ウィットに富んだ会話の返しとかも、クスッと笑えたし好感が持てた。 素っ気ないけど、細やかな配慮ができるせつなとの掛け合いも良かった。時にぶつかり合い、時に笑い合い、そうして育まれる信頼関係と、苦しい現実を乗り越えてお互いを思い合う絆が印象的。 愛しさと人に対するやさしさが溢れる物語だった。
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