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女の子たち風船爆弾をつくる
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女の子たち風船爆弾をつくる

小林エリカ(著者)

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女の子たち風船爆弾をつくる

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2024/05/15
JAN 9784163918358

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商品レビュー

4.2

40件のお客様レビュー

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2026/03/07

詩のような文体。 そのリズムは少女っぽい。 時間が流れ子供から少女へ成長するにつれ、世の中は戦争に染まってゆく。 軽やかに感じた単調なリズムが軍歌のように感じてくる。 表現の手段として小説という形を選んだ現代アート(インスタレーション)という感じ。 文字の視覚的効果、頭の...

詩のような文体。 そのリズムは少女っぽい。 時間が流れ子供から少女へ成長するにつれ、世の中は戦争に染まってゆく。 軽やかに感じた単調なリズムが軍歌のように感じてくる。 表現の手段として小説という形を選んだ現代アート(インスタレーション)という感じ。 文字の視覚的効果、頭の中で音読する音の効果、文章から生み出される奥行きや広がり、全てが重なって内容が映像となって現れる。 私の目の前にも炎があり、死体があるように感じた。 作品の「わたし」は私でもある、と思わせる書き方。 ... 後半が良かった。 偶々戦争中に学生だっただけで、少女たちは憧れの制服を着られず、学校にも行けず、スカートの代わりにもんぺを着、学校の代わりに工場へ行く。 あまりに不憫で、読んでいて苦しくなった。 当たり前の日常が壊されていく様を坦々と綴るこういう戦争の話は読んだことがなかった。 ... どうしても国と国で戦いたいなら、国のトップ同士1対1で戦えばいい。命を賭けたいなら決闘すればいい。 もしくは閣僚全員とか政治家全員同士で、剣道の団体戦とかサッカーのPKみたいにして勝負すればいい。 国民を巻き込む必要なんてないし、国民の日常を奪う必要なんてない。 そもそも私には武器で人を殺す意味が理解できない。じゃんけん勝負でいい。 当時の政治家や軍人やマスコミに腹が立って仕方なかった。 ... p313 わたしは、わたしの目の前で、ふたたび何もかもがもとどおりに引き戻されてゆく様を、眺める、 けれど、わたしの青春は、もう戻らない。 わたしは、かつてわたしたちの天皇陛下のためと謳った大人たちが、アメリカのためと謳うのを、見る。 わたしは、かつてわたしたちを戦争に引きずり込んだ大人たちが、平和や夢を語るのを、見る。 わたしは、大人たちの裏切りを、大人たちの掌返しを、大人たちの欺瞞を、見る。 けれど、わたし自身も、もう、大人なのだった。

Posted by ブクログ

2026/01/22

春が来る。 桜の花が咲いて散る。 少女たちの視点で見た第二次世界大戦。 小説かと思って借りたけど、昔の日記や伝聞などをまとめたもの。 構成が上手で、物語を感じられた。 人はとにかくその時を生きるしかない。 自分が生きられるのは過去から今に至るまでの人たちがあってのこと。 どん...

春が来る。 桜の花が咲いて散る。 少女たちの視点で見た第二次世界大戦。 小説かと思って借りたけど、昔の日記や伝聞などをまとめたもの。 構成が上手で、物語を感じられた。 人はとにかくその時を生きるしかない。 自分が生きられるのは過去から今に至るまでの人たちがあってのこと。 どんな状況でも、春が来て、桜が散る。また春が来る。 お祖父ちゃん、お祖母ちゃんに色々話を聞けばよかったな。 春が来る。 桜の花が咲いて散る。 俺は後何回春を迎えられるかな。

Posted by ブクログ

2025/11/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

気軽に読み始めたんだけどとても重かったしよかった。 始まりは昭和10年。雙葉や跡見や麹町に通い宝塚歌劇を見にいく女の子たちの豊かでモダンな日常とその後景の軍国主義と翼賛の描写。よく史料で見る昭和初期の奇妙に明るい都市生活が活写される。まもなくその後景はずいずいと前へ出てきて女の子たちの生活を塗り潰し、兵器の製造に加担させるまでになる。 主語は「わたし」だが匿名で複数の群。歴史上の有名人も「〜した男」と匿名。「わたしたちの兵隊」「わたしたちの飛行機」という繰り返しは女の子たちも戦時体制と一体であり第三者ではないことを意識させる。あるいは読者もか。人称の使い方が非常に効果的。 その中で靖国などには名を刻まれない、非業の死を遂げた民間人の名前は明記され、影帽子の群れの中で不意に個人の顔が浮かび上がるかのよう。綿密なリサーチに基づいており小説なのに膨大な脚注が付いている。記憶を後に残そうという無数の人々の意志と努力がありそれを調べ受け取って編まれた小説である。 そして占領地で、日本で、女たちが差し出され、姦されたことが繰り返し淡々と記される。宝塚の団員まで尊厳を奪われる瀬戸際に置かれたことも。容赦がない。その流れで戦後に来る婦人参政権制定の記述が眩しい。 それにしても昭和10年代、どの文化芸能も軍国主義と翼賛だったことは既知だがファシズム賛美の度合いは知らなかったのでかなり引いた。宝塚も日劇も流行歌でもハイルヒットラーと歌っていたとは。 あと、宝塚歌劇などは不要不急だと舞台の上の銀橋に立って吐き捨てた大政翼賛会宣伝部の男が戦後「美しい暮らしの手帖」を創刊って、端的な事実としては知っていたけど状況の描写を読むと言葉を失う。 ところで第三幕の数字の意味がわかっていないのだけど何だろう。

Posted by ブクログ