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別れを告げない エクス・リブリス
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 白水社 |
| 発売年月日 | 2024/04/29 |
| JAN | 9784560090916 |

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商品レビュー
4.1
138件のお客様レビュー
日本で韓流ブームと呼ばれる潮流がおきてから久しい。ご多分にもれず自分も映画やドラマで、韓国の歴史や文化に触れてきたつもりだがその度に知らなかった悲しい歴史に躊躇する。本作にて描かれる済州島の事件も全くと言っていいほど知らなかった。 多分というか絶対的に、この世界中にそんなジェノサ...
日本で韓流ブームと呼ばれる潮流がおきてから久しい。ご多分にもれず自分も映画やドラマで、韓国の歴史や文化に触れてきたつもりだがその度に知らなかった悲しい歴史に躊躇する。本作にて描かれる済州島の事件も全くと言っていいほど知らなかった。 多分というか絶対的に、この世界中にそんなジェノサイドは溢れているのだろう。だからこそ別れを告げてはならないのだ… 降ってもすぐ溶けてしまう雪達は後から降ってくる雪達の支えてとなっているんだ、と昔何かで読んだことを思い出す。 そんな全ての結晶の形が違う雪のように、私たちも溶けて行った先人を忘れずに後から来る人達を支えていかなければ…それだけが全ての罪を償えることなのだと感じた。 そして、きっとそれを強く支えるのは終局愛でしかないのだろうとも…静かでいながら埋み火のようにいつまでも消えることなく引き継がれる愛だけが、それを可能にしてくれるのかもしれない。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
【あらすじ】 出版社に勤める私(キョンハ)は、写真家であるインソンを紹介されて以降、私の見た「夢」と済州島における大虐殺である四三事件に関する一つのプロジェクトを遂行させようとしていたものの、それは叶わないままであった。ある日、インスンから私に電話があり、私はインスンの病院に行くと、インスンは電鋸で指を切断してしまい病院に入院していた。写真家であるインスンにとって指は生命線であり3週間ほど毎日3分間に一度針を刺すという苦痛を伴い回復に努める日々を続けていた。そして、インスンは私に飼っている鳥を助けに済州島にある自宅に行ってほしいと言った。私は言葉通り済州島に向かうが、済州島では酷い雪が降っていた。 ※以下ネタバレ注意 【感想】 本小説では、構成部分に独特な重構造が採られる。まず、①キョンハとインスンの生きる現実、②インソンの作品である写真と、③これに昇華される済州島での過去の歴史的事象という三つの異なる象限が存在する。その上で、「二つの視点」として、①の現実と②③を通じたインソンの生の追体験という夢とを、フォントの書き分けのみにより文章としては混在させた形で物語が進んでいく。 そして、写真とそれを作るためのインスンの調査記録に現れる過去の歴史に生きた人々の証言を通じて、インスンの生を私がいわば追体験することにより、瀕死の状態のキョンハの中では、インスンが抱いていた済州島の犠牲者への哀悼の気持ち(及び社会・未来への伝承)を承継するために生きなければならないという強い覚悟が芽生えていく。 また、インソンの生の追体験を通じて、病院では針を刺す役目を負うインソンの家族でなくてよかったという心情を抱いていたキョンハは、かつてインソンの母がインソンにしたように、インソンに血を与える等の行動をとりたいと願うようになるという描写を描くことにより、深い(家族愛的な)愛情を抱くに至るという心情の変化が描写される。 雪、鳥、木、炎、二つの視点等のキーセンテンスを用いながら、3つの象限に関わり合いを持たせ、インソン、アミ、キョンハという生死の境(正確に言えば、インソンの場合には職業上の生命線の境、かな)に位置する人物の生命力の強弱を描く手法は一貫していて(あと今後の展開が予測できて)親切だと感じた。 本文中に多分に用いられる雪の描写は美しくかつ残酷であるのみならず、①と③の各事象の位置付けをわかりやすく描写していた。 炎の燃え盛る様や消え入る様、炎の移し替えという表現を用いて、生死のみならず、哀悼の承継までを描くのは見事だと思った。 【疑問】 生の追体験と家族愛に近い愛情が芽生えるまでに至るという結果との因果関係は果たしてどのようにして生じるのかという点に疑問を抱いた。
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今年読んだ中で一番濃い読書体験になりました 現実の世界から、異世界に誘われ、彷徨いました 全ての音も、姿も消される恐怖を越えた無の雪世界。 そこから、青い海、真っ赤な血に塗られた砂浜、全てを消し去った波。 銃口とマッチの火など、最後までモチーフを繋げることで、人の思いを灯影してい...
今年読んだ中で一番濃い読書体験になりました 現実の世界から、異世界に誘われ、彷徨いました 全ての音も、姿も消される恐怖を越えた無の雪世界。 そこから、青い海、真っ赤な血に塗られた砂浜、全てを消し去った波。 銃口とマッチの火など、最後までモチーフを繋げることで、人の思いを灯影している。 記憶が繋ぐ凄惨な歴史がそこにはあり、消そうとしても消せない形とならない記憶がある。 一文一文が詩的でした。 とても曖昧な表現が続き、分かりにくいところもあったけど、それは作者の意図であるようですが、もう一度読んだらより深く心に入ってくるかもしれないです
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