商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 白水社 |
| 発売年月日 | 2024/04/29 |
| JAN | 9784560090916 |
- 書籍
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商品レビュー
4.1
155件のお客様レビュー
夢のような、現実のような。 生きているような、死んでいるような。 そんな相反する2つの世界の間をたゆたっているような感覚になりました。 訳者あとがきの中で、 「物語の後半、生と死のどちらともつかない場所でキョンハとインソン、アマとアミは一緒にいる。人も鳥も幻想の中で対話し、思い...
夢のような、現実のような。 生きているような、死んでいるような。 そんな相反する2つの世界の間をたゆたっているような感覚になりました。 訳者あとがきの中で、 「物語の後半、生と死のどちらともつかない場所でキョンハとインソン、アマとアミは一緒にいる。人も鳥も幻想の中で対話し、思いをかわすが、これについてハン・ガンは『愛するとは自分の生だけでなく、愛する人の生を同時に生きることだと思います。特に愛する人のために祈るとき、自分はここにいるが同時にそこにもいるという状態になるでしょう。切なる心でそれを希求するとき、その状態はおのずと超自然性を帯びてきますよね』と語っていた。」 と書かれているのを読んで、この感覚を感じた理由が腑に落ちたように思えました。 内容を言葉で理解するというより、自分もその世界へ没入して言葉が映像のように頭の中に広がっていく感覚が、新しい読書体験でした。 歴史についても改めて深く学び、また再読したいと思います。
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「少年が来る」のような作品だと想像して読んだが、本書はさらに詩的な感じで難解になっている。主人公キョンハが知る歴史と、済州島出身のインソンが見聞きした歴史と、4.3事件のサバイバーであるインソンの母の記憶が交互に折り重なってくる。「少年が来る」はまだ色褪せない傷が生々しく見えてい...
「少年が来る」のような作品だと想像して読んだが、本書はさらに詩的な感じで難解になっている。主人公キョンハが知る歴史と、済州島出身のインソンが見聞きした歴史と、4.3事件のサバイバーであるインソンの母の記憶が交互に折り重なってくる。「少年が来る」はまだ色褪せない傷が生々しく見えていたものとしたら、こちらは奥深くに広がっていて外からだと見えづらく根本はどうなっているかわからないような感じ。実際に表立ってわかっている事実と本当の被害はいまだわからない部分も多い。今回も訳者の解説が秀逸で本書読解の助けになる。 本書でも済州島の方言が沖縄の方言で一部訳されたように、沖縄と似たような気候をイメージしていたけど、済州島に雪が降るというのが衝撃。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
感想や評価を記すのが難しい。簡単に書けない。 私が印象に残ったシーンは、下記。 ・心を病んだ小説家のキョンハに対して、 「あなたがすべきことはひとつだけ。ドアを開けて。」と親友のインソンが伝えて抱きしめるシーン。 相手が求めているとはっきりわかっていることをするよりも、相手に必要だとこちらが感じてることを愛を持って有無を言わせず行動できることって、本物よなぁと感じた。 ・インソンの頼みで雪の降る済州島にインコを助けにいく際の描写。 想像力がない私が、夏の終わりに読んでいるにも関わらず、映画のように風景や気温が浮かぶような気がした。詩的な?文体に惹かれた。 ゆっくり時間を取れる冬のコテージとかでいつか再読したい。 それぞれ生きることに疲れたり心が折れかけてしまった2人が、済州4.3事件の歴史やインソン母の行動や思いを通して「再生」に至る心のプロセスに共感はまだ私には難しい。 だけど、今降る雪が過去のある時の雪が巡ってきたものだという表現、過去の壮絶な経験がその後ずっとその人に影響を与え続けてその子供や次の世代にも脈々と地続きで影を落とす表現、『別れを告げない』というタイトルに込められた「哀悼をやめない」という覚悟、インソンの指の治療の描写をメタファーとしてる痛みを伴うにしてもあきらめない・向き合い続けるというメッセージ等はとても胸にしみるものがあった。 あとがきも読んで、済州4.3事件の歴史的な受け止め方の揺れ・複雑さの背景を知るとより『別れを告げない』というタイトルの深さを実感した。 私が未熟で受け取りきれていない感覚があるから、またいつか、再読のうえ振り返りたい。
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