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脳科学で解く心の病 うつ病・認知症・依存症から芸術と創造性まで
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 築地書館 |
| 発売年月日 | 2024/04/01 |
| JAN | 9784806716648 |
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脳科学で解く心の病
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商品レビュー
4.3
6件のお客様レビュー
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久しぶりに「読んでよかった」と素直に感じられた作品でした。著書が精神医学の高名な教科書を書いていてそれが版を重ねているということで、原文も平易なのでしょう。それを訳者が意識してか、訳文も平易で、読んでいてとても分かりやすかったです。プリオン、パーキンソン病、ハンチントン病に関する...
久しぶりに「読んでよかった」と素直に感じられた作品でした。著書が精神医学の高名な教科書を書いていてそれが版を重ねているということで、原文も平易なのでしょう。それを訳者が意識してか、訳文も平易で、読んでいてとても分かりやすかったです。プリオン、パーキンソン病、ハンチントン病に関する知識を得られたのも、嬉しかった。 ただまあ脳科学とやらに懐疑的なわたしは、読んでいてちと複雑な気持ちに。「脳科学に限らず、さまざまな観点から精神疾患を検討している図書」が謳い文句だったようなので、読んでみたのですが。 精神分析から脳科学に進んだ研究者もいるのですね。
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私たちの意識や感情、そして時には苦しみの源となる「心」とは、いったい何なのでしょうか?ノーベル生理学・医学賞を受賞したエリック・カンデル博士の『脳の中の自分』は、この古くて新しい問いに、最新の脳科学の視点から光を当てる画期的な一冊です。 特に印象的なのは、著者が精神疾患や発達障害...
私たちの意識や感情、そして時には苦しみの源となる「心」とは、いったい何なのでしょうか?ノーベル生理学・医学賞を受賞したエリック・カンデル博士の『脳の中の自分』は、この古くて新しい問いに、最新の脳科学の視点から光を当てる画期的な一冊です。 特に印象的なのは、著者が精神疾患や発達障害を、「脳の特定の回路の変調」として説明する方法です。例えば、統合失調症の患者さんが体験する幻聴。これは単なる「気のせい」ではなく、聴覚野という脳の特定の領域で、ドーパミンという神経伝達物質のバランスが崩れることで起こる現象なのだと、著者は説明します。このような説明は、精神疾患に対する偏見を解き、より科学的な理解を促してくれます。 本書の特徴は、複雑な脳の仕組みを、身近な例を使って分かりやすく説明するところにあります。例えば、自閉スペクトラム症について説明する際、著者はこんな比喩を用います:私たちの脳は、巨大なオーケストラのようなもの。通常、様々な脳領域が協調して「演奏」することで、スムーズな社会的コミュニケーションが可能になります。自閉スペクトラム症の人々の場合、この「オーケストラ」の特定のパートが他とは異なるリズムで演奏することで、独特の認知や行動のパターンが生まれるのだと。 さらに興味深いのは、記憶と感情の関係についての解説です。例えば、PTSDの症状が なぜ引き起こされるのか。著者によれば、恐怖の記憶を司る扁桃体という部位と、その記憶を適切にコントロールする前頭前野との間のバランスが崩れることで、トラウマ記憶が適切に処理されなくなるのだそうです。この知見は、心的外傷の治療に新しい可能性を開くものです。 特に注目すべきは、「可塑性」という概念についての議論です。かつては「成人の脳は変化しない」と考えられていましたが、最新の研究では、私たちの脳は生涯にわたって変化し続けることが分かってきました。例えば、うつ病の治療において、認知行動療法が効果を示すのは、この脳の可塑性を利用しているからだと著者は説明します。 本書は、精神疾患や発達障害を「異常」や「欠陥」としてではなく、脳の働き方の違いという観点から理解することを提案します。例えば、ADHDの特徴である注意の移り変わりの速さは、創造的な思考や問題解決に有利に働くことがあるといいます。このような視点は、多様性を認め合う社会の実現に向けた重要な示唆を与えてくれます。 医学書や科学書というと難しそうに感じるかもしれません。しかし、この本は違います。ノーベル賞科学者である著者が、まるで優しい導き手のように、複雑な脳の仕組みをひとつひとつ丁寧に解き明かしていきます。「なぜ人は不安を感じるのか」「どうして記憶は感情と結びつくのか」といった根源的な問いに、最新の科学的知見をもとに答えてくれます。 この本を読めば、自分自身や周りの人々の心の動きを、より深く理解できるようになるはずです。精神医療の専門家はもちろん、心理学に興味がある人、自分や大切な人の心の健康について考えたい人にも、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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