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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2023/12/18 |
JAN | 9784480805133 |
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商品レビュー
4
30件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「旅館の若女将・円が、宿泊客と同じ"匂い"のする本をオススメする」という設定からして、本好きの興味をそそられる。 旅館を訪れるのは、プロポーズを控えた友人カップルと一緒にやってきた男性、すっかり関係が冷えきってしまった夫婦、目に見えないものが見える息子とその母、塾講師のアルバイトをしている大学生とその教え子(中学生)4人組。 それぞれ各章ごとにエピソードが描かれる。 章ごとに完結するのだが、最後の5章が、それまでの章を巻き込んで展開されるエピソードで、古書に託された運命と業の深さに圧倒された。 円が本を読めない体質なので、客に「これを読んで、内容を私に教えてください」と言ってオススメ本を渡すのだが、渡された客は本を読みながら、表に出せなかった自分の本当の気持ちと向き合うことになる。 本の感想を聞きながら、その時の気持ちを深掘りして質問していく円はまるでカウンセラーのよう。 そして自分の後ろめたい思いに気づいてしまった彼らの罪悪感や戸惑いを、円の言葉が救ってくれる。 本を読むことは、自分の内面と向き合うきっかけになること。物語の中に真実を探すこと。 それこそが物語を読む醍醐味だと、実感することができた。 最後の章は予想外に重い内容だったけれど、読み終わった後は、全てが救われた気持ちになれた。
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タイトルに惹かれて読みました。 文庫旅館ってあったら行ってみたいですね。 5章立てで、各話でお話しがまとまっています。 とても読みやすかったです。 正直最初の方のお話しは本人がなんとかフタをしてきた事をレリゴー的な解決で、いいのかな?と思いました。 ただ、最終盤、文庫旅館にまつ...
タイトルに惹かれて読みました。 文庫旅館ってあったら行ってみたいですね。 5章立てで、各話でお話しがまとまっています。 とても読みやすかったです。 正直最初の方のお話しは本人がなんとかフタをしてきた事をレリゴー的な解決で、いいのかな?と思いました。 ただ、最終盤、文庫旅館にまつわるこれまでの伏線が回収されていく部分はくぎづけで一気に読み切ってしまいました。ここは面白かったです。 重いお話しもありますが、全体的に暗くならず、若女将さんに読者も救われていると思います。 あと、個人的にはかき氷やレモンケーキなど、文庫ででてくるおやつが魅力的でした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
‣ 人は無意識に、そのときの自分と同じにおいがする本を選びがちなんです ‣ 世の中の価値観や常識なんて、時代と共にどんどん変わるよ。葉介の〝普通じゃない〟は今、みんなにとって案外〝普通〟かもよ ‣ 私には真心がない。自分すら愛していない。自分が死のうが生きようが気にならないほど、心が鈍くなっていました ‣ 家族への愛をせっせと偽装してきた自分に、「もういいよ」と言ってあげたい。もう取り繕わなくていい。まず大事にすべきは、自分への真心だ ‣ 声にした言葉は、自分の内側にも響く。耳を通って胸に落ち、あたたかいさざ波を作る。これが、愛というものかもしれない ‣ 〝他人の目〟を持ちすぎた結果、臆病になったのでしょう。胸にともったときには純粋な親切や同情だったはずの灯が、他人からどう見られるか、偽善と思われるのではないかと気にするあまり、揺らいで、ねじれて、消えてしまう ‣ 蛮勇でも勇気でも、どちらでもいいじゃないですか。沙月さんが頭より先に体を動かしたのは事実だし、それで透馬くんは今、十分にしあわせなんですから ‣ 『藪の中』に犯人なんて最初からいないのかもしれませんね ‣ 人間は赦すことができる。赦しはきっと、善悪を超える ‣ 私達の人生は誰かの懺悔や復習のために存在するのではない。私達の人生は私達のものだ ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼ 自分と同じにおいがする本は、 なんとなくひっかかる言葉があって、 でもその理由がわからなくて、 しばらくするとまた読みたくなって、 あれ?前と違うかもって思いはじめて、 やっと「そういうことか!」ってわかる本のことかもしれません。 本を通して自分を見つめ直すって、簡単にできることではありませんね。 旅館の若女将のような、誰に本を選んでもらったからと言って、その本の中に答えがあるとも限りません。 本を読んで、どのように感じ、どのように考え、どのように動くのか(または動かないのか)は、その人次第なのでしょう。 とは言え、自分と同じにおいのする本との出会いは大事にしたいですね☺️
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