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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2023/12/05 |
JAN | 9784087718560 |
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商品レビュー
3.5
29件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
阪神・淡路大震災、東日本大震災、コロナ禍、ロシアのウクライナ侵攻・・・ 柴崎友香さんの作品を読了するのは5冊目。 読了作品で感じていたヒリヒリ感はややマイルドになった気がする。うん、気のせいかな。 やっぱりこの人の文章というか視点は大好きだ。 今作は、読み進めながら、少し前に戻って確認して、また読み進めるというようなことが 何度かあった。びっくりするようなことは起きないけど、日常の中でのふとした出来事や思考を 丹念につなげていくような。そして、坦々としながらも、ぐっと引き込まれて、 しばし思考に沈んだり、自分の過去を振り返ったりもした。そんな読書体験だった。 柳本れいが、地震の揺れで棚から落ちた詩集『終わりと始まり』を手に取ってから コンビニに行く場面が読んでいてとても心に残った。 特に、本に付箋を貼った理由、その気持ちがいま思い出せないというところ。 そういうほんの小さな行動、確かにした行為がいまの自分の何を構成しているのだろう。 思い出せない気持ちも、いい形で層のように心のどこかに積み重なっていればいいなと思うけれど、 それを確かめることはできないもんな。いったいどこに行ってしまったんだろうね。 石原優子の同僚の河田さんの話。 昔に「どうしようもないくらい困ったときが来たら助けたる」と言ってくれるくらいに よくしてくれたお客さんに連絡を試みたけれど、叶わなかったという場面。 「あのとき言うてくれたことで、今、ちゃんとわたしは助けられてるってわかった」(P281)という 言葉を見て、一瞬で、眼が熱くなった。 20年前の言葉が、言葉そのものが今の自分を助けてくれている。そんな心強い言葉。 どんな言葉がいつどこで誰を支えるかなんてとてもわかることじゃないけれど、 確かにそういう言葉は存在するのだ。 そういう力強い言葉、言える人間になりたいと素直に?思ったのでした。(笑) 柴崎友香さん、もっと読みたい。定期的に読みたい。そんな感じ。
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別々の場所でそれぞれの人生を送る3人(30代後半の女性・石原優子、30代前半の男性・小坂圭太郎、40代半ばの女性・柳本れい)について、2つの大震災など過去の記憶も呼び覚ましながら、日本がコロナ禍の只中にあった2020年3月から2022年2月の2年間を描く叙事的長編小説。 自分自身...
別々の場所でそれぞれの人生を送る3人(30代後半の女性・石原優子、30代前半の男性・小坂圭太郎、40代半ばの女性・柳本れい)について、2つの大震災など過去の記憶も呼び覚ましながら、日本がコロナ禍の只中にあった2020年3月から2022年2月の2年間を描く叙事的長編小説。 自分自身の人生も含め、それぞれの人生、時の流れなんかに思いを馳せさせてくれる実に良い小説だった。 本書のキーアイテムであるヴィスワヴァ・シンボルスカの「終わりと始まり」という詩集から抜粋される詩(特に、「戦争が終わるたびに誰かが後片付けをしなければならない」から始まる詩)も心に残った。
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気づかずに忘れていたあの日々のこと、空気と、少しずつ降り積もっていった気持ちたち。 楽しいことはすべて制限されるのに仕事だけが通常モードになろうとする、働くだけの存在になれってこと? とか、 まんぼう とか、 ⚫︎度目の緊急事態宣言 とか、 また営業時間が変わるだけ とか、 え...
気づかずに忘れていたあの日々のこと、空気と、少しずつ降り積もっていった気持ちたち。 楽しいことはすべて制限されるのに仕事だけが通常モードになろうとする、働くだけの存在になれってこと? とか、 まんぼう とか、 ⚫︎度目の緊急事態宣言 とか、 また営業時間が変わるだけ とか、 え、これでもやるの?なオリンピック とか、 自宅待機 とか、 Go travelとか。 いくつかの並行世界が、なんとなく同じところで繰り広げられてるように見えていた世界が、 やっぱり並行世界は並行世界だったんだと気付かされるような出来事の数々。 もっとさかのぼって、東日本だったり阪神淡路だったり でもこの後だってたくさん更新されてしまってることたち どれもその瞬間その日々は影響を受けて少しずつ削られてすり減って なのに慣れてしまっていつしか忘れてしまう 優子が毎日川の見え方を確認する行為は、 自分自身の確認とともに、自分自身へのエールでもあったのかも。 でもほんとうに毎日は、このような些細なエールで築き上げられている
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