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大仏ホテルの幽霊 エクス・リブリス
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大仏ホテルの幽霊 エクス・リブリス

カン・ファギル(著者), 小山内園子(訳者)

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大仏ホテルの幽霊 エクス・リブリス

定価 ¥2,640

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 白水社
発売年月日 2023/11/26
JAN 9784560090893

大仏ホテルの幽霊

¥1,980

商品レビュー

2.8

6件のお客様レビュー

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2024/06/09

スランプに陥った作家の私は、朝鮮戦争後の仁川にあった大仏ホテルの物語を聞く。かつて若い二人の女性によって経営されていた大仏ホテルには幽霊に取り憑かれているという噂があった。そこにある時訪れた長期滞在の客は、幽霊の出る小説を書いているのだという。そしてその後、大仏ホテルでは何が起こ...

スランプに陥った作家の私は、朝鮮戦争後の仁川にあった大仏ホテルの物語を聞く。かつて若い二人の女性によって経営されていた大仏ホテルには幽霊に取り憑かれているという噂があった。そこにある時訪れた長期滞在の客は、幽霊の出る小説を書いているのだという。そしてその後、大仏ホテルでは何が起こったのか……重苦しい時代背景を描きながら、それぞれの登場人物の生きざまが力強く描かれた作品です。 ホラー的な要素はありますが、これをホラー小説といってしまうのは強すぎる表現かも。とはいえシャーリィ・ジャクスンが出てくるんだもの……それだけでもうホラーとしての要素は充分なのでは、と思ってしまいます。大仏ホテルにまつわる奇妙な雰囲気、ホテルを経営するヨンジュとヨンヒョンの微妙な関係、各所で語られる挿話、どれをとっても不穏でわくわくしてしまいました。 しかしその一方で、彼女たちの抱える悩みや苦しみに寄り添いたくなる痛々しさも印象的です。だけれど韓国の作品によくみられる「恨」の観念って、ただおどろおどろしたものではなく、むしろドロドロした部分を包み込み乗り越えていくものなのですね。読後感は清々しいものでした。

Posted by ブクログ

2024/05/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

本屋で何気なく目に止まり読んでみただけだったのだが、思いのほか良かった!私的には良作。 結局誰の話が正しいのか分からないことも面白かったが、「恨(ハン)」にまつわる韓国の有名なおとぎ話や、朝鮮戦争における韓国の歴史等詳しく知らないことが多く、とても興味深かった。 一番印象的だったのは、パク・ジウンはルェ・イハンをあまりに深く愛しすぎた為に、彼が死んだ後彼なしでも生きていけるように彼など愛していなかったというニセの心を作り出していた、という真相。悲しすぎるし辛すぎるけど、最愛の人を失ったらそういう風に生きることでしか自分の心を守ることが出来ない生き方があることが衝撃的だったし、想像しただけで辛かった。 また、「試練は人を強くしてくれるという言葉を信じていない」や、「誰もが母親を愛せるわけではないし、誰もが子どもを愛せるわけでもない」など、一般的に「そう思わなければならない」と思われている道徳観をやんわり否定してくれる描写が多くある。いわゆる一般的な道徳観から少し外れた感情を持ったときに心が苦しくなることもあるけど、そう思うことは自然でそんな自分を否定しなくても良いと思わせてくれる本だった。

Posted by ブクログ

2024/02/19

当然と言えば当然なのだが、海外作品に触れる際には、ある程度その国の背景等を知っている方が作品への理解はより深まる。 その意味で私は彼の国について歴史を含め明るくない為、思いのほか物語に入っていけなかった。 またロシアのマトリョシカよろしく、メインの話に内包された別の物語にスポッ...

当然と言えば当然なのだが、海外作品に触れる際には、ある程度その国の背景等を知っている方が作品への理解はより深まる。 その意味で私は彼の国について歴史を含め明るくない為、思いのほか物語に入っていけなかった。 またロシアのマトリョシカよろしく、メインの話に内包された別の物語にスポットが当たったかと思えば、更にそこに含まれる話に話題が移行するというギミックが施されており、そこに特段不自然さは感じないのだが、日本人からすると似たような名前の人たちが複数人現れ、各々時代も入れ替わるのでポスト高齢者の私にはいささか複雑な構造だった…。 という訳で、私個人の意見としては 韓国を含む大陸の歴史に疎く、記憶力にあまり自信のない高齢者以上の方には没入感は希薄となる為、お薦めしかねる作品かと思われる。 単にオカルトとして、ないしは韓国の作品に触れたいと思われる方には一読されても良い作品。

Posted by ブクログ

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