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スピノザの診察室
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 水鈴社 |
発売年月日 | 2023/10/27 |
JAN | 9784164010068 |
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商品レビュー
4.4
597件のお客様レビュー
最後涙が止まらなかった。大切な人にすすめたいと思う。 神様のカルテの方だったんだ。知らずに読んだ。 マチ先生 地位も名誉も金銭も、それが単独で人間を幸福にしてくれるわけじゃない。人間はね、一人で幸福になれる生き物ではないんだよ。 訳がわからないということがわかるだけでも大切だ。...
最後涙が止まらなかった。大切な人にすすめたいと思う。 神様のカルテの方だったんだ。知らずに読んだ。 マチ先生 地位も名誉も金銭も、それが単独で人間を幸福にしてくれるわけじゃない。人間はね、一人で幸福になれる生き物ではないんだよ。 訳がわからないということがわかるだけでも大切だ。「わかった」と思う読書の方が、はるかに危険だからね だから表層を歩いているだけではなかなかこの町の本当の姿には出会いません。あちこち隠れている入り口を見つけて、深層に分け入って行かなければいけない 私はむしろもっと死について知りたいと思っているのかもしれません 患者さんを看取るたびに思うんです。彼らが何を見ていたのか、もっと知りたいと。もっと死について見えてくれば、最期の時間が近づいた患者に、自信をもって声をかけ、安心させてやれるのではないか。「怖がらなくてもいいんだ」と。 (花垣)哲学の方向に振りきれた医者は、現場じゃ使い物にならない。せいぜい教会でお祈りをするか、現場から遠くはなれた書斎で小説でも書いてるだろうさ。マチが尋常じゃないのは、一流の科学者でありながら、哲学者としても凡庸でない点だ。そういう医者を俺は見たことがない。 人間は無力な生き物で、大きなこの世界の流れは最初から決まっていて、人間の意思では何も変えられないと言った思想家もいたんだ 我々にできることは、せいぜい襲い掛かる津波から走って逃げることや、どこまで効くかもわからない抗がん剤を点滴することだけれど、それさえうまくいかないのが現実ぁろう。そうやって突き詰めていけば、人間が自分の意思でできることなんて、ほとんどないことに気が突く。つまり人間は、世界という決められた枠組みの中で、ただ流木のように流されていく無力な存在というわけだ。 彼(スピノザ)は言うんだ。「だからこそ」努力が必要だと。 私は希望に溢れた論理展開だと感じるんだよ。何でもできるって万能感を抱えながら、無限に走らされる方がずっと過酷さ。 (浜福巡査)こういう孤独に死ぬ人たちってのは、だいたい世の中に恨みや怒りや、とにかく嫌な感情を持っているもんです。亡くなったあとでもその顔をみりゃすぐわかるし、部屋の中には怨念みたいな得体の知れんものが漂っているんですわ。若い部下の中には、そんな感情にのまれて鬱になっちまうのもいるくらいで。財布の中にそんなあったかい言葉を抱えたまま、死んでいけるってのは、結構幸せなことなんじゃないかと思います。 医者がこんなことを言ってはいけないのかもしれないが、医療の力なんて、本当にわずかなものだと思っている。だからと言って無力感にとらわれてはいけない。世界にはどうにもならないことが山のようにあふれているけど、それでもできることはあるんだってね。 間違えてはいけないよ、先生。医療がどれほど進歩しても、人間が強くなるわけじゃない。技術には、人の哀しみを克服する力はない。勇気や安心を、薬局で処方できるようになるわけでもない。私たちにできることは、もっと別のことなんだ。うまくは言えないけれど、きっとそれは...暗闇で凍える隣人に、外套をかけてあげることなんだよ。
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※このレビューにはネタバレを含みます
大学病院から地域の病院に移り勤務するマチ先生。 医者としてのキャリアや、腕も十分にありながら地域の病院で終末期医療を担いながら医療の在り方や、考え方が綴られているのが印象的だった。 その中でも、マチ先生にかかっていた辻との関係で、当初辻は治療費がないことから生活保護をすすめられるも、社会のお世話になることから嫌がり、病院としては治療にあたまを悩ます存在だったが、結局状態が急変し、吐血し亡くなってしまうシーンがあった。 マチ先生と患者辻との関係は、「先生のとこやったら、俺は安心して逝ける」と辻は前から述べており、最後の免許証の裏面に残した「おおきに 先生」という6文字の言葉からもマチ先生が患者にとって寄り添っており、安心できる存在だったのだと読み取れる。 完治が難しい終末期医療、人生の終わり方や閉じ方に寄り添う地域医療を主人公であるマチ先生の視点から感じ取れた。また、個人的にはマチ先生の元で研修を行う南先生との関係の続きも気になるところである。 テーマ、、終末期医療・人生・生き方
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患者さんの終末期、医師の働き方について深く考える作品でした。さすが医師の著者だからこそ、生と死について悩むところをしっかりと書かれているなと、、、 確かに、大学病院はもちろん治療一択ですが、地域病院ではそれぞれの家庭の事情によってどこまで治療をするのかは難しい問題ですよね。 頑張...
患者さんの終末期、医師の働き方について深く考える作品でした。さすが医師の著者だからこそ、生と死について悩むところをしっかりと書かれているなと、、、 確かに、大学病院はもちろん治療一択ですが、地域病院ではそれぞれの家庭の事情によってどこまで治療をするのかは難しい問題ですよね。 頑張らなくていい、でも急ぎすぎるのもよくない。 とても印象的な言葉でした。 個人的には辻さんのエピソードが好きでした。 自分が思う最期を迎えられるのも丁寧に向き合ってくれる医師がいてこそ自由な選択ができるのかなと思いました。
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