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日没 岩波現代文庫 文芸352
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
| 発売年月日 | 2023/10/14 |
| JAN | 9784006023522 |

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商品レビュー
3.9
82件のお客様レビュー
なぜ療養所に閉じ込められたのか分からないまま奇妙な毎日が続く。 重苦しいページが続くが、「第4章 転向」に著者の言いたいことがギュッと詰まっている。 表現はどこまで自由なのか、良い小説とは何か。みんな巻末の解説も最後まで読んで欲しい。
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胸糞。 とにかく胸糞。 胸糞で溢れて、胃がもたれる。 映倫ならぬ文倫。 国家が著書を規制する世界。 作家批判を過激にし、それを国家レベルまで押し上げた物語、という印象。 これは単なるディストピアではなく、 書く側に立ったときに感じる重さや不条理さ、 言葉を発した瞬間から晒され...
胸糞。 とにかく胸糞。 胸糞で溢れて、胃がもたれる。 映倫ならぬ文倫。 国家が著書を規制する世界。 作家批判を過激にし、それを国家レベルまで押し上げた物語、という印象。 これは単なるディストピアではなく、 書く側に立ったときに感じる重さや不条理さ、 言葉を発した瞬間から晒される暴力性そのものを、 作家目線で描いた話なのかもしれないと思った。 桐野さん、エッジ効きまくってるもんね。 売れれば売れるほど、賛否両論は避けられない。 その重さや不条理さを、書き手の側からこれでもかと突きつけられる一冊。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読んでいる間中、怖くて気持ち悪くてしょうがなかった。 『OUT』や『グロテスク』を読んだときの物語の怖さとは違って、組織に対してても足も出ないまま転がされていく怖さが、ものすごくリアルで。 主人公のマッツ夢井は、結構過激な暴力や性描写などを書いて、そこそこ人気の小説家だが、自分としてはもっと深く心を抉りだすような作品を書きたいと思っている。 そこへ、「文化文芸倫理向上委員会」という総務省が管轄する組織からの召喚状が届く。 事情聴取や若干の講習等が予定されているので、宿泊の準備をしてくるように、と。 そこから先が、とにかく怖い。 パイプベッドと机と椅子しかないような部屋に押し込められ、私語厳禁、2時から6時までの間に散歩に出てもいいくらいで、あとは多分盗聴器と監視カメラが設置された個室で食事を待つだけの生活。 その食事も、粗末なんてものではない代物で、もし本当に国の機関だというのなら食材の横流しが日常茶飯で行われているのではないか。会計検査院は何してるんだ! 穏やかな社会形成に反することは全て処罰の対象となり、反抗的な態度を改めさせるために、執拗に繰り出されるあれこれが全て恐ろしい。 どれだけ嘲笑されても、煽られても、職員に対して反論したり反抗したりすることは許されない。 灰色の上下の制服と、髪の毛をすっぽり隠す帽子着用で、名前ではなく番号で呼ばれる生活。 つまり、一切の個性は否定されるわけだ。 政府が認める範囲内だけの表現の自由。 多数派という匿名の圧力。 一方的にすべてのプライバシーを把握され、孤立させられ、希望を与えては取り上げられる絶望。 言葉を尽くして話しても伝わらない、聞く耳を持たない、行間を読むことのできない人たちとの対話の無為。 文脈ではなく、単語だけを切り取って「不適切」とレッテルを貼る。 一度貼られたレッテルをはがすことは、多分不可能。 どこかに必ずレッテルのきれっぱしが残ってしまうから。 フィクションじゃないか、とは言えない最近の世の中。 政府が学術院会議の人事に介入して、意にそわない人を認めなかったのは割と最近のこと。 大国の大統領が吠えれば、SNSでのファクトチェックを「やりません」宣言しなければならない現実。 名前ではなく番号で国民を管理したい政府。(だったら戸籍制度をやめればいいのに、そっちも手放さないという管理大好き国家) 「景気が好いと浮かれ、他民族より優秀と自惚れている間に、政府のいうことを聞く愚民を大量生産する」 上記のようなことを書いている人が、ある日突然音信不通になったら、そういうことだ。 私は多分殴られた時点で転向する。 もしくは、地下室で拘束衣を着せられベッドに縛り付けられた人を見せられたら、もうだめだ。 そして世の中は、静かに変容していく。
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