商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
| 発売年月日 | 2023/10/14 |
| JAN | 9784006023522 |
- 書籍
- 文庫
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商品レビュー
3.9
80件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
読んでいる間中、怖くて気持ち悪くてしょうがなかった。 『OUT』や『グロテスク』を読んだときの物語の怖さとは違って、組織に対してても足も出ないまま転がされていく怖さが、ものすごくリアルで。 主人公のマッツ夢井は、結構過激な暴力や性描写などを書いて、そこそこ人気の小説家だが、自分としてはもっと深く心を抉りだすような作品を書きたいと思っている。 そこへ、「文化文芸倫理向上委員会」という総務省が管轄する組織からの召喚状が届く。 事情聴取や若干の講習等が予定されているので、宿泊の準備をしてくるように、と。 そこから先が、とにかく怖い。 パイプベッドと机と椅子しかないような部屋に押し込められ、私語厳禁、2時から6時までの間に散歩に出てもいいくらいで、あとは多分盗聴器と監視カメラが設置された個室で食事を待つだけの生活。 その食事も、粗末なんてものではない代物で、もし本当に国の機関だというのなら食材の横流しが日常茶飯で行われているのではないか。会計検査院は何してるんだ! 穏やかな社会形成に反することは全て処罰の対象となり、反抗的な態度を改めさせるために、執拗に繰り出されるあれこれが全て恐ろしい。 どれだけ嘲笑されても、煽られても、職員に対して反論したり反抗したりすることは許されない。 灰色の上下の制服と、髪の毛をすっぽり隠す帽子着用で、名前ではなく番号で呼ばれる生活。 つまり、一切の個性は否定されるわけだ。 政府が認める範囲内だけの表現の自由。 多数派という匿名の圧力。 一方的にすべてのプライバシーを把握され、孤立させられ、希望を与えては取り上げられる絶望。 言葉を尽くして話しても伝わらない、聞く耳を持たない、行間を読むことのできない人たちとの対話の無為。 文脈ではなく、単語だけを切り取って「不適切」とレッテルを貼る。 一度貼られたレッテルをはがすことは、多分不可能。 どこかに必ずレッテルのきれっぱしが残ってしまうから。 フィクションじゃないか、とは言えない最近の世の中。 政府が学術院会議の人事に介入して、意にそわない人を認めなかったのは割と最近のこと。 大国の大統領が吠えれば、SNSでのファクトチェックを「やりません」宣言しなければならない現実。 名前ではなく番号で国民を管理したい政府。(だったら戸籍制度をやめればいいのに、そっちも手放さないという管理大好き国家) 「景気が好いと浮かれ、他民族より優秀と自惚れている間に、政府のいうことを聞く愚民を大量生産する」 上記のようなことを書いている人が、ある日突然音信不通になったら、そういうことだ。 私は多分殴られた時点で転向する。 もしくは、地下室で拘束衣を着せられベッドに縛り付けられた人を見せられたら、もうだめだ。 そして世の中は、静かに変容していく。
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これぞ桐野ワールド‼️…と思わず膝を打ちたくなる、そんな作品。 「砂に埋もれる犬」を読んで以来久しぶりの桐野夏生さん! “おもしろい”…というと語弊があるのかもしれませんが、”ユートピア”ならぬ”ディストピア”の極限の境地。その作品の世界に引き込まれ、ぐいぐいと読み進められてあっ...
これぞ桐野ワールド‼️…と思わず膝を打ちたくなる、そんな作品。 「砂に埋もれる犬」を読んで以来久しぶりの桐野夏生さん! “おもしろい”…というと語弊があるのかもしれませんが、”ユートピア”ならぬ”ディストピア”の極限の境地。その作品の世界に引き込まれ、ぐいぐいと読み進められてあっという間に読了✨ 万人ウケか?と問われるとわかりませんが、私の中ではドストライクでした‼️ サティ『グノシエンヌ3番』がBGMとして脳内再生されるような作品。 数十年前に読み漁った桐野夏生作品たちもまた読み返したくなりました✨✨ (2025.10.11−2005.10.13読了 )
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相変わらずの桐野さんワールド。 嫌悪感にむせながら読了。 でも解説が素晴らしい。小説とか文学とか表現の本質を考えることができるし、山田詠美とロシアの作家の対談とか興味深い。そして桐野さんが日本ペンクラブの会長でいらっしゃることや、タイトルの意味も 国の右傾が進みそうな今、読んで...
相変わらずの桐野さんワールド。 嫌悪感にむせながら読了。 でも解説が素晴らしい。小説とか文学とか表現の本質を考えることができるし、山田詠美とロシアの作家の対談とか興味深い。そして桐野さんが日本ペンクラブの会長でいらっしゃることや、タイトルの意味も 国の右傾が進みそうな今、読んでみることをおすすめします。
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