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存在のすべてを
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 朝日新聞出版 |
発売年月日 | 2023/09/07 |
JAN | 9784022519320 |
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存在のすべてを
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商品レビュー
4.4
502件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
最も物語に入り込んで読み進めたのは、親子3人で過ごす時間。終わりの時を予感しながらの儚い幸せな時間。別れの場面は涙なしには読めなかった。 写実画家として真理に近づこうともがいている貴彦が、亮に語る場面。「うまい絵を描こうとしなくていいから。大事なのは存在。このお父さんの絵はね、モデルのおじさんはそこそこ描けているんだけど、背景が薄っぺらくて緊張感がない。だから嘘っぽく見える。対象物だけ見てちゃダメ。分かる?キャンパスの中のものはみんな等価値、つまり、みんな同じくらい大切ってこと。」「写実画を描くということは『存在』を考えること。」 亮の「水はどうやって描くの?」の質問に「水を描こうとしないこと、かな。実際に目にしているものを丁寧に拾っていく。透けて見える石とか太陽の光とか水面の揺らぎとか。そういうものを一つずつ描いていくと、いつの間にか水があるように見える」 貴彦の話を聞く亮の様子に愛おしさが増す。 記者の門田は、あの誘拐事件の裏側にあった紛れもない事実、貴彦と亮の「実在」を書きたいと心の底から思う。「生きている」という重み、そして「生きていた」という凄み。 読み終えて、タイトル「存在のすべてを」の意味を考えながら余韻に浸る。
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「どんな道を歩もうともずっと太陽のように自分の心を照らしてくれる、そんな人と巡り会えることが、本当の幸せなのだと気づいた」 誘拐は、彼にとって僥倖でしかなかった。 薄氷を踏むような親子の時間は儚くも美しく、やがて訪れる別れは必然ながら、世の不条理を思わずにいられない。
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著者は『罪の声』以来2作目。表紙が写真ではなく絵画と知り驚愕。写実主義という言葉は知っていたが、意識して鑑賞したことはなかった。絵のモチーフが表す意味は何だろう。二児同時誘拐事件が未解決のまま、被害児童は人気写実画家となった。彼の過去が週刊誌に暴かれたことをきっかけに記者が限り...
著者は『罪の声』以来2作目。表紙が写真ではなく絵画と知り驚愕。写実主義という言葉は知っていたが、意識して鑑賞したことはなかった。絵のモチーフが表す意味は何だろう。二児同時誘拐事件が未解決のまま、被害児童は人気写実画家となった。彼の過去が週刊誌に暴かれたことをきっかけに記者が限りなく細い糸を辿り、真相に迫っていく。手作りの乳歯ケースを持ち帰っただけで、愛情深く育てられたことがわかる。七夕の短冊に書かれた小さな願いが叶わないことを知りながら、読み進めなければいけない辛さたるや。終盤は涙なしでは読めなかった。
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