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楽園の犬
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岩井圭也(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 角川春樹事務所
発売年月日 2023/09/05
JAN 9784758414470

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商品レビュー

4.3

48件のお客様レビュー

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2024/11/10

気がつけば岩井圭也作品3冊目。 舞台は太平洋戦争勃発直前の南洋サイパン。 喘息持ちの元教師の男は、日本に残した最愛の妻と一人息子を養うため、日本海軍のスパイとなることを選んだ。 ん~。 外国の包囲網でどんよりと追い詰められ、神州日本が負ける訳はないという無知蒙昧と傲岸不遜によ...

気がつけば岩井圭也作品3冊目。 舞台は太平洋戦争勃発直前の南洋サイパン。 喘息持ちの元教師の男は、日本に残した最愛の妻と一人息子を養うため、日本海軍のスパイとなることを選んだ。 ん~。 外国の包囲網でどんよりと追い詰められ、神州日本が負ける訳はないという無知蒙昧と傲岸不遜により、いっそ開戦を望むという当時の空気感は伝わった。 嫌だな~。 嫌な話だな~。 おもしろくなくはないが、嫌な話だ。 実際、三分の二まで読んだ感想はつまらない、だった。 しかし、そこまでは前フリのようなもの。 そこから物語が激しく動き始める。 著者は……、きっと嫌だったんだろうな。 サイパンで行われた通称バンザイアタックや、捕虜になることを拒否した多くの自決。 凄く嫌だったんだろうと思う。 それを止めたいと願った末に作られた人物ではなかったろうか? それでも……。 歴史を変えることなどできない。 それでも……。 少なくとも一人は、おそらくは彼の説得でもっと多くの人が思いとどまったのだと思いたい。 たとえそれがフィクションの中であっても。 蔓延する猛毒のような全体主義から逃れ、自分の頭と信念によって行動し、名誉や美学による”死”を拒絶し、足掻き続けた彼に称賛を送りたい。 願わくば、違う結末が読みたかったが、本当にどんな姿でも違う形のラストを願ったが、やむを得ないだろう。 「永遠についての証明」>本作>「文身」ってとこかな。 まあ、それはそれとして。 岩井圭也さん、書きすぎじゃね問題(笑) 書き始めが2016年頃か。 そっから8年で単行本だけで14冊。 単行本化されてない掲載作を合わせると倍以上かな。 いや~、凄い。 書きたくて書いてるんならありがたいがね、出版社の意向でガンガン書かされてるんじゃないだろうな。 「売れてる旬の内になんでもいいから書かせろ~!!」 みたいな。 依頼されたら書くしかないんだろうけど、事情はまったく知らんけど、この作家さんに限らず、もっとじっくり腰を据えて書いてもらいたいな~。なんて思ったり思わなかったり。 出版社は短期で作家を食いつぶさないで、長い目で見てあげて欲しい。 今作もね、もっともっと練れる余地があったような気がしてね。 余計なお世話だけどさ。

Posted by ブクログ

2024/11/08

ずっと読んでみたかった本。 図書で予約して半年程待ち、やっと回ってきた。 概略☆いま最も熱い著者の最高傑作! 世の中が戦争に突き進もうとするとき、人はどこまで自分でいられるだろうか。 感想☆なんとも戦争と聞くと、内容も重いのかと。犬はどこで出てくるのか。 太平洋戦争前。スパイ...

ずっと読んでみたかった本。 図書で予約して半年程待ち、やっと回ってきた。 概略☆いま最も熱い著者の最高傑作! 世の中が戦争に突き進もうとするとき、人はどこまで自分でいられるだろうか。 感想☆なんとも戦争と聞くと、内容も重いのかと。犬はどこで出てくるのか。 太平洋戦争前。スパイ。職業元女学校英語教員。 海軍少佐のもとで、スパイ(犬)の役目として海洋庁庶務係としてサイパン諸島に送られる。 M:Iの映画のような。 何度となく、任務を遂行すること主人公。 人の命に関わる難事を解決する。 優しい心ある先生が、ここまでスパイ行為をする理由も家族のため、病気で療養する目的ではあった。 外国から来るスパイ摘発の仕事も、そう長くは続かなかった。 自分の雇い主もスパイ扱いされ、主人公も同様な罪を被せられ、逃亡劇もありましたが、最後は、本当に切なかった。家族との再会を果たせられず、ただただ、戦争が憎たらしい思いが残った。 本の表紙の大きな桜?の木も文面に出てきて、謎解きに大きな役割として登場。  最初から最後まで、気の置けないスリル感は大変面白かったです。

Posted by ブクログ

2024/11/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人物造形や内容が誠実だと感じました。 デキる男なのですが、家族想いで喘息持ちな所等親近感のある主人公。スパイとして動くほど、反戦派になっていく所がリアリティを感じる。 戦時化、サイパンの市民の生活なんて、想像もできなかったけれど、島民と日本人の関係等の描写も現実感がある。 終盤の自死を美とせず、何がなんでも生き抜くというテーマが貫かれていてよかった。 ローザさん好き。表紙の鳳凰木の赤がすごい訴えかけてくる。表紙も含めて良い。 そんなに話題作というわけではなかったように思うのですが、もっと読まれていいのでは!? ⭐︎4.5

Posted by ブクログ

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