商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 角川春樹事務所 |
発売年月日 | 2023/09/05 |
JAN | 9784758414470 |
- 書籍
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楽園の犬
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楽園の犬
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商品レビュー
4.3
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「君は米英と開戦すべきだと思うか?」 横浜で英語教師をしていた麻田健吾は、持病の喘息で休職を余儀なくされていたが、友人の伝手で南洋群島のサイパンに赴任することに。温暖な気候の方が喘息症状は緩和するという話を信じて赴任を決意する麻田。そこでの任務は表向きは南洋庁の職員だが、実際は...
「君は米英と開戦すべきだと思うか?」 横浜で英語教師をしていた麻田健吾は、持病の喘息で休職を余儀なくされていたが、友人の伝手で南洋群島のサイパンに赴任することに。温暖な気候の方が喘息症状は緩和するという話を信じて赴任を決意する麻田。そこでの任務は表向きは南洋庁の職員だが、実際は海軍在勤武官補•堂本頼三の“犬”として、情報を集めると同時に、島に潜むスパイを排除する防諜(スパイ)活動だった… 太平洋戦争の開戦前夜、南洋の楽園•サイパンを舞台に繰り広げられるスパイ小説×歴史ミステリ。グアム•サイパンと言えば(私は一度も行ったことないけど)、南の島のリゾート地のイメージが強かったが、その裏にはこんな歴史があったとは… フィクションだとわかってはいるものの、南洋進軍に沸く当時の世相、ナショナリズム、陸海軍の距離感など実にリアリティを感じる。ところどころに挿入された作者視点の史実描写が、それを後押ししているのかも。 本書で繰り広げられる諜報と防諜のせめぎ合いは、謎解き要素もあるし、ひりつくような駆け引きもあって手に汗に握る。特に終盤の逃走劇は祈るようにして読み進めた。麻田の上司である堂本の、掴みどころのないミステリアスな雰囲気も魅力的だ。 表紙を飾るのは南洋桜とも呼ばれる鳳凰木。サイパンでは至る所で見られる木だというが、その燃えるような赤は神々しい。日本人として、言葉に表せない色んな想いが込み上がってきた。国力、死生観、家族への想い、読後じんわり考えさせられた。もし自分がこの時代に生きていたらどう行動していただろうか?当時国の舵取りをしていた上層部に、堂本少佐のような“先見の明”があったなら…因果ずら
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サイパン島を舞台にした大戦前夜のひとりのスパイの物語。 意図せずに宿命に翻弄され海軍のスパイとなった文人の命を賭して伝えたかったこと、それは命を大切にする事。 どんなに周囲が戦争の熱に浮かされ命を軽々と扱っていた時代でもしっかり伝えたかった事。 兎に角面白く読了しました。
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戦争を回避すること。それがベストだと思っても、何か行動に移すことができる人がどれほどいるだろう。戦争がテーマの物語で主人公が軍の人となると共感できないことが多いけど、この作品は別。 堂本や麻田の生き方が人間らしく思えて、だからこそ悲しくて… 開戦前、スパイが入り乱れているサイパン...
戦争を回避すること。それがベストだと思っても、何か行動に移すことができる人がどれほどいるだろう。戦争がテーマの物語で主人公が軍の人となると共感できないことが多いけど、この作品は別。 堂本や麻田の生き方が人間らしく思えて、だからこそ悲しくて… 開戦前、スパイが入り乱れているサイパン。こんな疑心暗鬼になりそうな状況が実際にあったのか。 読み終えて改めて見ると、表紙の血のような赤さの南陽桜が何とも切ない。
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