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彼らは世界にはなればなれに立っている 角川文庫
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彼らは世界にはなればなれに立っている 角川文庫

太田愛(著者)

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彼らは世界にはなればなれに立っている 角川文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 KADOKAWA
発売年月日 2023/08/24
JAN 9784041138625

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商品レビュー

4

25件のお客様レビュー

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2024/09/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「これは過去でも未来でもない、今だ。 目の前にあるのにあなたが見ようとしない現実だ。」 設定はファンタジーだけれど、「ファンタジー小説」でもなく「幻想文学」でもなく、現代をあてこすった、まさに「風刺文学」で、読んでいてひたすらに切実で、耳の痛い、寒々と恐ろしい内容だった。太田愛が小説を通じて投げかけてくるのは常に、「考えることを放棄してはいけない」ということ。 「戦争は結果にしか過ぎない。夥しい死は無数の人々の選択の結果、あるいは選択を放棄した結果、または、選択と思わずに同調した結果なのだ。」

Posted by ブクログ

2024/08/24

これまでの作者作品とは一変する描きぶり。最後には世の中を咎める感じなのは変わらないが、だとしたら今までの様に舞台を現実に近いものにした方が読みやすいかも。 作者作品は全作背景が細かいため、ファンタジー風にすると外国人作品の様になってしまう気もした。

Posted by ブクログ

2024/08/13

最初、現代日本が舞台じゃないのか…と敬遠していたが、読み始めると、さすが太田愛さんだ!ってなりました。オーディブルで先に『未明の砦』を聴いていて、それがちょっと合わなかったので、あまり社会派すぎるのも…と思っていたけど、多分『未明の砦』が合わなかったのは自分の問題に近すぎて、耳を...

最初、現代日本が舞台じゃないのか…と敬遠していたが、読み始めると、さすが太田愛さんだ!ってなりました。オーディブルで先に『未明の砦』を聴いていて、それがちょっと合わなかったので、あまり社会派すぎるのも…と思っていたけど、多分『未明の砦』が合わなかったのは自分の問題に近すぎて、耳を塞ぎたい話題だったからかも知れない。民選が廃止されても、中央府に芸術や文化を統制されても声を上げなかった多くの人々と同じように。 他の方のレビューに「一冊かけて道徳の授業をされた気分」という言葉があったが、確かに説教じみているところはある。しかし過去も未来にも、現在にも通じる話であり、この作品が鳴らす警鐘に耳を傾けるべきであるとも感じた。テーマは『未明の砦』とほぼ同じであるのに、こちらでは素直に受け取れたのは、ファンタジーという体裁をとっているためだと思う。ディストピアが完成するまでの「始まりの町」の歩みを4人の語り手を通して丁寧に描いている。太田愛さんの描かれる人物はどの作品でも魅力的だが、本作でも遺憾無く発揮されている。ストーリーの関係上、嫌な奴が多い本作だが、語り手たちはとても誠実で不器用だ。そんな彼ら彼女らの人生の物語として読み進めるうちに、作者の主張も自然に受け入れることができた。

Posted by ブクログ

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