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じい散歩 双葉文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 双葉社 |
発売年月日 | 2023/08/08 |
JAN | 9784575526790 |
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じい散歩
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商品レビュー
3.4
70件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
【収録作品】第一話 秘密の部屋/第二話 秘密の女/第三話 秘密の訪問/第四話 秘密の調査/第五話 秘密の話/第六話 秘密の思い出 1/第七話 秘密の思い出 2/第八話 秘密の思い出 3/第九話 秘密の交際/第十話 秘密の旅路/エピローグ 秘密の通信 明石家は夫婦あわせてもうすぐ180歳。 中年となった3人の息子は全員独身。長男は高校中退後引きこもり。次男は恋人が男性の自称・長女。三男は事業を興しては失敗し、親に無心ばかりしたあげく実家に戻って同居中。 お金があるからいいけれど、それもいつまで続くか怪しい綱渡り。端から見ればなんともはやだが、当人たちの気の持ちようか、妙な明るさがある。
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89歳間近の新平さんは、好奇心旺盛でお散歩好き。 興味をそそられたことは、忘れないように手帳に記している。 お散歩ついでに美味しいものをいただく。 そして、多分、ルーティン好き。 日課の健康体操と、毎日の朝ごはんは、ヨーグルト+きなこ、すりごま、干しぶどうに、さらにあれやこれや、食べる物も順番も決まっている…などなど。 89歳ってもっと老い老いしてる(勝手な造語)感じなんかなと思ってしまうけど、新平さんみたいなおじいちゃんもいるんだーと思うと、ちょっと気が楽になって、新平さんに憧れたりする。 若い頃は色々あったみたいだけどね……。 でも、自分で決めたことを続けてやっているのは、なんか背筋が伸びるような気持ちになる。 新平さんちの家族、一筋縄ではいかない家族環境なんよね。 次男(ほぼ長女)は、唯一救いなんだけど。 問題はたくさんあって、だけどなんだかんだ家族で助け合っていて、いわゆる家族ほっこり物語。 ってことは全くなく、いつのまにか94歳になった新平さんが英子さんを介護してる。 同居してる長男・三男は何しとんねん!ってなるけど、ただ、そこに悲壮感は感じられない。 いや、あるのかもしれないけど、悲壮感に浸ってて腹が膨れるか!って新平さんに、言われそう。 かって笑ったり、ふって笑ったりする新平さんにも、魅力を感じる。 一人の人間として、新平さん、かなり好きかも。
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タイトルと表紙画から、もっとほのぼのとした話なのかと思っていたら、全然違いました。 夫婦そろって90歳に手が届く年齢で、3人の息子全員が独身、うち2人が両親と同居、というのはまあいいんだけど、同居の息子2人がひどすぎる。 長男は高校中退後ずっと引きこもり。 働いて家にお金を入れるどころか、生活のすべてを親におんぶにだっこ。 外に出ようという努力も、家の中で何かをしようという意欲もない52歳。 三男は一度は就職したものの、今はグラビアアイドルの撮影会を主宰していることになっているが、金銭面のすべてが親頼みの48歳。 妻の英子も、家事はしているものの、食べることとテレビを見ることくらいしか趣味がないのでしょうか。 とにかくこの3人は、とことん甘い。 社会を見る目も、自分自身に対しても。 次男はフラワーアーティストとして自立している。 次男だけど、本人は長女と自称していることを、家族の誰もが特に気にしていないのは、いいと思う。 実際、妻の悩みは彼が聞いてなだめているのだし、現実的に頼れるのは彼だけだ。 夫の新平は、健康を考えた朝食(ヨーグルトとかきなことかレーズンとかはちみつとか)を自分で作って食べ、1時間弱のストレッチで体をほぐし、毎日気ままに1時間ほど散歩をして、いくつかの行きつけの店でランチを食べ、会社の事務所として使っていた一室で趣味を楽しんでから家に帰るのだ。 そんな家族の日常や歴史が断片的に語られるなかで、妻の認知症が疑われる事態が頻発する。 別居している次男が進めるまで、誰も病院に連れて行って検査してもらおうなどと考えないのだ。 そして、妻が倒れたときも、老衰のまま死なせてやろうと、救急車を呼ぼうとしない父に対して、何も言えないアラフィフの息子2人。 次男が電話で、「ママが死んだら、お父さんだけじゃなくて、三人とも、保護者責任遺棄致死で逮捕だよ!」と怒鳴ってはじめて救急車を呼ぶ運びになったのだ。 新平の気持ちはわかる。 でも、英子の死にざまを決めるのはあくまで英子であって、新平ではない。 腹立たしいのは、自分の頭で考えたり動いたりできない二人のバカ息子だ。 結局家に帰ってきた英子の面倒を見ているのは新平一人。 最初から最後まで、ずっとイライラ読んでいたのだが、読み終わって気づく。 これ、3年前の我が家にめっちゃ似てるじゃん。 作者の投影と思われる次男は、私よりずっと優しい。 2人のバカ弟を思い出して、また私の眉間のしわが深くなるのだった。
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