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滅ぼす(下)
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滅ぼす(下)

ミシェル・ウエルベック(著者), 野崎歓(訳者), 齋藤可津子(訳者), 木内尭(訳者)

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定価 ¥2,585

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社
発売年月日 2023/07/26
JAN 9784309208886

滅ぼす(下)

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商品レビュー

3.7

18件のお客様レビュー

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2026/01/03

ミシェル・ウエルベックの二巻本の最新長編小説、ということでずいぶんと期待をもって読んだ。以下、おおいにネタバレがあるのでまだ読んでいない人は注意してほしい。 小説の途中までは、経済・財務大臣の腹心の高級官僚である主人公ポールを中心に、フランス大統領選を控えた選挙戦略、政府へのサ...

ミシェル・ウエルベックの二巻本の最新長編小説、ということでずいぶんと期待をもって読んだ。以下、おおいにネタバレがあるのでまだ読んでいない人は注意してほしい。 小説の途中までは、経済・財務大臣の腹心の高級官僚である主人公ポールを中心に、フランス大統領選を控えた選挙戦略、政府へのサイバー攻撃、父親の脳卒中とケアの問題、妹弟とくに弟夫婦との関係とそれを発端としたスキャンダルと実弟の自死、妹のキリスト教と妻の新興宗教、年を経た夫婦の関係、と何本もの糸を張って物語を紡いでいった。小説の終盤にかけてこれらの仕掛けをどうやって回収していくのか、と楽しみにしていた矢先に、ポールの悪性の口腔癌が発覚する。その後はほぼ仕掛けはそのままに、ポールの予後は思わしくなくなり、もうすぐ死を迎えるところで小説は終わる。数々の設定は宙吊りにされたままだ。思うに、それらは宙吊りにされるために書かれたのだと合点した。どうしたところで、死がこのようにすべてを無に帰すように終わらせるのだ、と示すために。おそらくは、小説の最後に置かれたのは妻との絆と妻の信仰だが、それが最後に置かれた意味はあるだろう。そのとき何を思うことが可能なのかと。 ウエルベックは小説世界の中で積み上げてきたものを壊してしまうことで、死の暴力を書こうとしたのだろう。『滅ぼす』というタイトルに込めた意味もおそらくはそこにある。もちろん、それはひとつの読み方でしかないのだけれど、剥き出しの「死」こそがこの小説のテーマなのだ。読者としてはせっかくの物語のかたを付けてもらいたかったという思いは残るが、それも含めてウエルベックの狙いだと思うこととしよう。 死に方に関して言えば、小説の中で出てきた数々の死 ― 実父の脳卒中(植物状態で生きているが)、ポールと実弟のオーレリアン、ポールの妻プリュダンスの母の交通事故死 ― を比べると、やはりポールのように癌で死にたいと思うのだ。自分が死にゆきものであり、およそいつごろ死ぬのかを知りつつ最後を迎えたいと強く思う。老衰の前に病によって強制的に死にゆくポールをウエルベックはひとつの理想とみているのかもしれない。そうでないかもしれないけど。

Posted by ブクログ

2025/03/19

物語後半で展開されるのは人生の不条理劇。解明しようとしてたサイバーテロ攻撃も父が残した謎も大統領選もこれ以上進展がのぞめない。なぜならポールは口腔癌によって「滅ぼされる」から。 自分はまだ重い病気に罹ったことがないから、癌の告知、治療の選択、家族へ知らせる過程等をポールと共に追体...

物語後半で展開されるのは人生の不条理劇。解明しようとしてたサイバーテロ攻撃も父が残した謎も大統領選もこれ以上進展がのぞめない。なぜならポールは口腔癌によって「滅ぼされる」から。 自分はまだ重い病気に罹ったことがないから、癌の告知、治療の選択、家族へ知らせる過程等をポールと共に追体験した。嘘つくまではいかないが言うべきことを妻に言わなかったりセカンドオピニオン受けて治療法を天秤にかけたりと、細部にリアリティがあってこんな感じなのかーとしみじみ思った。 やっぱり、妻であるプリュダンスとパートナー関係が修復できてるのが今までのウエルベック作品と異質だと思う。 知人とも話したけど、ウエルベック年々作風丸くなっていってるよね????昔はもっと露悪的だったよ

Posted by ブクログ

2024/11/19

少しだけ未来、フランス大統領選と同時並行して起こる、不思議な出来事。 それは主人公ポールの公私に広がる。 ポールの見る夢、時には白日夢に近い空想……暗示なのか深層心理なのか。 ネットという怪物 拡散というパワー 妄信という暗黒 これまでの経験からくる未来への安心感が、ガタガタ...

少しだけ未来、フランス大統領選と同時並行して起こる、不思議な出来事。 それは主人公ポールの公私に広がる。 ポールの見る夢、時には白日夢に近い空想……暗示なのか深層心理なのか。 ネットという怪物 拡散というパワー 妄信という暗黒 これまでの経験からくる未来への安心感が、ガタガタと音を立てて崩れていく、「滅ぼす」という行為。 恐らく、現代フランス社会の歪みをもう少しだけ理解していて読んだなら、この本の出来事がもう少し現実的に感じたであろう。 最後は「愛」…… 「私たちには素敵な嘘が必要だったの」 ……

Posted by ブクログ