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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 書肆侃侃房 |
発売年月日 | 2023/02/06 |
JAN | 9784863855601 |
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商品レビュー
4.7
10件のお客様レビュー
2024.15 本屋で何となく手に取り、33ページを開き、良いなあと思ったけど買わなかった本と図書館で再会した。タイトルを覚えていたわけではなくて、本当に何となく手に取り、見覚えのあるチャプターを見て、また33ページを開いた。ああこれは読む運命だったんだと思って借りて帰った。 ...
2024.15 本屋で何となく手に取り、33ページを開き、良いなあと思ったけど買わなかった本と図書館で再会した。タイトルを覚えていたわけではなくて、本当に何となく手に取り、見覚えのあるチャプターを見て、また33ページを開いた。ああこれは読む運命だったんだと思って借りて帰った。 この本に吸い寄せられるように手に取り、この本を読むために晴れの日を待ち公園へ出掛けた。 鬱々とした毎日をふっと軽くしてくれる本だった。 ======== P10 これらはすべて私の中では死であり この世界の悲しみだ。これはすべて、死んだけど、私の心の中では生きている。 そして、私の心はこの宇宙よりもう少し大きい。(フェルナンド・ペソア『列車を降りて』) P26 私は自分の手をじっと見つめる。私はいつ幸せだっただろう。不安や寂しさもなく、成就も自負心もなく、ただ純粋に嬉しかったことがあっただろうか。 P33 私は11月を偏愛している。秋の前につけられる「晩」という言葉も。寒々とした木と、もとより残忍になれない風も愛おしい。〜11という数字は、よく見ると日本の木みたいだ。葉を振り落として枝だけになった晩秋の木。風に乗って遠くに行ってしまう葉もあるが、ほとんどは木の根元に落ちて集まる。だから私はカレンダーの11という数字の足下に、まるい陰のようなものを落書きしてみる。森の中で迷うのにちょうどいい時があるのだが、一つは大雪が降った翌日で、もう一つは11月ならいつでもいい。どちらも地面は白い雪か赤黒い落ち葉で覆われて、道と呼べるものが消えてしまうからだ。道の境界が消え、方向感覚まであやふやになると、なにが起こるだろう。どこをどう歩いてもいい自由が生まれる。すべての空間を思いのままに散歩できる特権が、それらの日々にはあるのだ。 P105 わたしには一つの窓でじゅうぶん 知覚視覚そして静寂のための窓一つで(フォルーグ・ファッロザード『窓一つ) P129部屋の中にいるとき世界は私の理解を超えている。しかし歩くときの世界は、いくつかの丘と、一点の雲でできているのだということがわかる。(ウォレス・スティーブンズ『物事の表面について』)
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11月、急に冬のような冷たい木枯らし一号が吹いた日に、この作品を読むのにぴったりな日に、偶然読むことができた それだけでとてもしあわせなことだった この本は冬になると読みたくなる、これからもずっと何度も読み続ける数少ない作品の一つとなった 静かな場所でたっぷりと時間を使って読め...
11月、急に冬のような冷たい木枯らし一号が吹いた日に、この作品を読むのにぴったりな日に、偶然読むことができた それだけでとてもしあわせなことだった この本は冬になると読みたくなる、これからもずっと何度も読み続ける数少ない作品の一つとなった 静かな場所でたっぷりと時間を使って読めたおかげで、とても豊かな時間を過ごせた(おいしいホットケーキ付き)
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
散歩を愛する詩人のエッセイ。疲れた時に、寝る前にふと読みたくなる本だ。 幸せは昇進や結婚、マイホーム購入などといったありきたりなものではない、幸せにこだわらなければもっと楽に生きられるとの言葉が印象的だった。確かにそういう先入観にとらわれない方が他人と自分を比べずにすみそう。幸せは人それぞれであり、目に見えないものだと。 今日食べたご飯がおいしかった、夕焼けがきれいだったとかそんなささやかな喜びを幸せと呼びたい。
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