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古代ゲノムから見たサピエンス史 歴史文化ライブラリー565
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 吉川弘文館 |
| 発売年月日 | 2023/01/21 |
| JAN | 9784642059657 |
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古代ゲノムから見たサピエンス史
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古代ゲノムから見たサピエンス史
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商品レビュー
4.3
5件のお客様レビュー
科学館での古代DNA展を見てからの読了。特に前半の手法や歴史に関して、非常に簡潔かつわかりやすく書かれており興味深かった。
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吉川弘文館の歴史文化ライブラリーの1冊。とくに考古学に関心のある人向けか。 前半は、サピエンス史というより、古代ゲノム学の歴史。もちろん、DNAが解析されるようになって以降、すなわち1970年代以降の研究史。科学週刊誌や新聞を飾ったサピエンスをめぐる発見を中心にゲノム学の歴史的変...
吉川弘文館の歴史文化ライブラリーの1冊。とくに考古学に関心のある人向けか。 前半は、サピエンス史というより、古代ゲノム学の歴史。もちろん、DNAが解析されるようになって以降、すなわち1970年代以降の研究史。科学週刊誌や新聞を飾ったサピエンスをめぐる発見を中心にゲノム学の歴史的変遷を初学者向けに解説している。 後半は日本列島のサピエンス史。研究が進展中のトピックだけに、話が少し難しくなる。デニソワ人や縄文人iPS細胞の話題も登場する。
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「ヒトゲノムの解読が完了」とのニュースを聞いたとき、何かスゴイことなのだろうなとは思ったが、それがどういうことを意味するのか良く分からなかった。 本書では、DNA分析やゲノム解読の原理や技術的方法等を説明した上で、それらから明らかになってきた人類の進化史について、また著者の研...
「ヒトゲノムの解読が完了」とのニュースを聞いたとき、何かスゴイことなのだろうなとは思ったが、それがどういうことを意味するのか良く分からなかった。 本書では、DNA分析やゲノム解読の原理や技術的方法等を説明した上で、それらから明らかになってきた人類の進化史について、また著者の研究グループで行っている縄文人のゲノム解読など最新の研究成果について解説がされる。 サピエンス誕生を巡る2つの仮説、「多地域連続進化説」と「アフリカ単一起源説」の論争、「サピエンスとネアンデルタールとの交雑」、デニソワ洞窟で発掘された指骨の分析から分かったデニソワ人の”発見”といった大きなトピックが解明されていくところは、これが科学なのかと感動させられた。 DNAの塩基配列くらいまでならついていけるものの、正直、理系的なところは分からないことが多いが、ある分析についてどこまでのこと論証できたと言えるかなど丁寧に説明がされているし、興味を引くような具体的な研究者のことなどが書かれているので、素人の自分でもそれなりに読み進めることができた また、日本に関することについても、著者の研究とともに紹介される。「日本列島に住みついたホモ・サピエンスはどこから来たのか?」という問い、これはかつてであれば「日本人の起源」というテーマであったが、今や、アフリカ大陸で誕生したサピエンスの東ユーラシア進出という文脈の中で考えられるようになってきたこと、そして著者の研究グループによる縄文人のゲノム解読が紹介され、縄文人の起源や現代の日本列島に住む人びととの系統関係に関し考えられることなどが論じられる。 ここ数十年の古代ゲノム学の進展によって明らかになってきたことに圧倒されたし、デニソワ人の姿の復元、ネアンデルタール人の脳の復元、著者グループによる縄文人 isp 細胞の試みなど、現在進行中のプロジェクトには胸躍るものがある。 最期に、世界の研究状況を知悉する著者は、スタート地点ではそれほど違いがなかったのにもかかわらず、外国の研究者たちが古代ゲノム学を大きく進展させたのに、日本の自分たちは世界を牽引することができなかった、それはどうしてだったろうと自問する。日本の若い世代が世界を相手に研究をする環境の乏しさが如何ともし難い状況であることに危機感を募らせる著者の慨嘆は、とても重い。
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