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詩歌探偵フラヌール
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2022/12/10 |
JAN | 9784309030876 |
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商品レビュー
3.8
9件のお客様レビュー
架空の街を舞台に、メリとジュンの二人が街なかに散在する「詩」の断片を探して歩き回る、日常ゆるふわ系物語。「フラヌール」はベンヤミンの『パサージュ論』に出てくる言葉で、日本語にすると「遊歩者」の意味。 主人公であるメリとジュンは、作中の記述からメリが若い女性、ジュンは同年代の男性と...
架空の街を舞台に、メリとジュンの二人が街なかに散在する「詩」の断片を探して歩き回る、日常ゆるふわ系物語。「フラヌール」はベンヤミンの『パサージュ論』に出てくる言葉で、日本語にすると「遊歩者」の意味。 主人公であるメリとジュンは、作中の記述からメリが若い女性、ジュンは同年代の男性と想像したが、そういった設定は物語を読み進めるのにあまり関係がない。どちらも中性的な印象で、作中のセリフをどちらが話していても気にならない。 床に描かれた顔のような落書きから、萩原朔太郎の「地面の底の病気の顔」という詩を見つける。こんな風に、自分の好きなことに引きつけて(メリとジュンの場合は詩歌)、気の合う仲間と連想しながら街なかを歩く時間はとても豊かだなと思う。 「社会に出て役に立たない学問なんて必要ない」などと軽率に語られる世の中で、詩歌のような、何の役にも立ちそうにない営みを楽しむ意味が語られる場面が印象的だった。 ❝「ところが、そういう都会の愉しみなんて、人生の辛さや社会の矛盾の厳しさを見ないでいるだけの浮薄な吹けば飛ぶような無価値なものだなんて、聞かされたりしませんか」 「そこがもう間違っている。深刻なこと、苦しいこと辛いことを描くのも文学だ。だが浮薄な表現も文学の価値に変わりはない」 「好きなことを自由にやっている人は皆、少しずつ浮薄なんだ。たまたま、稀に社会が調子いい時、人は浮薄に生きられる。そこでは奇妙で無意味な言葉が口にされたりする。遊びが始まる。そしてそれらは、もともと物質的な限界の中にいる地上の生物で、いつもそうそう楽には生きられない人間の、稀有な時間の記録なんだ。恥じることも否定することもない。人類の、ほんの僅かな陽射しの中だけの果敢ない戯れなんだ。嘉(よみ)されるべきなんだ」❞ (p.205) おまけ:8篇のうち、個人的には『永遠ハント』が好き。前半で、海外の詩人の作品(ここではランボーの詩)が、同じ作品でも訳者によってずいぶん印象が変わるのを、メリとジュンが、実際の書籍(鈴村和成訳、宇佐美斉訳、小林秀雄訳)を比べるやりとりがあって、本当にずいぶん印象が変わるなあと感じておもしろかった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
探偵というが物騒なことは一切起こらない、ジュンとメリの2人がいろいろとそぞろ歩き、文学に関わる不思議な人に会ったり謎解きゲームしたりする話。 最初2人はませた小学生くらいに思っていたが、途中で20代だと判明した。付き合ってるのかどうかも不明。
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初めて読むジャンル。 独特な書き方に戸惑って、知らない言葉が多く携帯片手に読んでかなり時間がかかった。 でも、苦にはならずに楽しめました。
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