商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2022/12/10 |
JAN | 9784309030876 |
- 書籍
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詩歌探偵フラヌール
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詩歌探偵フラヌール
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商品レビュー
3.8
8件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
探偵というが物騒なことは一切起こらない、ジュンとメリの2人がいろいろとそぞろ歩き、文学に関わる不思議な人に会ったり謎解きゲームしたりする話。 最初2人はませた小学生くらいに思っていたが、途中で20代だと判明した。付き合ってるのかどうかも不明。
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初めて読むジャンル。 独特な書き方に戸惑って、知らない言葉が多く携帯片手に読んでかなり時間がかかった。 でも、苦にはならずに楽しめました。
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メリとジュンの二人は詩に隠された謎に導かれてふわふわと都市を彷徨う。謎は解けたり解けなかったり。現実と詩歌のはざまをフラヌールする連続短篇集。 『エイリア綺譚集』収録の短篇「林檎料理」の連作化。「林檎料理」は好きな作品だったので、このスタイルを膨らませてくれたのが嬉しい。メリ...
メリとジュンの二人は詩に隠された謎に導かれてふわふわと都市を彷徨う。謎は解けたり解けなかったり。現実と詩歌のはざまをフラヌールする連続短篇集。 『エイリア綺譚集』収録の短篇「林檎料理」の連作化。「林檎料理」は好きな作品だったので、このスタイルを膨らませてくれたのが嬉しい。メリとジュンはめちゃくちゃなジャーゴンで話すのでときどき何の話をしているかわからないんだけど、周辺情報から推理してなんとなく何を指しているのかわかるようになる。そういう小説の読み方自体が詩歌を読む面白さにも通じていて、言葉をめぐって一つには定まりきらない解釈を楽しむのが「詩歌探偵」だ、というお話だと思う。 完成度ではやっぱり「林檎料理」が一番だと思うんだけど、新しいのだと「Dエクストラ」と「きの旅」が良かった。「Dエクストラ」は阿佐ヶ谷姉妹みたいな二人組に渡されたカードの謎を追ううちにヘビメタバンドと仲良くなって、みんなで一緒に天才少女が朗読するエミリ・ディキンスンに聞き入る話。『僕たちは歩かない』とか『サマーバケーションEP』のころの古川日出男みたいだった。「きの旅」はきのこ俳句・きのこ短歌を探してクトゥルフ的な世界に迷い込む話。『日々のきのこ』でしっかりファンタジーしていたところを与太にしてしまうズッコケ感が楽しい。 終盤、プラットル・プロジェクトまで話が広がると、私は少しノれなくなってしまった。そもそも「林檎料理」が好きだったのは、あくまで現実の都市を歩き現実の風景を描いていながら、詩を読んだメリとジュンのフィルターを通すとあの仕上がりになるというところだったので、現実側にファンタジーが持ってこられるとむしろ酩酊感がなくなって素面になってしまう。濃いキャラクターがたくさんでてきて、詩と現実の結節点としてのメリとジュンの役割も薄れてしまうように思った。でも二人のフラヌールに続きがあるならまた読みたい。
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