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こうしてイギリスから熊がいなくなりました 創元推理文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
| 発売年月日 | 2022/11/18 |
| JAN | 9784488594046 |
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こうしてイギリスから熊がいなくなりました
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こうしてイギリスから熊がいなくなりました
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商品レビュー
3.8
24件のお客様レビュー
ブラックユーモア溢れる、かつ悲哀を誘う熊たちの人生(熊生?)を描く大人のための童話といった印象。 フィクション作品だが、誰かにさも実際にあった話として語ってしまいそうなリアリティがあった。 所々にある挿絵も、不気味かつどこか可愛らしさのあって物語のムードを高めている。
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これは――おとぎ話なのか?痛烈な風刺なのか。どうとも捉えられそうな、イギリスと熊の物語8編。 言葉なき熊と取引めいたことをして、人間は心の安寧を得る。しかし、しょせんそれは異なる種族との取引。常識も前提も違う熊との間で、お互いに利がある取引なんてのはまやかしなのだと明らかになる。...
これは――おとぎ話なのか?痛烈な風刺なのか。どうとも捉えられそうな、イギリスと熊の物語8編。 言葉なき熊と取引めいたことをして、人間は心の安寧を得る。しかし、しょせんそれは異なる種族との取引。常識も前提も違う熊との間で、お互いに利がある取引なんてのはまやかしなのだと明らかになる。熊は知らず課された役割を、やはりそうとは知らぬまま放棄して、少しずつ人間社会から遠ざかっていく。そのさまが、人への皮肉や糾弾にみえる。 読み進めているうちに、熊が人にも思えてくるのがこの本の怖いところ。虐げられている人、支配されている人、社会の中で見えない存在とされている人たちを熊に仮託しているのではないか?ときに団結する、しかしたいがいは物も言わずうなだれて、その場を去ってゆくしかない人々を。 『下水熊』。"少年は、母親に手を引かれ、明るい陽だまりのほうに連れ戻されながら言った。「ねえ、さっき熊がたくさんいたの見た?」" 分断された、光と影。 そして影たる熊たちは、舟に乗り込んで外海へ出ていく。さながらユートピアを探し求める人々のように。 "何頭かが後ろを振り返り、冷たく残酷なイギリスに最後の一瞥をくれた。" ラストのここに至って、イギリスが"見捨てられた場所"に感じられ、いつのまにか視点が熊に寄っていることにはたと気づく。 哀しさ、さびしさ、あきらめの思いが、読後の心を揺らしている。
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英国人作家の寓話集で、イギリスで絶滅した熊に捧げる8篇からなります。個人的に英国文学は不案内ですが、いかにもな?皮肉とユーモアが満載の大人向けの短編集と感じました。 興味をもち手にする方への助言です。訳者の田内さんのあとがきに、本書に限って本編より先に読んでいただきたい、と...
英国人作家の寓話集で、イギリスで絶滅した熊に捧げる8篇からなります。個人的に英国文学は不案内ですが、いかにもな?皮肉とユーモアが満載の大人向けの短編集と感じました。 興味をもち手にする方への助言です。訳者の田内さんのあとがきに、本書に限って本編より先に読んでいただきたい、とありました。えー、読んじゃいましたよー! 仕方ありません…トホホ。イギリスの熊史を把握すると理解が進むんですね。 凶暴な熊と人間の長きに亘る格闘の結果…と勝手なイメージは、見事に裏切られました。8篇全て、熊たちの悲哀に満ちた声が聞こえてくるようです。 この時代の熊が、いかに人間に振り回されていたかが解ります。勝手に畏怖・崇拝され、道楽の対象にされ、虐げらるなど、酷い扱いを受けた事実が淡々と綴られます。 8篇がつながっているわけではありませんが、著者の熊への贖罪と哀悼の念という点で、どこか共鳴し合っているような不思議な印象をもちました。 また、階級社会につながる側面もあり、下級労働者や身寄りのない老人などへの冷遇が、熊の扱いの関係と似ているようです。 要所に挟まれる挿絵もなかなか味わい深く、独特な雰囲気が本書によく合い、私たちの想像の幅を広げてくれる気がしました。
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