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なめらかな社会とその敵 PICSY・分人民主主義・構成的社会契約論 ちくま学芸文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2022/10/13 |
JAN | 9784480511201 |
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なめらかな社会とその敵
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なめらかな社会とその敵
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人工物としての社会制度があり、そこに所有の概念がついてまわる。人々は、潜在意識下であるものに対して所有の概念を持つ。身体的システム、人間と環境、たとえば市場のような社会制度を概念化。権力とは、権力があると人々が信じることから生まれる自然発生的なものであると。そこから、個人、自由意...
人工物としての社会制度があり、そこに所有の概念がついてまわる。人々は、潜在意識下であるものに対して所有の概念を持つ。身体的システム、人間と環境、たとえば市場のような社会制度を概念化。権力とは、権力があると人々が信じることから生まれる自然発生的なものであると。そこから、個人、自由意志があるわけだが、行動に責任を取らせるような形を与える。ここで問題が生じたのは、原発事故である。誰の責任なのか、複雑性に支えられた社会は、筆者が主張する、膜という内と外の概念、核という小自由度による大自由度の制御、それを支える複雑な反応を持つネットワーク、これがインターネットである。これがなめらかな社会を形成する。 ミルグラムの実験では、隣の人の知り合いの知り合いを辿っていくと、5.5人で世界中の人にたどり着けるという結果をもたらした。スモールワールドとはまさにこういう社会である。フェイスブックのような巨大なネットワークサービスが30億人に達すると考えられている。なめらかなメッセージングと管理できない複雑性を複雑なまま受け入れる社会である。しかし、フェイスブックは、現在ロシアでも中国でも使えない。どんどんそーシャライズしていった結果、逆に民族、国家の独立性、閉鎖性を増している。 仮想通貨にも似たような、新しい社会通貨のようなものを提唱している。実際には、社会主義に近い概念で、日本的に受け入れやすい一方で、非常に難しい個々人の利益を最優先とした場合にコンフリが起きる。これがゲームの世界で起きている、インフレと同様に、価値と通貨のバランスを取れなくさせている。また、経済的価値をソーシャル的な価値においているが、実際には社会の価値とは非常に計りにくいものであるがために、価値創造プロセスに、社会的いいことを導入することはほぼ不可能である。 もう一つは、投票制度。こちらも批判すればいくらでもできるものの発想としては、非常に面白い。働くことの評価も、参加者全員の360度評価で決まる。そうなると、全員の利益にならない決断は受け入れにくいことになる。大衆的な意見に流されることで、素晴らしい直感的なアイデアは否定される恐れもある。しかし、偏執的な評価体系を持つ限り企業も組織も、誤った方向性にいくことを止められないのと、社会的な価値創造に判断が向かない個別事象の影響が大きくなるだろう。地球という規模でいいことをしていなければ是とはならない社会を作る必要があるという、非常に面白い考え方でもある。IndividualからDividual(分人)概念である。日本は実は、こうした感性が働いているので、非常にクリーンで、安全だ。この理由を外国人に説明するのが非常に難しい。組織のメリットを受けるという意味でも社会主義的な考え方との違いをもう少し理解しないといけないだろう。また、当然独裁制に移行する可能性を秘めているので、それ自体を悪いことととらないこともポイントになっている。実体的には分かりやすい民意を作り出してしまうことから、複雑性を逆に勘案しない、分かりやすい意見、他国は全て悪い、というような意見が大宗を占めるリスクがある。今の米国、イタリア、トルコ、などの選挙を見ていれば実現している状況は、本施策にとって非常に厳しいと言える。2050年に1.5度気温が上がるのを抑えようという取り組みは確実に無理だろう。こうした独裁国家にとって、これが地球を滅ぼすかもしれないことなんて、意に介さないだろうから。いずれにせよ、10年以上前の書物に、現代の状況からの反対意見を述べても意味はないので、前向きに考えていくことが大事だ。 最後に、改革を願って閉じた本だが、さらに2022年度の段階で追加された最終章がある。分断が進む世界、つまりなめらかな世界とは全く逆の方向に進む社会を見て、筆者としても思うところがあったようだ。情報技術をきちんと社会に適用させ、活用できなかったことを反省すべきとし、努力なくしてなめらかな社会はできないのだとある意味で投げ捨てジャーマン的な論調に持って行っている。個人的な感想としては、むしろ分断されていく、リージョナル、国、地方さえ良ければいいという非常にPoorな考え方、自己中心的な考え方を前提にすれば、人類が取るべき方法は、複雑性を大衆の中から受け止めていくというアプローチではなく、賢者の知恵を借りるということだったのかもしれない。自分自身との対話をしながら読み進められる本書は、社会を見る上での良書と言えるだろう。
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複雑な世界を複雑なまま生きることはいかにして可能か、という観点から、新しい貨幣・投票・社会制度の提案がされた本。 「自由とは、与えられた選択肢の中から選択することが可能であることでは決してなく、複雑なまま生きることが可能であることをいう」という文章が印象に残った。
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開始: 2024/7/1 終了: 2024/7/29 感想 つながり。新世紀エヴァンゲリオンに描かれる人類保管計画。なぜ最後に頓挫するのか。人は痛みを覚えても、確固たる他者と向き合いたいから。
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