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スピノザ 読む人の肖像 岩波新書1944
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2022/10/21 |
JAN | 9784004319443 |
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スピノザ
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商品レビュー
4.4
13件のお客様レビュー
伝記的事項から書き始められているので、初めは優しいが、思想的事項に内容が変わると、ついていくのしんどくなります。
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『はじめてのスピノザ―自由へのエチカ』(2020年、講談社現代新書)につづいて新書で刊行された、著者のスピノザ入門書です。 本書の前半では、『デカルトの哲学原理』や『知性改善論』などの検討を通して、スピノザの哲学研究の方法に焦点をあてた解説がおこなわれています。とくに、懐疑を哲...
『はじめてのスピノザ―自由へのエチカ』(2020年、講談社現代新書)につづいて新書で刊行された、著者のスピノザ入門書です。 本書の前半では、『デカルトの哲学原理』や『知性改善論』などの検討を通して、スピノザの哲学研究の方法に焦点をあてた解説がおこなわれています。とくに、懐疑を哲学的思索の出発点としたデカルトが、みずからを説得するようなしかたで神の存在証明を展開しているのに対して、スピノザは神についての観念を正しく形成することさえできれば神の存在にまつわる問題は解決すると考えていたことに目を向け、デカルトの方法が「分析的方法」でありスピノザの方法が「総合的方法」であるという整理がなされています。 後半では、『エチカ』や『神学・政治論』、『国家論』などの著作がとりあげられています。著者は、ドゥルーズのスピノザ解釈を参照しつつ、スピノザによる自由意志の否定の議論について考察をおこない、意志よりも欲望を人間の本質とするスピノザの立場が、意識によって完全に見通すことのできない多様な原因によってわれわれの行為が決定されているという主張に通じていることを明らかにします。さらに著者は、こうしたスピノザの倫理学とそれにもとづく国家論が、同時代の社会契約論に対してどのような関係にあったのかということについて、立ち入った考察を展開しています。 前著『はじめてのスピノザ』が、スピノザの思想を現代において読む意義について明快に語った入門書であったのに対して、本書は前著の解釈を踏襲しながら、スピノザの思想の全体像にせまることをめざした本ということができるように思います。
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「エチカ」を中心とし、それ以外の著書も解説しつつ、スピノザの哲学を肌感覚でも理解できるように書かれています。単にその著書の中身の解説というだけではなく、それが書かれた時代背景や、スピノザの置かれた状況も考えを伸ばし、その著書が書かれた順番にもできるだけ忠実に合わせて読解するように...
「エチカ」を中心とし、それ以外の著書も解説しつつ、スピノザの哲学を肌感覚でも理解できるように書かれています。単にその著書の中身の解説というだけではなく、それが書かれた時代背景や、スピノザの置かれた状況も考えを伸ばし、その著書が書かれた順番にもできるだけ忠実に合わせて読解するようにされています。それにより、スピノザが言いたかったこと、書くという限界を超えた部分で到達したかった部分にまで考えを伸ばしていくことができます。そこからスピノザの書物を単に読むだけではなく、そこから何を成したかったのか、その課題が現代における私達に投げかけるもの、そして私達がその哲学を継承することから目指すものが見えてきます。まさに生きる哲学を本書から感じることができるものとなっています。 スピノザの哲学の難解な部分が、なぜ難解なのか。それは現代の私達の認識を一度捨てなければ理解できない部分があるということ。しかしそれが為せると当然に出てくる明快な結論であること。ゆえに理解が進むと世界に対する新しい見え方が出来るようになること。そこから私達の生き方について、倫理についての考えを知ることができます。そのスピノザの考えを、現代の私達に伝える著者の努力が伝ってくる内容となっています。
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