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スピノザ
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スピノザ
¥1,408
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商品レビュー
4.4
14件のお客様レビュー
スピノザの集大成であるエチカを読み解くための前提と,その前提を踏まえた上でのエチカの解釈がまとめられる.考えに考え,突き詰めることを説く一方で,その考える行為が実は自由意志の元で行われているのではないのではないか,という考えることへの疑問にまで到達する.つまり,デカルトの我思う故...
スピノザの集大成であるエチカを読み解くための前提と,その前提を踏まえた上でのエチカの解釈がまとめられる.考えに考え,突き詰めることを説く一方で,その考える行為が実は自由意志の元で行われているのではないのではないか,という考えることへの疑問にまで到達する.つまり,デカルトの我思う故に我在りの否定から新たな思考の出発点を築いたのかも知れない.一度読んで判るものではないし,一冊読んで判るものでもない.
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伝記的事項から書き始められているので、初めは優しいが、思想的事項に内容が変わると、ついていくのしんどくなります。
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『はじめてのスピノザ―自由へのエチカ』(2020年、講談社現代新書)につづいて新書で刊行された、著者のスピノザ入門書です。 本書の前半では、『デカルトの哲学原理』や『知性改善論』などの検討を通して、スピノザの哲学研究の方法に焦点をあてた解説がおこなわれています。とくに、懐疑を哲...
『はじめてのスピノザ―自由へのエチカ』(2020年、講談社現代新書)につづいて新書で刊行された、著者のスピノザ入門書です。 本書の前半では、『デカルトの哲学原理』や『知性改善論』などの検討を通して、スピノザの哲学研究の方法に焦点をあてた解説がおこなわれています。とくに、懐疑を哲学的思索の出発点としたデカルトが、みずからを説得するようなしかたで神の存在証明を展開しているのに対して、スピノザは神についての観念を正しく形成することさえできれば神の存在にまつわる問題は解決すると考えていたことに目を向け、デカルトの方法が「分析的方法」でありスピノザの方法が「総合的方法」であるという整理がなされています。 後半では、『エチカ』や『神学・政治論』、『国家論』などの著作がとりあげられています。著者は、ドゥルーズのスピノザ解釈を参照しつつ、スピノザによる自由意志の否定の議論について考察をおこない、意志よりも欲望を人間の本質とするスピノザの立場が、意識によって完全に見通すことのできない多様な原因によってわれわれの行為が決定されているという主張に通じていることを明らかにします。さらに著者は、こうしたスピノザの倫理学とそれにもとづく国家論が、同時代の社会契約論に対してどのような関係にあったのかということについて、立ち入った考察を展開しています。 前著『はじめてのスピノザ』が、スピノザの思想を現代において読む意義について明快に語った入門書であったのに対して、本書は前著の解釈を踏襲しながら、スピノザの思想の全体像にせまることをめざした本ということができるように思います。
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