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格差の起源 なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか
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格差の起源 なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか

オデッド・ガロー(著者), 森内薫(訳者), 柴田裕之(監訳)

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格差の起源 なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 NHK出版
発売年月日 2022/09/27
JAN 9784140819111

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格差の起源

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商品レビュー

3.8

22件のお客様レビュー

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2025/01/19

格差の起源をここまで歴史的および地理的に掘り下げた本は他にはないだろう。著者の凄まじい執念に頭が下がりました。

Posted by ブクログ

2024/12/31

比較するから、格差が可視化される。 当たり前のトートロジーだが、文明が思い思いに発展する過程で「格差がない」方が難しい。交じり合う事により差が見えて、その差を互いに利用し合う動機が生まれる事で比較優位、国同士の強弱の関係性が用いられる。本書は、その強弱の関係性が何に起因するのかを...

比較するから、格差が可視化される。 当たり前のトートロジーだが、文明が思い思いに発展する過程で「格差がない」方が難しい。交じり合う事により差が見えて、その差を互いに利用し合う動機が生まれる事で比較優位、国同士の強弱の関係性が用いられる。本書は、その強弱の関係性が何に起因するのかを探る。 本書は、強い方の理由に着目する所から始まる。前段としてマルサスの人口論における生産性の成長速度に対する人口増大の限界を引き、それを突破する事が強者の条件を満たす事を説明する。技術の発展が人口増加を持続させ、人口増加が技術を発展させるという好サイクルが必要だった。しかし、技術の進歩と土地の生産性の高さはたいてい人口増加を招くだけで、生活の豊かさにはつながらなかった。 ー ホモ・サピエンスの出現から30万年近く、1人当たりの所得が生存に最低限必要な水準を超えることはほとんどなく、疫病や飢催が多発し、乳児の4人に1人は1歳の誕生日を迎えられず、多くの女性が出産時に命を落とし、平均寿命が40年を超えるのはまれだった。ところがその後、すでに述べたように、西ヨーロッパと北アメリカではさまざまな社会層で突如、生活水準が急速に未曽有の向上を始め、続いて世界のほかの地域でも同様の現象が起きた。驚くべきことに、19世紀の初め以降、長かったマルサス時代に比べればまさに一瞬のうちに、世界全体で1人当たりの所得は14倍に急上昇し、平均寿命は2倍以上になったのだ。人類はどのようにして、マルサス説が想定している力の支配からついに抜け出すことができたのだろうか。 数々の技術革新や教育の普及がシンギュラリティを起こす。化学肥料による収穫量向上だけではなく、蒸気機関による生産性の向上や移動時間の短縮、医療向上、コンテナの規格化などもそうだ。こうした技術により19世紀以後、飛躍的にヨーロッパや北アメリカは発展する。 2018年の農業従事者1人当たりの生産性で比べると、アメリカはエチオピアのほぼ147倍、ウガンダの90倍、ケニアの77倍、インドの46倍、ボリビアの48倍、中国の22倍、ブラジルの6倍。他方で、こうした技術の恩恵から置き去りの国はまだまだ多い。 こうした格差の理由として、勤労意欲における文化の違いとその宗教的背景についても触れる。あるいは政治制度の違い。更には、気温も湿度の影響、それによるツェツェバエやマラリアが人的資本を衰えさせたという説。 『国家はなぜ衰退するのか』を引用しながら、収奪的制度の弊害を説明するが、グローバルサウス問題に対しては触れない。格差には先進国に責任があるという議論は単純化し過ぎていると思うし、繁栄という物質主義的な価値観の押し付けも誤りだと思う。しかし、移民問題や資源獲得に絡む人権問題等に関し、格差とどう付き合うかが先進国に問われている事は間違いなさそうだ。

Posted by ブクログ

2024/10/01

ー 人類の旅は、魅惑的なエピソードに富んでいる。ディテールの大海原に漂い、波にもまれていると、水面下の強力な流れはつい見過ごしてしまう。本書の第1部では、これらの底流、つまり技術の進歩と人口の規模や構成との相互作用に焦点を当ててきた。こうした力が人類の発展―脳の進化、農業革命と産...

ー 人類の旅は、魅惑的なエピソードに富んでいる。ディテールの大海原に漂い、波にもまれていると、水面下の強力な流れはつい見過ごしてしまう。本書の第1部では、これらの底流、つまり技術の進歩と人口の規模や構成との相互作用に焦点を当ててきた。こうした力が人類の発展―脳の進化、農業革命と産業革命という二つの重大な革命、人的資本への投資の増加と人口転換など、私たちを地球上でもっとも有力な種にした主な出来事にどんな貢献をしたかを把握せずに人類の歴史を理解するのは、事実上不可能だ。 これらの底流はすべてを統合する概念の枠組みを提供し、人類の旅を理解する明確な軸を与えてくれる。それがなければ、人類の発展の歴史は単に事実を年代順に羅列した一覧になってしまい、文明が栄えては滅ぶことを繰り返す不可解な光景が広がるばかりだろう。 そうは言うものの、生活水準はどこでも同じように改善したわけでもなければ、向上の速さが一つに決まっていたわけでもない。それどころか、現代の人類の状況は、世界の人々の生活水準が主として出生地に左右されるという点で過去に例を見ない。現代の国家や地域のあいだに存在する貧富の巨大な差の根本原因は、何なのだろう? 人間の社会はみな、それぞれ発生した場所の歴史と地理の制約を受け続けざるを得ないのか? 現在の格差は、おおむね起こるべくして起こったのか、あるいは偶然だったのか? 深く根づいた制度や文化や社会の特性は、国家間の豊かさの相違が生まれる過程で、どのような役割を果たしたのだろうか? ー 「歴史の準自然実験」の論証の正当性は詳しくは学んでいないので分からないが、第一部の“何が成長をもたらしたのか”、は刺激的で面白かった。 第二部の“なぜ格差が生じたのか”、はうまくはぐらかされている感じがした。何故かはここでは議論しないが、未来志向、教育、技術革新、男女平等、多元主義、ダイバーシティが普遍的な繁栄のカギ、というのが結論のようだ。 ん〜、結論の前までは良かったのに、結論の後に、未来は明るい、気候変動も何とかなる、我々は解決出来る、と結ばれると、急に胡散臭くなる。 これは彼のマルサスへの評価と同じで、過去はうまく説明出来たが、未来予想はイケてなかった、と同じような気がした。

Posted by ブクログ