1,800円以上の注文で送料無料

煉獄の時
  • 中古
  • 書籍
  • 書籍

煉獄の時

笠井潔(著者)

追加する に追加する

煉獄の時

定価 ¥3,520

1,375 定価より2,145円(60%)おトク

獲得ポイント12P

残り1点 ご注文はお早めに

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2022/09/26
JAN 9784163915999

煉獄の時

¥1,375

残り1点
ご注文はお早めに

カートに追加するカートにいれる

商品レビュー

4.6

10件のお客様レビュー

レビューを投稿

2023/08/30

矢吹駆シリーズ。セーヌ川に浮かぶ船で発見された女性の首なし死体には、奇妙な装飾がなされていた。そして目撃者によりその船は犯行当時密室に近いものだったことが判明する。事件を捜査するうちに、39年前に起こった首なし死体事件との関連も見え、しかし事件はさらに混迷へ。現象学、哲学等も交え...

矢吹駆シリーズ。セーヌ川に浮かぶ船で発見された女性の首なし死体には、奇妙な装飾がなされていた。そして目撃者によりその船は犯行当時密室に近いものだったことが判明する。事件を捜査するうちに、39年前に起こった首なし死体事件との関連も見え、しかし事件はさらに混迷へ。現象学、哲学等も交え、質量ともに重厚なミステリです。 現代(とはいえ1978年ですが)と過去との繋がりが徐々に見えてくるところが読みどころではあるのですが。しかし繋がりが見えるほどにわからなくなってくる部分も多くて、頭がぐるぐるしてきます。「無頭女」を巡る解釈、クロエと名乗る女の正体、そして事件の動機。考えるほどに分からない……って思っているのは私だけじゃないよね。船の事件におけるナディアの推理、ちょっと近いことを考えてしまったり……さすがにそれはなかったか。 過去パートは大きな二つの大戦の狭間ということもあり、暗澹としつつも刺激的な情勢にハラハラさせられます。もちろん、現在が平和な時代だからこそこのような物語も楽しめるのですけれどね……。 今回も暗躍するイリイチの影、過去の事件から繋がる因縁(ああでも過去作をかなり忘れてしまっている)、シリーズファンにも読みどころはたくさんです。読み終えた後の充足感が半端ありません。

Posted by ブクログ

2023/06/23

重厚長大という言葉がぴったりの本。 全部理解するのは困難(というか、話の筋をおさえるのも大変)だけど、細かい伏線をしっかり回収していてある種の爽快さはある。 本題からは少しずれるが、主人公は今で言うところのアセクシュアル、アロマンティックな人。このシリーズが最初に出たのは1979...

重厚長大という言葉がぴったりの本。 全部理解するのは困難(というか、話の筋をおさえるのも大変)だけど、細かい伏線をしっかり回収していてある種の爽快さはある。 本題からは少しずれるが、主人公は今で言うところのアセクシュアル、アロマンティックな人。このシリーズが最初に出たのは1979年とのことなので、先見の明があったというか、ちょっと驚き。

Posted by ブクログ

2023/06/15

幼少時の全能感を段階的に去勢していくことで 人間は社会性を身につけていく というのが、精神分析の考え方であるが 人間の考えなんてのはだいたい逆説から逃れられないもんで 徹底した去勢こそ、未だ見ぬ新人類への道だという そういう発想も出てきてしまうわけなんだ その背景には、新しい神と...

幼少時の全能感を段階的に去勢していくことで 人間は社会性を身につけていく というのが、精神分析の考え方であるが 人間の考えなんてのはだいたい逆説から逃れられないもんで 徹底した去勢こそ、未だ見ぬ新人類への道だという そういう発想も出てきてしまうわけなんだ その背景には、新しい神と古代の神の対立の図式がある つまり、割礼を要求する新しい神と 生贄を要求する古代の神の対立である してみると、ニーチェの言った超人というのは むしろ近代から中世をすっとばして 一気に古代へと逆行する存在なのかもしれない これは古代神が仕掛けた時限式の陰謀だ ギリシア悲劇というのも要するに 間をつなぐための生贄の代替物であったような気がする しかしながら、もはや神は死んだと言われる時代に 生贄を捧げる相手はいない だから現代のそれは単に相対化されて 切り捨てられ、忘れさられる存在にすぎなかった 超人への道とは、かように非人間的なもので かつて神に抗ったタイプの人々が いまやふたたび神を見出そうとするのも無理のない話だった 矢吹駆の宿敵とされるニコライ・イリイチ・モルチャノフなどは 聖書に書き加えられることのない最後の預言者を 目指しているのかもしれない それは仏教的な「消滅」という観念の簒奪・剥奪でもあろう タイトルにある「煉獄」とは 「哲学者の密室」に書かれたコフカ収容所での出来事を指し その他、過去の事件関係者が深く絡んでくる作品でもあるため シリーズ未読者にはあまりオススメできない クレールとサルトルがよく似た別人であることは 「バイバイ、エンジェル」を読むとわかる

Posted by ブクログ

関連商品

同じジャンルのおすすめ商品

最近チェックした商品