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神様の暇つぶし 文春文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
| 発売年月日 | 2022/07/06 |
| JAN | 9784167919054 |

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神様の暇つぶし
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商品レビュー
4
220件のお客様レビュー
恋愛なんて似合わないと一歩引いてる女子大生・藤子が30歳年上の写真家の男性・全と出会うお話。 肉感が強い文章が作中の夏という季節感と相まって湿度高く生々しい。 描写がビビッドすぎて苦しく感じる部分もあった。 もっと暑い時期に読みたかったような気もするけど、そしたらより生々しさは...
恋愛なんて似合わないと一歩引いてる女子大生・藤子が30歳年上の写真家の男性・全と出会うお話。 肉感が強い文章が作中の夏という季節感と相まって湿度高く生々しい。 描写がビビッドすぎて苦しく感じる部分もあった。 もっと暑い時期に読みたかったような気もするけど、そしたらより生々しさは増したかもしれない。 食欲旺盛な藤子の食事シーンがムシャムシャ食べてて気持ちよくて、生きてるー!って感じ。 全さんは高い場所から下を見たときのように吸い寄せられるような魅力がある。 全という名前にも何か意味を求めたくなるような人。 生と死、ふたつの命の対比が美しい。
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恋愛は年齢、性別に関係なく好きになってしまったらズブズブに溺れる。もうその人に出会う前の自分には戻れない。勝手に傷ついて、盛り上がって、一喜一憂する感覚が鮮明に伝わった。 好きだから離れる。離れられた方からしたら悲しいけど好きだからこそ離れた側はもっと苦しかったりするのかも。
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たぶん、千早さんの小説をちゃんと読むのは初めて。 読み始めた瞬間から、文章に呑まれる感覚。文章というか、文章が漂わせる空気に。 夏の烈しい彩度、青空と入道雲の、目を刺すほどのコントラスト。けれども視線は上を向かず、灼熱のアスファルトに張り付いた、黒々とした影に落ちる。途方もな...
たぶん、千早さんの小説をちゃんと読むのは初めて。 読み始めた瞬間から、文章に呑まれる感覚。文章というか、文章が漂わせる空気に。 夏の烈しい彩度、青空と入道雲の、目を刺すほどのコントラスト。けれども視線は上を向かず、灼熱のアスファルトに張り付いた、黒々とした影に落ちる。途方もない絶望と痛み。 そんな小説だと思った。 ものを食べるシーンが多い。藤子がずっとお腹をすかせていたことを示唆しているように思えた。飢えて、求めていた。 山で桃を食べた時の藤子の欲求は官能的に描写されていて、むきだしの本能を垣間見た気がした。 ふたりとも、生を渇望していたのだと思う。 里見がとても良い存在だと思った。達観した上で寄り添っているのと、何も考えていないのと。その中間くらいの存在感が心地よかった。 敵でも味方でもなく、緩衝帯のような。 このひとの結末が一番メンタルにきた。 写真家・石内都氏の解説。 レンズをのぞく事の原初的な欲望は男の方が強いかもしれない。 というところが興味深かった。
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