1,800円以上の注文で送料無料

神様の暇つぶし の商品レビュー

4

78件のお客様レビュー

  1. 5つ

    27

  2. 4つ

    24

  3. 3つ

    21

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/09/22

藤子の全さんとの思い出がとにかく切ない。あり得ない設定だなと思いながら読み終わったあとに感動してしまうのはやはり千早茜さんだからこその作品だなと思う。タイトルにある神様が誰を指すのか、全さんでも藤子でも、そして亡くなっている藤子の父親でも読み事ができるかなと思った。

Posted byブクログ

2024/09/17

藤子は背が高く、女子校時代には男性役を求められることもしばしば。過去の経験から恋愛には奥手。親子ほどに歳の離れた男、全に徐々に惹かれていく話。内容が内容なので、好みが分かれるとは思うが千早茜の優れた筆致を楽しめる一冊。桃に丸ごと齧り付くシーンが好き。 そしてめっちゃ年上なんだけど...

藤子は背が高く、女子校時代には男性役を求められることもしばしば。過去の経験から恋愛には奥手。親子ほどに歳の離れた男、全に徐々に惹かれていく話。内容が内容なので、好みが分かれるとは思うが千早茜の優れた筆致を楽しめる一冊。桃に丸ごと齧り付くシーンが好き。 そしてめっちゃ年上なんだけど大人の色気を感じさせる全のキャラクターよ〜〜かっこいいんだまた。こういう男はダメ、沼だと分かっていてもズブズブはまってしまう感じ恐ろしい。そして一生消えない印を残していなくなってしまう予感がするのにど〜しても好きになってしまう主人公に共感できた。 実らなかった恋は意味のないものなのか、時間の無駄だったのか。いや、そんなことはない。たとえ実らなくても、相手を想って過ごした時間は自分にとって意味があり、豊かにしてくれた……と思いたい

Posted byブクログ

2024/09/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読了するまでは、神様=全さんで、全さんの女遊びという暇つぶしの話かと思っていたけど、最後まで読むと神様=藤子で、きっと今の藤子にとって全さんとのあれこれはとても大きな影響のあるものだったけど、この先の人生の数あるなかの1つの暇つぶしでしかないのかな?と考えることも出来て、凄いタイトルだな。と感じた

Posted byブクログ

2024/09/14

主人公が父親より年上の男性と会って恋に落ちてからその終わりまでが見事で一気に読んだ。 恋をして周りが見えなくなって盲目になる感じああわかる、リアルだなと思いながら読んでいた。 残暑が厳しい季節に読んだが、夏の季節感や空気感の描写も克明でこの時期に読んで良かったなと思った。一夏の恋...

主人公が父親より年上の男性と会って恋に落ちてからその終わりまでが見事で一気に読んだ。 恋をして周りが見えなくなって盲目になる感じああわかる、リアルだなと思いながら読んでいた。 残暑が厳しい季節に読んだが、夏の季節感や空気感の描写も克明でこの時期に読んで良かったなと思った。一夏の恋。

Posted byブクログ

2024/08/14

再読。ハードカバーで読んだので、文庫化は初。 全然覚えていないものですね。 でも、主人公の名前とこの濃密さは覚えていました。 男性視点では、もてる才というか自分には全くない色気を感じますし、女性視点ではある存在に影響されどんどん変化していく様子にため息をつきたくなるような、そんな...

再読。ハードカバーで読んだので、文庫化は初。 全然覚えていないものですね。 でも、主人公の名前とこの濃密さは覚えていました。 男性視点では、もてる才というか自分には全くない色気を感じますし、女性視点ではある存在に影響されどんどん変化していく様子にため息をつきたくなるような、そんな切ない時間を過ごす事ができました。 暑い夏に、またいつか読み返したい。

Posted byブクログ

2024/07/25

コンプレックスから恋を知らなかった主人公が、父より年上の男と暇つぶしとも言える短い時間を共にし、沼っていく様をリアルに描いていた。 ーみんな自分の恋愛だけが綺麗なんだよ。 というフレーズはめっちゃめっちゃ刺さる。 だからこそ、他人の恋愛には口を出せるし、簡単に忘れることも出来るの...

コンプレックスから恋を知らなかった主人公が、父より年上の男と暇つぶしとも言える短い時間を共にし、沼っていく様をリアルに描いていた。 ーみんな自分の恋愛だけが綺麗なんだよ。 というフレーズはめっちゃめっちゃ刺さる。 だからこそ、他人の恋愛には口を出せるし、簡単に忘れることも出来るのに、自分のことになると綺麗な思い出にしておきたくて正当化しておきたくて、頭から消えることがない。 深い。

Posted byブクログ

2024/05/27

かなり重かったけど文章が綺麗で読みやすかった。 写真や食べ物の描写がリアルで自分で実物をみているような気分になります。 全さんの沼な感じ好きだな〜

Posted byブクログ

2024/05/13

 千早茜さんの小説には、いつも濃密な空気が漂っている気がします。湿気、人や物などの匂い、肌触りの温度や質感など、五感に訴える描写が生々しく迫ってくる印象を受けます。  本作は、20歳の女子大生・藤子と親子ほど歳の離れたカメラマン・全との関係を描いており、上述の表現も含め多くの歪...

 千早茜さんの小説には、いつも濃密な空気が漂っている気がします。湿気、人や物などの匂い、肌触りの温度や質感など、五感に訴える描写が生々しく迫ってくる印象を受けます。  本作は、20歳の女子大生・藤子と親子ほど歳の離れたカメラマン・全との関係を描いており、上述の表現も含め多くの歪さが見て取れます。加えて、人間の本能に関わる「性」「食」が根幹をなし、おそらくそれが故に、生理的に受け入れられるか否か、賛否の分かれる作品なのかなと思いました。  個人的には、読後の不思議な余韻が長く尾を引く物語だと感じました。相手に抱く「神様」の想いが、お互いさまだったのかと後で気づきます。ひと夏の記憶を、純度の高い濾過された写真だけでなく、こぼれ落ちそうな醜い記憶も全て脳裏に刻み込もうとする藤子の姿に、2人のみが知る(他者の介入を拒む)光と闇を呑み込む世界を見た気がします。  タイトルの「神様」と表紙写真の2個の林檎が、「禁断の果実」のメタファーであることは明らかですね。手にしてはいけない、禁じられるほどに魅力が増し、欲望の対象になったお互いの関係‥。  物語は、出会った頃と今を行き来しつつ回顧する展開ですが、互いの中に「神様」を見出す関係性は、いろいろな解釈が可能だろうなと思いました。  それら全てを俯瞰して見ている千早さんを感じます。これこそ、千早さんの真骨頂でしょうね。

Posted byブクログ

2024/04/30

あの人に溺れてたのだと後になって気づいた…というような濃密な物語 残酷というかホントに悪い男だ 酷い奴、だけど惹かれてしまうのはどうしようもないこと 解説にもあったが、食事をする描写が多いしとてもそそられる

Posted byブクログ

2024/04/28

「人に沼る」ということを丁寧に描いている物語。 今まであまり写真には興味がなかったが、世に知れているカメラマンの写真集を見てみたいと思ったし、自分も写真を撮ってみたいと思った。 千早茜さんの他の作品も読みたいと思った。

Posted byブクログ