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筆のみが知る 幽霊絵師 火狂
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筆のみが知る 幽霊絵師 火狂

近藤史恵(著者)

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筆のみが知る 幽霊絵師 火狂

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 KADOKAWA
発売年月日 2022/06/30
JAN 9784041117323

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商品レビュー

3.7

45件のお客様レビュー

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2024/05/09

火狂という画号の有名絵師の興四郎が、料理屋の "しの田"に居候するところから物語が始まる。 興四郎は幽霊の絵を描く。その絵を見たいのと 興四郎に興味がある料理屋の一人娘の真阿。興四郎の部屋に行くようになるのだけど、この二人のやり取りが好きだな。興四郎は真阿を子供扱いをせずに 一人...

火狂という画号の有名絵師の興四郎が、料理屋の "しの田"に居候するところから物語が始まる。 興四郎は幽霊の絵を描く。その絵を見たいのと 興四郎に興味がある料理屋の一人娘の真阿。興四郎の部屋に行くようになるのだけど、この二人のやり取りが好きだな。興四郎は真阿を子供扱いをせずに 一人の人間として接する。真阿にとっては興四郎は 頼りになるお兄さんみたいな感じかな。興四郎の おかげで世界が広がって嬉しかったのではないかと思う。 幽霊の絵を描くということで、絵が原因で怪奇現象がおきる。絵師が一筆一筆魂を込めて描いた絵は、 なにかが宿ってしまうのだろう。そういう絵が 不思議と、興四郎のところに来る。もともと霊感があるせいなのかもしれないけど。 真阿はその影響なのか、そういう性質なのか絵に 関係する夢を見るようになる。で、この二人が絵と 怪異の謎を解いていく。短編集で一話一話が謎を解いてスッキリという結末ではない気がする。 私はスッキリして終わるのが好きなんだけど、 この作品はモヤっとする終わり方がいいのかも。 どの絵も物悲しいから。物悲しい余韻に浸るのもいいかなと思う。 読み終わり、幽霊の絵や絵が原因の怪奇現象より、 生きてる人間の悪行のほうが怖いと思った。 怪奇現象は伝えたい事があって起こってる。 「そいつが悪い奴」と教えてるだけ。そんな絵たちの思いがただ哀しい。 続編があればいいのにと思う。興四郎と真阿を 見守っていきたいな。真阿の絵と裁縫が上達するかが気になる。

Posted by ブクログ

2024/05/06

短編の集まりでプロローグ、エピローグを追加されて一冊の本になってる。 荒波の帰路で小舟の絵と帰りたいという声の聞こえる夢が、ラストぞくーっとした。鳥肌立つ怖さ。 そこまで怖くないんだけど、背筋がゾクゾクってくる感じ。 表紙の絵がとてもいいです。絵師の話に相応しいイメージ。

Posted by ブクログ

2024/03/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白かった。抑えた筆致で書かれているので、全体的に「静」を感じる物語だ。 大きな料理屋の一人娘で14歳になる真阿と、居候で幽霊絵師の火狂こと興四郎。この2人の関係性がとても良い。興四郎は、居候先の一人娘として遠慮しつつも、真阿を子ども扱いせず、真摯に向き合う。真阿はお嬢様だけど、病気の為に長く生きられないと達観していて、それでも好奇心旺盛で興四郎にもぐいぐいいく様は小気味いい。 興四郎の描く絵、おそらくはこの世のものでないものが見えている興四郎と真阿、真阿が見る不思議な夢。これらが絡み合って、絵を巡る謎が解き明かされていく。ほとんどが悲しい話ではあるけど、その過程で、真阿の世界は少しづつ広がり、成長していく。そして、真阿を巡る真実も明かされ、読者の私は憤慨し、安心するのだ。 短編の中で、「悲しまない男」が、いちばんグッときた。唯一のハッピーエンドと言っていい話。 興四郎と真阿の、意外な繋がりも明かされた最終話も切なくて、親の立場として胸が痛くなる話だった。そして、真阿の実の両親!娘が心配で仕方ないんだな、と、ちょっとほっこりする。 続編を期待!!

Posted by ブクログ

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