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終戦日記一九四五 岩波文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2022/06/17 |
JAN | 9784003247129 |
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終戦日記一九四五
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商品レビュー
4.2
7件のお客様レビュー
初刷には高橋健二訳にあるグデーリアンの発言から「彼はその一つを朗読した」を落としているが「青い本」こと「ケストナーの戦争日記」には該当個所がないので邦訳者は「青い本」に引きずられて見落としたらしい。担当編集者にしてもドイツ語が分からなかったら高橋健二訳を参照しなかったのだろうか?...
初刷には高橋健二訳にあるグデーリアンの発言から「彼はその一つを朗読した」を落としているが「青い本」こと「ケストナーの戦争日記」には該当個所がないので邦訳者は「青い本」に引きずられて見落としたらしい。担当編集者にしてもドイツ語が分からなかったら高橋健二訳を参照しなかったのだろうか?この本は「青い本」の邦訳ではなく1961年に刊行された「終戦日記」の邦訳なのだから。 ここで分かるように「終戦日記」とはケストナーが「青い本」で書いたグデーリアンの発言にも加筆した上で元々何も書かれていない軍人達を批判した文章も加筆しているので「青い本」から1945年の日記をそのまま刊行したわけではなく「青い本」こと「戦争日記」を元にした日記体の実録のようなものだと思った方が良さそうだ。特におやっと?思ったのは「終戦日記」の党の機関紙に掲載した記事を書いた「カール=ハインツ・シュトックハウゼン少尉」では作曲家と同姓同名だが「戦争日記」では「カール=ハインツ・ホルツハウゼン少尉」とある個所。 こういうところでグデーリアンの邦題「電撃戦」で本人が言及している宣伝省次官ヴェルナー・ナウマンから「ゲッベルスの命を受け、内外の新聞にソ連軍のやり方について談話を発表し、その残虐行為を非難するように私に依頼してきた」ので「三月六日に、私はその依頼に応じたのであるが、騎士道に訴えてドイツ民衆の苦痛を軽減させるための試みをしてみようとも思った」と書いた中にはケストナーが言及している「「ガス室といった悪魔のかまどなど病んだ空想の産物」であり、ロシア侵攻中まったく気づかなかったという」など一言も書いていないのが分かる。確かにグデーリアンがモスクワ戦で罷免された時点ではガス室はまだ本格稼働する前なので「まったく気づかなかったという」のは本当かもしれない。そうなるとグデーリアンは「ガス室といった悪魔のかまどなど病んだ空想の産物」の稼働時期について、ある程度知っている事になるのでヒムラーの「生存中には、私は何も知らなかった」とか「現に、私自身がそれを知りえたのは、第三帝国崩壊以後のことであった」とか書いているのはダイペンホーフの取得を書いた個所と同じで嘘という事になる。ダイペンホーフの取得の真相はシュタールベルクの回想録が刊行されるまで分からなかっただろうが、邦題「電撃戦」を訳した本郷健大佐と刊行したフジ出版社と再版した中央公論新社の担当編集者は既に邦訳が刊行されていた「ケストナーの終戦日記」を知らなかったのでグデーリアンの嘘に気がつかなかった事になる。「戦車将軍グデーリアン」でグデーリアンの談話を触れていない大木毅も同じ。
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敗戦色濃い祖国で、亡命せずに過ごしていたケストナー。ケストナーの『こわれた時代』のあとに読んだ。書くことを止められた作家がどんな生活を送っていたのか。どんな噂を聞き、どんなものを見て、何を感じていたのか。何故、祖国に留まったのか? 『1945年を銘記せよ』
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
描写が鮮やかで、「偽物映画を撮っている滑稽な絵面」も含め、全体が映画のように頭に浮かんだ。 ツィラータール鉄道の終着駅、マイヤーホーフェンはいつかTVで見たように思う。 金色の草原に立ち、眉をひそめてこちらを見送るケストナーを、列車の窓から見ているような読後感である。
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