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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2022/05/27 |
JAN | 9784101002446 |
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雪国
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商品レビュー
3.5
50件のお客様レビュー
川の水面でもみているかのようだ 実態がなくただそこを流れていき、純粋で美しい なめらかで潤っていて優しく、冷たい ただ全ての出来事が起こるべくして起こっていき、そこに驚きはない その川の流れの一部に読者もなっている 情景や事物の動作の描写は美しく正確で、多くが共感できた。 それ...
川の水面でもみているかのようだ 実態がなくただそこを流れていき、純粋で美しい なめらかで潤っていて優しく、冷たい ただ全ての出来事が起こるべくして起こっていき、そこに驚きはない その川の流れの一部に読者もなっている 情景や事物の動作の描写は美しく正確で、多くが共感できた。 それでいて肝心に思われるところや、時系の感覚は曖昧な形を残しておくことで小説としての自由さを保っている あくまでも描写しているだけではない 美しかった、鮮明にシーンが映されていくのが心地よかった やっと小説の読み方を心得たのかもしれない 良い映画を見たときのような気持ちを持てた
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本当に月並みな感想を述べさせてもらうなら、これまで読んだどの文学作品よりも「美しい文学」だと思った。確かに現代の感覚では理解がし難い描写や、ヒロインが芸者という日常馴染みのない人物であるので難解に感じるが、何度も読み返せば読み返すほど行間に閉じ込められた官能や切なさを味わえるよう...
本当に月並みな感想を述べさせてもらうなら、これまで読んだどの文学作品よりも「美しい文学」だと思った。確かに現代の感覚では理解がし難い描写や、ヒロインが芸者という日常馴染みのない人物であるので難解に感じるが、何度も読み返せば読み返すほど行間に閉じ込められた官能や切なさを味わえるようになっている。だから時間をおいてもう一度、二度、三度読みたい。そう思った。
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自分は九州出身なので、“雪国”ってだけで静謐な異界に突入した気分ですが、雪国出身の人だと感じ方が違うのかな?でもトンネル抜けちゃったりすると、そこはもう異界ですね。 前半では「川端康成って歳とっただけで、やってることは伊豆の踊り子の頃と変わんないじゃん」と言う身も蓋もない感想が...
自分は九州出身なので、“雪国”ってだけで静謐な異界に突入した気分ですが、雪国出身の人だと感じ方が違うのかな?でもトンネル抜けちゃったりすると、そこはもう異界ですね。 前半では「川端康成って歳とっただけで、やってることは伊豆の踊り子の頃と変わんないじゃん」と言う身も蓋もない感想が頭を過ります。大人になってズルく図太くなっていますね。時代性なのか主人公の出自によるものなのか、鈍感な一面は相変わらずです。一方で駒子にはある種の純粋さも垣間見えます。駒子に見送られて雪国を離れるまでで話が一つ完結している感じ。そう言えば伊豆の踊り子でも冒頭でトンネル超えてましたね。 東京の妻に「田舎の蛾に卵産みつけられんじゃないわよ」(こんな下品ではありませんが)と釘を刺された後半は駒子との関係も少し倦んできます。駒子の生きづらい純粋さは葉子が肩代わりして持っている感じ。しかし、女性の唇をヒルに例えて美しいと言う川端はヤバいですね。 10年後に書き足されたと言う最終章雪中火事は、星降りしきるなか舞い上がる火の粉、沸き起こる水煙と誰もが幸せになれないカタストロフでありながらも凄絶に綺麗。でも必要ですかね? 駒子はまた重荷を背負わされた気がします。 読み終えて数日、思うように感想が書けず改めて読み返してさらに数日。手強かったです。
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