燕は戻ってこない

桐野夏生(著者)

• 販売会社／発売会社: 集英社
• 発売年月日: 2022/03/04
• JAN: 9784087717617

商品レビュー

2025/01/22

テーマは面白いがそのテーマゆえに真っ直ぐなストーリー。合間に会話シーンが挟まり桐野作品の中ではテンポイマイチに自分は感じたが、確かにドラマ化レベルの面白さだ。

2025/01/17

・はじめは悠子に感情移入していたのに後半からそれもなくなり冷静に読んでいた。
・貧困、結婚、妊娠出産、母子の本。
・今回は不妊治療だったが、それに限らず立場の弱い人を搾取する状況は私が知らないだけできっとたくさんあるんだろう。あってはならないと思いつつどこかで加担してしまっていそうで虚しくなる。
・基の代理母に依頼してまで子どもを持ちたいという執念が怖かった。やっぱり一緒に育てたいという悠子の気持ちの変わりようも少し引いてしまうが、リキ同様、経験したことのない妊娠出産にまつわる気持ちなんて予想もできない変化があるんだろう。

2024/12/12

面白かった！主な登場人物が三者三様にクズでみーんな好きじゃないし、みーんな共感できなかった。
リキは浅はかだし、基は傲慢だし、悠子は自己中だし、みんなどうかしていて面白かった。生きてるなぁって感じの登場人物だった。

基の子どもに対してのスタンスがただただ怖くて、毒親も甚だしいというか、自分と子どもの境界がなさすぎて怖い。子どもはお前じゃないんだぞ？としか思えないし、こいつに育てられるの嫌すぎる。そして悠子も自分のことしか考えてないし、言うこと思うことブレッブレで芯がないのでしょうもなくてよかった。

リキとその友達の貧乏描写は切なかった。おかず少しとおにぎりの弁当とか物悲しくてしょうがなかった。けどすごいよくわかる。お金なくて卑屈になる感じとか視野が狭まる感じとかがリアルだと思った。

みんな自分勝手だし、みんな気色悪いけど、物語としてはとても面白かった。最後、小説だからあそこで終わりだけど、これからのことを考えると頭抱えたくなるほどの浅はかの極みというか。捕まって断罪されて真っ暗闇でしょうよ。男の子だけ置いていくっていうのはでもちょっと笑った。

子ども産まれた瞬間にコロッと態度帰る草桶夫婦が最高にグロテスクだった。